藤沢道郎のレビュー一覧

  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    アペニン半島の通史を、人物に焦点を当てながら物語る一冊。
    教皇庁が強力な支配権を維持するために、イタリアの政治的統一を嫌っていたというのは、なるほどと納得。ダンテの「神曲」がホメロスやヴェルギリウスに劣らぬ世界文学の傑作となり、そこで使われていた俗語がイタリア語となり、国民統一の凝集力として大きな歴史的な意味を持っていく、という言語から見た歴史のダイナミズムも面白い。フィレンツェとミラノの対立は、その源泉から見れば共和制ローマと帝政ローマ、表現された芸術的側面から見れば反ゴシックとゴシックの対立。旅して見た二都市の建物や雰囲気の違いを鮮やかに思い出しながら楽しく読んだ。

    「あとがき」は短いが

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    2024年12月07日
  • 物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで

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    人物伝として非常に楽しく読めるうえに、時代を超えて象徴的なキーワード(特にカステルサンタンジェロ)がそれぞれの物語を繋いで壮大な一つの歴史を紡いでいるようで、ひと息に読みきってしまった。
    イタリアに向かう飛行機内で読んだのもよかった。これを読む前と後ではイタリア(特にローマ)を見る目が変わるかも。ローマの性質ってなんかだいぶダメ人間ぽい。宗教権威や観光、実体のないもので数千年もタダ飯食うことに慣れてしまうと性質もそうなるのかな、それはそれで人間らしいが。今でも地下鉄ローマテルミニ駅の治安は世界最低。

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    2024年06月05日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    まるでイタリアの各都市を歴史散歩しているような錯覚になる筆致。コロナが収まったら、是非行ってみたくなる。

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    2021年12月26日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    買った当時は難しそうだと思っていたけど、いざ読み始めてみると面白い。というよりも、読みやすく書かれていて良かった本です。

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    2010年06月15日
  • 物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで

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    古代ローマから17世紀まで前作と同様時代ごとに人物をピックアップして語られるイタリアの歴史物語です。
    今回の舞台はローマの聖天使城(カステル・サンタンジェロ)です。超イタリア行きたい。

    前作『物語 イタリアの歴史(1)』も良作でしたが、これも凄く良い本でした。
    読みやすい文章と程よい情報量で歴史が苦手でも飽きずに最後まで読めます。
    もちろん(1)から読むのがお勧めですが、これ一冊でも十分興味深くて面白いです。
    (1)に比べて今回取り上げられている人たちはあまりメジャーではない人が多かったのも良かった。
    カラヴァッジョについては実はこの本を読むまで知らなかったのですが、読後にテレビで取り上げら

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    2009年10月04日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    史実の羅列ではなく時代ごとに1人物に焦点をあてイタリア史の一側面を見ようとしているので読みやすく面白い!

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    2009年10月04日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    古代ローマの都でありながら、その歴史は分裂と栄枯盛衰に彩られているイタリア。その分裂の時代の長さ故に各都市の特徴は千差万別で、イタリア人のアイデンティティは今なお各都市に根付いている。「アドリア海の女王」と呼ばれ商業で発展したヴェネツィアも、メディチ家のお膝元トスカーナのフィレンツェも没落し、統一に動き出したのはトリノを都とするピエモンテ。ヴィットーリオ・エマヌエーレとカブールからではなく、ヴィットーリオ・アメーデオからピエモンテの話が始まるので興味深い。フランスという大国に面しているからこその強かさ。
    中公新書の物語シリーズの中でも、本作は特に物語感が強い。各時代を生きた著名人を取り上げなが

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    2025年04月01日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    面白く、楽しく学べる。イタリア観光したくなった。
    ただ強いて言えば、2のほうが素人にとっときやすいテーマが多かったような気がする。(先に2読んだ)

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    2025年01月12日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    ☆☆☆2020年1月☆☆☆


    1、皇女ガラ・プラキディアの物語
    2、女伯マティルデの物語
    3、聖者フランチェスコの物語
    4、皇帝フェデリーコの物語
    5、作家ボッカチオの物語
    6、銀行家コジモ・デ・メディチの物語
    7、彫刻家ミケランジェロの物語
    8、国王ヴィットリオ・アメデーオの物語
    9、司書カサノーヴァの物語
    10、作曲家ヴェルディの物語


    イタリアの解体(ローマ帝国)から、再統一まで1000年以上の歴史をたどる壮大なロマン。有名な人物から、あまり知られていない人物まで。
    イタリアの歴史を語るうえで欠かせないのはローマ教皇。
    僕は昔から「カノッサの屈辱」が大好き(・・・と言っていいのかどう

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    2020年01月03日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    ・現在のカノッサは古城の廃墟に風が吹くばかり、たまに訪れる観光客のほかは住む人とてない
    ・1453年、東ローマ帝国の首都を完全に包囲した14万のトルコ軍団は、皇帝メフメト2世の号令下、総攻撃を開始。防戦二カ月余、ついにコンスタンティノープルは陥落
    ・フィレンツェでメディチ家ゆかりの場所を訪ね歩けばきりがないが、ウッフィーツィ美術館だけは見逃すまい

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    2018年11月04日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    著者本人は列伝ではないと断言しているが、一章に一人の人物を割いて、その人物にまつわるエピソードと絡めて語るイタリアの歴史=物語。読む順序が逆になってしまったが、第一巻のほうは10章で10人の人物を取り上げ、古代からイタリアの国家としての統一(19世紀末〜20世紀初頭)までを物語風に綴っている。一話から順に人物をあげると、皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディとなる。大体、一章で一時代を扱っているので、内容はわりと二巻と重複して

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    2022年07月28日
  • 物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで

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    まさに「物語」。現在の歴史的理解とは異なる部分もあるが、読み物として面白い。サンタンジェロの歴史を知らず、ただ観光して景色の良さを楽しんでいたが、今後は違う。古代ローマより、この永遠の都の歴史を見続けてきたのだと思うと、その歴史的重みが違う。

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    2011年08月24日
  • 物語 イタリアの歴史 解体から統一まで

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    皇女ガラ・プラキディア、女伯マティルデ、聖者フランチェスコ、皇帝フェデリーコ、作家ボッカチオ、銀行家コジモ・デ・メディチ、彫刻家ミケランジェロ、国王ヴィットリオ・アメデーオ、司書カサノーヴァ、作曲家ヴェルディの10人を通して、ローマ帝国の軍隊が武装した西ゴート族の難民に圧倒される4世紀末から、イタリア統一が成就して王国創立専言が国民議会で採択される19世紀末までの千五百年の「歴史=物語」を描く。

    [ 目次 ]
    皇女ガラ・プラキディアの物語
    女伯マティルデの物語
    聖者フランチェスコの物語
    皇帝フェデリーコの物語
    作家ボッカチオの物語
    銀行家コジモ・デ・メディチの物語
    彫刻家ミケラ

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    2011年04月03日
  • 物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで

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    1991年の『物語イタリアの歴史』に比べ、単純化・図式化してるような気がしたが、元々第2弾として書かれたものではなく、別媒体に連載していたエッセイを著者没後『Ⅱ』として出したものだとか。きっと本人が健在なら、本にまとめる時点でいろいろ練り直したことだろう。
    また、前作に比べローマに偏っていると思ったが、それも元来違うものをまとめたためという事情によるようだ。
    この本が編まれるに至った経緯を述べた武谷なおみのあとがきが、故人への尊敬の念にあふれていてよい感じ。

    ハドリアヌスとかグレゴリウス1世とか、エネルギーも能力も常人の何倍も持ってる人なんだなーと思った。
    ダンテに地獄に落とされたボニファテ

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    2011年05月16日
  • 物語 イタリアの歴史II 皇帝ハドリアヌスから画家カラヴァッジョまで

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    ローマ、テーヴェレ河畔に威容を誇るカステル・サンタンジェロ(聖天使城)は、紀元二世紀に皇帝ハドリアヌス自らの陵墓として築かれて以来、数々の歴史的事件に立ち会ってきた。
    本書はハドリアヌス帝、大教皇グレゴリウス、ロレンツオ・デ・メディチ、画家カラヴァッジョら八人をとおして、古代ローマ帝国の最盛期からバロック文化が咲き誇った十七世紀までの千五百年を描く、もうひとつの「歴史=物語」である。

    [ 目次 ]
    第1話 皇帝ハドリアヌスの物語
    第2話 大教皇グレゴリウスの物語
    第3話 マローツィア夫人とその息子たちの物語
    第4話 異端者アルナルドの物語
    第5話 教皇ボニファティウス八世の物語

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    2011年04月03日