林誠人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
“「どうぞ」
呼ばれた奈緒子は研究室の中に入った。机の上には書物が積み上げられている。こちらに背中を向けていた上田らしき人物は、くるりと椅子を回転させて振り返ると、その手にはなぜかわらびもちを持っていた。白いシャツとベージュのチノパン。夏だというのに濃いグレーのベストを着ている。座っていても、かなり長身なのがわかる。上田は奈緒子を上から下まで疑り深い目でじっと眺め、わらび餅を食べながら言った。
「超能力者と称してここに来たのはあなたが十人目です。みんな私をがっかりさせる人ばかりでしたね。これ以上時間を無駄にしたくない。あなた、本当に超能力者なんですか?」
「私は本物です」
上田の机の前の椅子に腰かけた奈緒子は、とりあえず自信満々を装い、すかさず言った。
「封筒、ありますか?」
「何をする気です?」
「壁抜け」
くいっと眉を上げて、見下すような目つきをし、上田に負けないくらい不敵な表情を奈緒子は作ってみせる。上田はカチンときたようで、奈緒子の作戦は当たった。”
ドラマは見ていないが、気になっていたので読んでみた。
結構、面白い。
“「君、お母さんの実家に連れて行ってもらったことある?」
三男が奈緒子の背後にぴったりと詰め寄ってくる。
「いいえ。でもそんなの人の勝手です」
「勝手だよね、たしかに。でも変だと思わない?」
「……何が言いたいんですか?」
「君のお母さんが島で何をしたか、知ってるか?君たちにはそれ相応の償いをしてもらわないといけないと思ってね。だからここに来てもらったさ」
「……母はいったい何をしたんですか?」
「やっぱり知らないのか。だったらお母さんに直接訊いてもらうしかないさいが」
「話はそれから。我々はいつでもここにいる」
次男は勝手に話を締めくくる。
「もう二度と来ません」
「君のお父さんを殺したのが誰か、知りたくないか?えへへへー」
「えへへへー」
ふたりは奈緒子や里見がいつもするような笑い方をする。
「何か、知ってるんですか?」
「すこしは自分で調べれ。犯人は君がよーく知ってる人物だよ」” -
Posted by ブクログ
「私の目の前で超常現象の存在を証明できたら賞金をお支払いします」売れない奇術師、山田奈緒子はショーをクビにされ路頭に迷う寸前、若手物理学者・上田次郎の霊能力者に対する挑戦状を支配人から渡される。超能力者を装って上田の元を訪れた奈緒子だったが、上田の企みは別にあった…!はたしてこの世界に霊能力者はいるのか?本当に超常現象は存在するのか?売れない奇術師と石頭の物理学者の不協和音なコンビが不思議な現象のトリックを暴く!テンポのよさと絶妙なキャラでマニアを魅了した堤幸彦ドラマのノベライズ。
ノベライズなので本として紹介していいものかどうか・・・。ドラマの台本のようなものなので、ドラマを見ていただけるとありがたい。