伊東信宏のレビュー一覧

  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    取りあえず評伝かなと思って読み始めてみると、「はじめに」にいきなりドキっとする(というかワクっとする)ことが書いてある。
    曰く、

    「ここで目指しているのは、バルトークという音楽家の六十四年にわたる生涯を、民俗音楽の研究活動という側面から見直すことである。」

    というのである。

    なるほど、やはり作曲家、または演奏家ではなく、研究者として一冊の本になるくらいの関心は呼び起こしているわけなんだな。

    話はめっぽう面白い。

    生涯や作品については必要最小限くらいしか出て来ない一方、祖国ハンガリーの、その時代やヨーロッパにおける複雑な(音楽的)位置づけ、それにも増して複雑っぽいバルトークの性格や研究

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    2019年06月18日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    ネタバレ

     この本の著者が書いている「東欧音楽綺譚」がきっかけで読むこととなった。
     バルトークの民俗音楽にかける偏執的までの取組の様子がわかる。バルトークの死後数十年を経てそのコレクションが刊行されるが、国の政情の影響もあり、その道程が必ずしも盤石ではなかった。バルトークがコダーイをはじめ周囲に受け入れがたい偏執的なものを持っていたのだと察する。ファリャが「本物ではない真実」を容認していたのに対し、バルトークは本物を追究することに専念した。つまり、ファリャやラヴェル、リストがまがいもののイミテーションを創っていたとのこと。
     ただ、ほぼ一人で総数2万曲におよぶ民謡を収集するにはそのくらい偏執的な情熱が

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    2018年12月31日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    バルトークの、民謡収集がどのようなものだったのかを明らかにした本。
    作曲よりも、民謡の分類に相当の力を注いでいたとのことで、検索性を求めつつ、ヴァリアントが近くに配置されるような配列を構想していたという。
    つまり、辞書のように単一の原理で配列することと、複雑な要素を持っている民謡同士の近親関係を表示するという、相反することをやろうとしていた、ということらしい。

    何曲かは聞いたことがあるけれど、どんな顔をした人かさえわからない私には、初めて知ることだらけ。

    ハンガリーの作曲家で、ハンガリーの民謡を収集したと思われがちだけれど、実はルーマニア、ブルガリア、ウクライナ、アルジェリアなど、いろいろ

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    2017年03月04日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    二十世紀最大の作曲家の一人、バルトーク・ベーラ(1881‐1945)は、ハンガリーをはじめとする各地の民俗音楽の収集でも名高い。
    しかしその活動は、ともすれば作曲の余技や下準備のように思われてきた。
    本書は、ハンガリーが戦後の政治的混乱を脱して、ようやく明らかになり始めたバルトークの思索と行動を辿りながら、ヨーロッパの周縁文化の中で、彼がもうひとつのライフワークとして心血を注いだ民俗音楽研究を再評価する。

    [ 目次 ]
    第1章 民謡の「発見」
    第2章 民俗音楽収集旅行の時代―1906‐18年
    第3章 民謡コレクション『ハンガリー民謡』を読む―1919‐23年
    第4章 「ハンガリ

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    2011年04月03日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    バルトークと云う人自身について知りたかったのですが、民謡収集についての本だったので内容がかなり専門的…分からない所が多々ありました;

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    2009年10月04日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    作曲家の「人と作品」のようなものでなく、民俗音楽の研究者としてのバルトークに焦点をあてた本。
    一種のコレクターとして、口承の民謡を採譜して歩いたバルトークの奇妙な情熱が伝わってきて、興味深い。
    学者としては、大時代的な博物学的分類に没頭したというだけで、そこから何らかの学説へと跳躍しなかったわけだから、大学者とは言えないが、フィールドワークを重ね蒐集に明け暮れる姿は、ナボコフの蝶やケージのキノコを連想させる。
    ただしこのような性癖と、バルトーク自身の作曲の内容とがどのようにリンクしてくるのか、この本では追い切れない。
    都会で通俗的にデフォルメされた「ジプシー音楽」をハンガリーの民族音楽の代表と

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    2011年08月21日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    いささか学術的で素人にはよくわからないが、リストの「ハンガリアン狂詩曲」がどこがどう「ハンガリー的」でないかという分析はおもしろかった。

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    2010年07月11日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    大好きな作曲家バルトークの新書。
    バルトークにとっての民謡がよくわかります。
    世の中のハンガリー風がいかに違うか、ラヴェルとの対比もよくわかりますね。

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    2009年10月04日
  • バルトーク 民謡を「発見」した辺境の作曲家

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    コダーイの研究をしていた時期があって、じゃあついでに同時代を生きたハンガリーの出身バルトークも、と思って購入しました。しかし、読解には結構時間がかかりました。

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    2009年10月04日