古典派経済学を代表するイギリスの経済学者マルサスが著した本。
一般的に「マルサス主義」といわれる法則は大雑把にいえば『人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。生活物資は等差級数的にしか増加しない』という一文にまとめられる。
豊かさこそ人口増加を引き起こす原因だと仮定し、貧民を適当に飢えさせ
...続きを読むることが長期的な社会の安定につながるとしたマルサスの論は現代において痛烈な批判の対象になりえる、しかし、それでもこの論が100年以上生き残ってきたのは他人と自分に優劣をつけ自らの優等性を確認し続けたいという人間の本性を捉えているからではないだろうか。