ジロドゥのレビュー一覧

  • オンディーヌ
    ジロドゥの戯曲。
    水の精オンディーヌと、騎士ハンスの恋を描く。

    オンディーヌの奔放すぎるキャラクターが強烈だが、それは本心とは裏腹な社交辞令や政治に満ちた貴族の社交界と対比させるためのものなのだろうか。

    展開が読めずイライラする場面もあったが、大六場、第七場での物語の畳み方は素晴らしかった。最後...続きを読む
  • オンディーヌ
    私にとって一番好きなパターンなので、いつも以上に冷静さを欠いてしまいます。きっと感じたこと全てを誰かに話したら「何言ってんだコイツ?」と思われるのは間違いないでしょう。そのくらい、好きなタイプの物語です。どこか間の抜けたキャラクターたちが笑わせて、その台詞を良く考えると裏があって考えさせられて、気が...続きを読む
  • オンディーヌ
    オンディーヌ、純粋無垢で明るくてキラキラしてて本当にいい子で。
    最終的には悲恋だけど愛ってこういうものだよなって思いました。
    小説で久々に泣いちゃった。
  • オンディーヌ
    裏表紙の説明文には「究極の愛」とあった。異種婚姻譚という物語のパターン自体が究極の愛と結びつきやすいと思うけど、その中でも確かに「究極の愛」と呼ぶのにふさわしい作品だった。


    あまりに純粋で偉大すぎる魂とあまりに卑小な魂とが惹かれあってしまったことがそもそもの悲劇の始まりなんだろう。


    でも卑小...続きを読む
  • オンディーヌ
    ジロドゥといえばルイ・ジュヴェで、解説にはジャン・ルイ・バローも登場するから、「映画に恋して」に配架。王妃に語るオンディーヌの言葉『そこでは最初にむかえた男が、つねにただひとりの男です。』と、ラストが哀しいですね。最初にベルトランに会えたらよかったのに。そうしたら、お話が成り立ちませんが。えっ、ハン...続きを読む
  • オンディーヌ
     水妖記の戯曲版としてあまりにも有名であり、ラストシーンは傑作である。

    水の精霊オンディーヌと騎士ハンスの悲劇的な恋愛を描いた物語で、人と人に非ざる者との恋は始まりから破局を予感させる。

     これは東西の異類婚の物語同様、予定調和ともいえる筋書なのであろうか。
     水の精霊といえば人魚姫を思い出すが...続きを読む
  • オンディーヌ
    まさに悲劇の体をした作品。
    人間の弱さをとことんまでに
    痛感できる作品でしょう。

    実際にハンスは欲に負けて
    オンディーヌ以外の女性に恋をし
    婚約してしまいます。

    オンディーヌは汚れなき、うそなき
    透明な存在。
    しかしながら人はそう生きることはできないのです。

    別のバージョンも読みたいですね。
  • オンディーヌ
    なんとなくデジャヴを感じでしまった。何故?
    ラストまで読み終わった時、この二人がまた何処かで出会うことはないのかと一瞬考えてしまった。
  • オンディーヌ
    フランスの文人ジロドゥ(1882-1943)の手に為る恋愛悲劇、1939初演。フーケーの「ウンディーネ」を下敷きにしているが、ジロドゥの描く水の精は、この19世紀ドイツの作家のそれよりも、もっと奔放で天真爛漫で、魅力的だ。幾分砕けた躍動感のある訳文が、ジロドゥ作のオンディーヌの性格をうまく表現してい...続きを読む
  • オンディーヌ
    戯曲は初めて読んだ。会話文ばかりの文章なんて果たして本当に楽しく読みこなせるのか不安だったのだが、この作品に限ってそんな心配は不要だったのだと思い知った。小説のように視点が固定された地の文がないため、台詞の一つ一つが切実で、素直で、情熱的、そしてそれらの掛け合いはまるで音楽のようにリズミカルに私たち...続きを読む
  • オンディーヌ
    先日読んだ或る小説で言及されていて、その引用文がひどく印象的だったので読んでみた。
    訳の違いで随分ライトな感じになってはいたけど、最後の展開は凄くドラマチックでロマンチックで、わりと好きです。

    愛した人のことをすっかり忘れて生き続けるのと、
    何もかも覚えているまま、その記憶とともに死ぬことは、
    ...続きを読む
  • オンディーヌ
    恋に落ちた水の精のお話。 新幹線の中で読む本を持っていき忘れたので慌てて選んだこの本。 最初は「この娘あかんわ!」と叫んでしまったくらいだったけど、読み進めるうちに夢中になった。