金重明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「複雑系」入門 カオス、フラクタルから生命の謎まで
著:金 重明
ブルーバックス B2227
おもしろかった
見えざるルール、微細なものに潜む隠れた真実、まさに、「神は細部に宿る」だ!
科学万能の現代、わからないものはほとんどないとみんな思っているに違いない
だが、それは誤りである。古代から現代、いまも、世界は、複雑系というなぞに包まれている
気になったのは、以下です。
ニュートンの有名な言葉 万有引力を発見したときの視野をさして
「わたしが巨人の肩に乘ったからです」
微分方程式は解ける、教科書にはそうある、でも、真実は違う、教科書にあるのは、人が解くことができる微分方程式しか載ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ生物は無数の化学反応からなる機械だとは認識していたが、どうやってその秩序を保っているのかという疑問が頭のなかにずっとあった。この本から複雑系の入り口を知り、謎めいた秩序が少しだけ解かれたような気がする。
秩序とカオスの間の「カオスの縁」で、影響し合う構成要素のそれぞれが統率者なしに自己組織化する。アミノ酸やヌクレオチドなどのペプチドが、カオスの縁で相転移して最初の原細胞となり、生命が生まれた。身体のなかでは無数の細胞が自己組織的に化学反応を繰り返している。人間社会で統率者なしの秩序を実現できれば平和な世界が訪れるかもしれないな、と淡い希望を抱かされた。 -
Posted by ブクログ
数学嫌いの編集者が理解できるように書かれた本とされている通り、わかりやすく、かつ、読みやすくまとまっています。
前半の研究史のパートも面白いのですが、
これがあるからこそ、その後の「計算の上を飛ぶ」凄さが際立ってきて、
後半の小難しいパートも最後まで興味深く読み進
められました。
数学的な内容についても、必要な概念を事前に無理なく導入してから進む構成となっていて、事前知識がなくても大丈夫。
(自分は数学徒でないので数学的な厳密性については判断しかねますが)
もう少し詳しく知りたいと思う箇所もありましたが、そこを追いはじめると痛い目をみるのかな… -
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Posted by ブクログ
1392年、李成桂によって朝鮮王朝は始まった。この本は近代資本主義が東アジアを飲み込んでいく過程で朝鮮王朝が巻き込まれ滅亡していく過程を描いている。時代は、党争を抑え王権を確立しようとした英祖と正祖から始まる。儒教国家と言われた朝鮮王朝だが、儒学と実学の戦いでもあった。実学派が勝っていたらば、どのような歴史になっていただろうか。読んでいて日本がこの半島になした出来事に胸が痛い。我々日本人はあまりにもこの歴史を知らなすぎるのだろう。いや知らせない力が働いているのだろうか。それもますます強くなって。最後に申采浩の「朝鮮革命宣言」の全文が載せられている。
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Posted by ブクログ
ネタバレ17歳で数学的革命をおこし20歳(1832年)に謎の決闘で死んだガロアの残した「累乗根で方程式が解けることの条件について」に書かれた群論、特に正規部分群までを解説した本。初心者にも必要最低限のことが理解できるらしい。
ガロアは方程式を論じる過程で、方程式の根の置換群という代数的構造を発見した。そして、その代数的構造によって、無限に広がり複雑怪奇な変化をともなう数の世界において、群によって規定される構造こそが重要であると宣言したそうなのだ。
以下ネタばれ備忘録
・古代からガロアまでの数学
アルゴリズムを追求する
・ガロアから現代までの数学
全体の構造を探求する
・方程式を解く鍵は二項方程式