村松秀のレビュー一覧

  • 論文捏造

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    「ノーベル賞受賞確実」と言われた物理学界の若きスターが起こした「史上空前」の論文捏造事件がなぜ起きたのか?どうやって周りは気づいていったのか?が丹念に描かれ、一本のサスペンス小説のような面白さです。
    研究内容や物理分野の研究の世界の特徴などはわかりやすくサラッと書かれているので、学術研究の分野のことをよく知らない人にも面白く読めます。
    時折ニュースで騒がれる論文捏造事件が起きる背景を知るのに絶好の1冊。
    なお、この捏造論文のアイディアが実は実現できるようだ、ということが最近になってわかってきたそうです。論文自体は捏造でも、アイディアとしては正しかったのかもしれません

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    2020年11月28日
  • 論文捏造

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    NHKで放送されたドキュメンタリー番組「史上空前の論文捏造」の
    書籍化である。

    科学の世界に彗星のごとく現れた若き研究者ヤン・ヘンドリック・
    シェーン。世界中の優秀な科学者が終結するアメリカ・ベル研究所
    を舞台に、彼は超伝導の世界で次々と斬新な研究結果を発表した。

    物理学上の大発見だった。いくつかの科学賞を受賞し、ノーベル賞
    受賞も確実視され、様々な研究機関からの好待遇でのヘッドハン
    ティングも行われた。

    しかし、有名科学誌に掲載された彼の論文を元に、多くの科学者が
    再現実験を試みるが誰一人として成功しない歳月が続いた。

    そんななか、とある研究者の元に匿名のメッセー

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    2017年08月21日
  • 女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?

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    NHK教育のの人気番組すイエんサー、その製作に携わった著者が番組の人気企画である「知力の格闘技!」ですイエんサーガールズが東大や京大など名門大学の学生に勝つ姿を通じて、番組で挑んできた難題の紹介、そして解決するために駆使する「グルグル思考」についてまとめた一冊。

    本書で中心的に書かれている番組で取り上げた20の難題を「グルグル思考」を使って解決していくプロセスが秀逸ですイエんサーガールズが実際に悩んできたシチュエーションを実感できる作りになっていると感じただけでなく、そのことから日本の教育に対する課題を著者が提言されている点も共感できるものがあり、素晴らしく感嘆しました。
    また結果や番組の写

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    2017年06月10日
  • 論文捏造

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    最近起こった論文捏造問題に酷似している、
    ヤン・ヘンドリック・シェーンの不正を取り上げていると、
    インターネットでみかけて。

    NHKの番組を画像を書物に落とし込んだものながら、
    素人でもわかるぐらい論文内容の超伝導を易しく説明してあり、
    インタビューした人物やその場の雰囲気が伝わってきて
    非常に面白かった。

    ベル研究所と共同研究者バートラム・バトログの高名さに目がくらみ、
    画期的な発見と信じ込んで興奮し、
    追試できない自分たちの技術の無さに落ち込み、
    実験のノウハウが企業秘密になっているのではないかと疑心暗鬼になり、
    誰かが追試に成功したらしいという噂話をメールで飛ばし合い、
    画期的な実験

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    2015年03月15日
  • 論文捏造

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    12年前に発覚した,科学史上最大の捏造事件。その経緯と背景,科学の抱える課題について,綿密な取材に基づいて描き出した好著。
    現在日本を騒がせている事件との共通点の多さに改めて驚く。若き研究者,権威ある科学者との共著,有名研究所,メディアへの露出,再現実験の不首尾,同業者からの告発,図の使い回し,「単純なミス」との弁解,インパクト重視の学術雑誌の問題,熾烈な研究資金獲得競争,行き過ぎた成果主義…。違っているのは,分野が捏造の起きにくい物理系(超電導)であったこと,三年の長きにわたって発覚しなかったこと,その間ヘンドリク・シェーンは『ネイチャー』と『サイエンス』に計16本もの論文を載せていること,

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    2014年05月13日
  • 論文捏造

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    学術雑誌を「世界に関して発見された真理を報告する場」「そこに掲載された論文はすべて絶対に正しいものであるべき」と見る(素朴な?)見方は研究者としては賛同できませんが、それ以外の点については非常によく書けている本だと思いました。

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    2014年04月26日
  • 論文捏造

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    STAP細胞が話題になっていたから読んでみたけど非常におもしろかった

    また、今回の小保方騒動と類似している点も多く見られたように思う

    組織としての問題
    大学の教育体制
    悪意の有無
    再現性
    などなど、今回の騒動を考える上で重要な要素が多く含まれているのでSTAP細胞について興味を持っている人にはぜひ読んでほしい

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    2014年03月16日
  • 論文捏造

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    世紀の変わり目に起きた,一人の若手研究者による大規模な捏造事件を追ったドキュメンタリー。この事件は解決までに3年を要した。なぜこんなに時間がかかったのか。どうすれば捏造は防げるのか?
    エピローグでは執筆の動機について書いてある。急速に変化する世界の中で,科学は,あるいは我々はどのように「わからなさ」に対処すればよいのか。この本の内容は科学界だけにとどまるものではない。

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    2013年01月26日
  • 論文捏造

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    ネタバレ

    タイトルの通り,論文が捏造された事件を追ったノンフィクションです.
    捏造は超伝導の開発に関する研究で起きました.
    超伝導とは電気抵抗がほぼゼロになるという夢の様な現象で,砂漠地帯に広大な太陽光発電などを作れば,超伝導の技術で世界中にロスなく電気を送れるのです.その砂漠地帯は潤い,世界の電力は非常に安価になるでしょう.
    問題は,超伝導はマイナス269℃というとてつもない条件で発見されたことにあります.世界中の研究者がその温度を上げるのに取り組んだのは想像に堅くなく,その一連の研究の中で「捏造」は起こりました.

    具体的にいうと,捏造を犯したシェーンというドイツ人科学者の開発した,画期的な方法が技

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    2012年12月26日
  • 論文捏造

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    タイトル通り論文不正についての話。
    研究会では有名な研究不正の話が細かく書かれておりどのように生まれるのかどのように対策するのか述べられている。
    学術の世界で不正はあってはならないもので考えされられる本であった。

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    2024年03月19日
  • 論文捏造

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    平成史ブックガイドから。これは、物語的にハラハラする展開が楽しめる一冊。捏造が発覚した後の、当事者の発言が殆ど聞けなかったのは痛いけど、それはリアルワールドでは仕方ないことかも。これがもう、20年近くも前の話。以降、加速度的に細分化を続ける研究の世界だけど、意外にも捏造乱発は食い止められている?自分が知らんだけかもしらんけど。

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    2021年09月10日
  • 女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?

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    女子高生アイドルは、先入観を持たず様々な方法を模索し課題に挑む
    その結果理屈で推す東大生よりも優れた結果を招くことがある。
    →とにかく行動することが大事

    女子高生アイドルは7つの力を使って課題解決に挑んだ。
    1.疑う力
    「身近な世界を疑う」こと
    なぜ?を追求することが大事

    2.ずらす力
    ロジカル思考は直線的になりがちである。
    〇〇ならば〇〇だのように。
    「分からないこと」に直面した時にどれだけ思考を柔軟に広げていけるかということが大事

    3.つなげる力
    一見縁遠く感じる2つのものへの。高い洞察力が必要である。
    本質を見抜くことが大事

    4.寄り道する力
    現在抱えてる問いに対する理屈を綺麗さ

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    2020年05月10日
  • 論文捏造

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    この本が書かれたのが2006年、事件は2000年頃起こって、STAP細胞の問題が起こったのが2014年。二つの事件、構造がそっくりだというのに、まず驚いた。
    物理学という馴染みのないものも、とても解りやすく書いてあり、ドキュメンタリーだけども、ミステリ小説のような面白さがあった。
    何故捏造事件は起こったのか、その解答に向かって、数々起こる疑問を探っていく。読み手がソコを知りたいという所を、しっかり調べてあり、読むのが止まらなかった。

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    2020年01月27日
  • 女子高生アイドルは、なぜ東大生に知力で勝てたのか?

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    ネタバレ

    ‹内容紹介より›
    この番組の特筆すべきルールなのだが、すイエんサーガールズたちには、台本もない。打ち合わせもない。すべてが「ガチンコ」で進行していく。つまり、彼女たち自身が自らの力だけで考え、本気で解き明かそうとリアルにチャレンジしているのである。テーマがテーマだけに、当然、簡単に答えが見つかるはずもない。そのために、ひたすらグルグルと考え続けることになる。学校で学ぶのとはまったく異なる頭の使い方を、とことんしていくことになる。こうした、無駄にも思えるような、なんとも徒労感を伴う右往左往していく思考のことを、私たちは「グルグル思考」と呼んでいる。すイエんサーガールズは、番組のロケを通じ、日々、

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    2017年06月26日
  • 論文捏造

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    NHK制作担当者による、ベル研の空前絶後の捏造乱発の過程と、その後の人々を追うドキュメンタリー。

    高温超伝導(本書に沿った記載)において、2001年から誰もなし得ないと予想されていた温度限界を、次々に突破していった、アメリカ・ベル研究所の新進気鋭の研究者ショーン。一流紙に載ったデータはすべて捏造だった…。

    物理学という、ちょっと特殊ともいえる研究の世界を描くため、用語や状況を非常に噛み砕いて書かれており、理系ならずとも理解のし易い文章である。今著者の経歴を見たけど、東工大卒?その割には科学的なツッコミが浅い気がするが…。

    本編はテレビ制作人らしく、全てにおいて場所や人物の見た目を描写する

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    2016年12月15日
  • 論文捏造

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    NHKディレクターが自ら手がけたドキュメンタリー番組を書籍化したもの。2002年に発覚した名門ベル研究所の研究員シェーンが起こした捏造事件の経緯と関係者へのインタビューで構成されている。ドイツ生まれの科学者はベル研究所に入ってから二年後立て続けに画期的な実験結果の論文を発表する。これまでにない高い温度での超電導が可能になったと。ノーベル賞クラスの内容に、世界中の研究者が追試を行うがだれも再現できない。次々に更に高い温度を更新していき、多い時には8日に一本の割りで論文を発表していくシェーン。そんな彼の栄光と没落は映画のようだ。番組は某動画サイトにある。

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    2016年09月21日
  • 論文捏造

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    日本はアメリカの10年後ろを走っているとか言われているけど、シェーンの超電導についての捏造から約10年後に小保方さんの問題が起こっているのは偶然ではない気がします。
    捏造には科学と経済の結びつき、捏造の立証の困難さ、分野の細分化と色々な問題があるが、
    特に経済との問題については受け入れるしかないと思う。特許などの権利が確立された以上それを昔に巻き戻すことはできない。であるなら、やはり学問の自由のことも考えて、事後規制で対応するしかないように思います。

    #読書 #読書記録 #読書倶楽部
    #論文捏造
    #松村秀
    #2016年56冊目

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    2016年06月19日
  • 論文捏造

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    ベル研究所のシェーンによる、有機物+酸化膜による超電導の発見。サイエンスやネイチャーへの何本もの論文掲載により、世界中の研究者が熱狂したが、実験データも証拠サンプルも提示されなかった。。

    小保方さん事件より前の2002年に発覚したこの事件について、丹念に掘り起こしたNHKのドキュメンタリーの詳細書籍版。
    非常に読みやすい。

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    2016年02月06日
  • 論文捏造

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    ※以前個人のブログで書いたのと同じ内容です。
    この本は,高温超電導において次々と画期的な,世界を一新するような成果をあげたと論文を書き続けた人物の登場から,その成果への疑惑が強まり,そして捏造であると断定されるまで―のみならず,なぜそのような事が起こったのか,それを食い止めるための仕組みがなぜ機能しなかったのかを関係者へのインタビューを元に構成したものである.



     まず前提として高温超電導とは何かについてごく簡単に書いてみる.電気が流れるときには抵抗が存在する.この電気抵抗は発電所から家庭・工場へと電気を運ぶ際にも発生し,そのロスは無視できない量になっている.

     この電気抵抗が,超電導

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    2015年07月27日
  • 論文捏造

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    「捏造の科学者 STAP細胞事件」の中で紹介されていた本。STAP細胞から遡ること10数年、規模さえ違えど全く同じような事件が発生していたことに驚いた。科学は常に真実であるべきである。将来に渡り二度と同じ過ちは繰り返してもらいたくない。

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    2017年09月26日