阿部重夫のレビュー一覧

  • リーマンの牢獄

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    金融詐欺事件当事者の独白 経済犯罪の初犯ながら懲役15年と殺人犯並みの量刑
    ①371億円という巨額事件
    ②金の使途を完全黙秘
    裁判官の心証を害し、詐欺の最高刑懲役10年とインサイダー取引の併合罪で1.5倍を適用された 被告は受容し、控訴せずに判決確定。数億の金を守るためだったが、受託者は隠匿の雰囲気。何のための15年だったのか?虚しい・・・
    人生の価値を最後まで間違えてしまったように思う。本書のメッセージはそれだけ。
    ただバブル経済からの社会史とみると色々勉強になる。
    医療Financeに丸紅が最終リスク保持者のスキーム、「No Risk」で「バブル化」
    リーマン・ゴールドマンが絡むとあっとい

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    2024年06月28日
  • ジャック・イジドアの告白

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    SF要素のない、ディックが自身を投影した準私小説。現代でいう発達障害らしき青年で世間とそりが合わない兄が、わがままだが裕福で世知に長けた妹の不倫に巻き込まれるかたちで物語は進む。序盤から登場人物の言動が強烈でいきなり眼が離せなくなり、徐々に昼ドラ的な愛憎劇に引き込まれていく。世間的には恵まれた存在であるはずの妹夫婦がやがて狂気と化していく中、カルトの終末論に惑わされながらも、純真かつ鋭い洞察力を見せる兄。本当に病んでいるのは誰なのだろう。「彼はある意味で優れた人間なんだ」後にディックは書簡で振り返っている。文学的ともいえるが、サスペンスとしても面白かった傑作。

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    2021年03月09日
  • イラク建国 「不可能な国家」の原点

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    ニーダーマイヤーとかガートルード・ベルとかトーマス・エドワード・ロレンスとか。一度目は読み物として、二度目は資料として。

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    2009年10月04日
  • リーマンの牢獄

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    リーマンショック当時まだ中学生であり背景等もあまりわかっていなかったため、勉強の意味も込めて手に取った1冊。

    サブプライムローン問題はもちろんだが、それ以外にもリーマンショックのトリガーとなりうるような事案があったことは驚きであった。

    自分の目で見えている世界には、まだ見えてないものがたくさんあることを感じた1冊。

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    2025年11月27日
  • リーマンの牢獄

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    ある時テレビを見てると著者が情報番組の特集か何かでインタビューされているのを観てこの本を知った。すぐ読みたくなり買った。もちろんリーマンショックは知っている。しかしまさかそのリーマンブラザーズの破綻の引き金となっていたのが日本人でそれがしかも詐欺だったなんて知らなかった。著者は元々はただのサラリーマン。その山一證券時代のひどい日常は、今となっては信じられないようなことばかりで、なんちゅうー会社や?ってかんじ。。
    著者がいつのまにかマネーゲームに巻き込まれていくさまは、読んでいてまさしくあれよあれよという間にという感じ。逃亡生活を描く途中で知っている会社名が出てきてびっくりした。本書の特徴はこん

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    2024年07月07日
  • リーマンの牢獄

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    サンジャポでリーマンショックの引き金を引いた男としてインタビューされていたので即ポチ。
    『オマエだったんかい』という怒りにも似た感情、でも一見詐欺師には見えないその風貌から、この男がどんな風にあの世界金融不安の引き金を引いたのか…に興味をそそられ一気読み。
    政治、医療改革、金…
    色んなことが連鎖し、著者もその先頭を走り、受刑者となり今に至るのかと。
    正直この能力は本当に日本の経済、構造改革に使われるべきだと思ったし、これから第二の人生で何かしらの改革をやって欲しいとさえ思えた。
    重厚な映画を見た後のような感慨に浸る。
    面白かった。

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    2024年06月02日
  • ジャック・イジドアの告白

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    ディックの非SF小説。SF的設定がないので個人的にはものたりない。イジドアの妹・フェイの強烈さが印象深い。フェイの夫の退院後の行動も強烈な印象を残す。

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    2019年04月03日
  • ジャック・イジドアの告白

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    非SF作品ってことで読んでなかったけど意外に楽しめた。ディックは本当はこういうの書きたかったていうか主流文学を書きたかったのかなと思った。人物造形が丁寧で、描きこみもきっちりしており、アメリカ文学だなって感じする。読んで損はない。

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    2018年03月21日
  • ジャック・イジドアの告白

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    訳注が過剰で煩わしく感じてしまった。^^;
    ディックファンなら解説本に手を出しちゃうと思うし、今は楽にネットで検索出来ると思うのですが、知らないままで間違った解釈をして欲しくないという意向があったのかな?

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    2017年12月30日
  • イラク建国 「不可能な国家」の原点

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    第一次世界大戦前後のドイツ、イギリスの争いと、
    その後のイギリスによる統治に至るまでを
    主要人物を軸にドラマチックに描く。
    やや演出に過ぎ、どっしりとした大局観に欠く
    印象を受けたが、魅力的な人物らの所業によって
    建国されたイラクの矛盾は興味深い。
    個々の事象や人物について、
    もっと腰を据えて知りたいと感じさせる秀逸な導入書。

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    2014年05月01日
  • イラク建国 「不可能な国家」の原点

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    サッダーム・フセインを放逐し、イラクに救済者として降り立ったアメリカは、民主主義という福音がこれほど無力とは思っていなかったろう。
    なぜ戦後復興は泥沼に陥ったのか。
    宗派や民族の対立、いびつな国土という混乱の種は、イラク誕生時すでに蒔かれていた。
    一九二一年、暴発した排外運動を封じ込めようと、苦肉の民政移管でこの人工国家を生み出したガートルード・ベルの苦悩を軸に、イラクが背負う困難を照らし出す。

    [ 目次 ]
    第1章 東方へ!―アラビアのローレンスと「砂漠の女王」
    第2章 反英蜂起―ヴァッスムスの暗号帳
    第3章 それぞれの聖戦―炎上する中東の回廊
    第4章 「千夜一夜の都」陥落―

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    2011年04月01日
  • リーマンの牢獄

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    私が20代前半で何も考えていなかったリーマンショック時代にこんなで事があったのかと勉強になった。自分にとって遠い世界の話だが、似たような投資家達は紙一重で生きている人も多いのかも。

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    2025年08月30日
  • リーマンの牢獄

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    2008年に巨額金融詐欺の主犯として逮捕され、14年間収監された本人による手記。当時の椅子取りゲーム、ババ抜きとも言うべき金融バブルの虚しさ、欲に群がる人間の恐ろしさを感じる。「リーマンショックのトリガーを引いた男の手記」というのが本作の謳い文句だが、これは盛り過ぎ。少なからず影響は有ったのだろうが、風が吹けば桶屋が儲かる的なものだろう。金融工学を駆使した難解な投資スキームが語られるが、実態は自転車操業の分かりやすい詐欺。著者は格好の良い事や被害者意識の言説を述べているが、正に詐欺師の弁舌はこういうものなんだろうと感じた。

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    2025年08月31日
  • リーマンの牢獄

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    自分の就職活動時代から、マーケットに身を置くようになった2000年代初頭、その後のリーマンショック、、、、
    懐かしく読ませてもらった。

    すべてのスキームや商品に触れたことがあり、臨場感はそれなりにあったが、もう少し、スピーディーに書けたのでは?と思うくらい、冗長な部分もあった。

    著者は不倫相手に会社を持たせて救ってあげたり、車の話とか、山一時代の復習とか、いろいろカッコいいこと言ってるけど、結局は、偽造された丸紅の債務保証書を元にした投資商品詐欺。。。


    欲望は無限
    無限とは一つの欠陥であり、完全ではなく限界の欠如である

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    2025年02月11日
  • リーマンの牢獄

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    バブル経済の通史、裏面史というよりは、ただの詐欺師。
    丸紅の保証が嘘だとわからないわけないし、金の使い方がひどい。
    著者に誠意が感じられないので、読後感はあまりよくない。
    【目次】
    第1章 原点は山一證券
    第2章 大洪水のあと
    第3章 カネは蜜の味
    第4章 「丸紅案件」の魔物
    第5章 破局の足音
    第6章 コンゲーム
    第7章 海外逃亡
    第8章 檻の中の蛙
    第9章 われ深き淵より
    エピローグ クロサギとのこと

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    2024年10月03日
  • リーマンの牢獄

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    長い本だった。
    扱う金額が大きいと、その手数料も大きいということなのかな。
    作り出す価値と、手元に入ってくるお金のバランスが崩れているように感じた。
    金融工学とやらで、富を生み出しているということはうっすらと分かったような気もするが、そこから簡単に蛸足配当自転車操業になってしまっているように見えて、価値創造と詐欺行為のミシン目がよく分からなかった。
    お金って本当によく分からない。

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    2024年08月26日
  • リーマンの牢獄

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    経済、金融は難しく、本当の意味は理解できていないと思うが、バブル時特有の勢いとか、活気があって、分からないながらも引きこまれた。
    丸紅は昔から良いイメージがなかったが、いまも一等地に建つビルを見ると、なるほどな、と妙に感じる。
    時代は変わり、手段は変わって、動画配信サイトで荒稼ぎしているような人たちは同じ種類の人種なのではないかと思う。
    事件よりも真実を明らかにする場ではないという、日本の検察、裁判のあり方の方がショックかも。

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    2024年07月27日
  • リーマンの牢獄

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    前半は読みごたえがあるが、後半になるとここでは語られていない部分があるように感じられ、その反動か、語り口も冗長になり読み続けるのがしんどくなった。

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    2024年07月02日
  • 市【まち】に虎声【こせい】あらん

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    ディックのSFではない、実質処女長編。エヴァンゲリオンの碇シンジ=本作の主人公ハドリー、という訳者解説で少し構造が見えたような気がする。終末のイメージを旧約聖書やヨハネ黙示録などに負い、魂の彷徨を繰り返した末に見えるものは何か。23歳の若かりし日に書かれた本作は、晩年の宗教的な小説にも通じるものを感じさせつつ、現実と非現実の狭間で自己の変容を見出すというディック作品全体に見られる要素がすでに完備されていると思う。いっけん退屈で小難しい小説に思えるかもしれないが、個々の人間描写が面白く、終盤の展開にはスリルもあり個人的には楽しめた。
    約600ページの長編なので読む際はご注意を。

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    2021年03月03日