岩崎日出俊のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
● 将来を予測することが重要だ。過去は、未来を予想する上でのみ意味を持つ
● 親が子供に与えることができる最大の贈り物は、教育だと思います。このお金に関する教育も含まれているはずです。「お金の大切さを知る。汗水流してお金を稼ぐことの重要さを感じる。お金をコントロールし、お金にコントロールされない」。
● 重要なのは、企業の価値であり、売上や資産は関係ありません。経営者は、企業の価値の向上を求めなくてはならず、いたずらに売上や資産の拡張を追い求めれば失敗します。企業価値の拡大とは、分かりやすくいえば、利益の増大、キャッシュ・フローの増強です。
● 資産はコストである、との発想。資産は、それを使って利益を上げて、初めて事業としての価値を生み出します。みずほが世界最大の銀行であるとすれば、その資産を有効に使って世界最大の利益を上げてこそ、その価値が評価されるのです。そういった見方をしていくと、資産とは価値を生み出す材料であり、道具であることが分かってきます。材料や道具はそれを調達する上でコストが掛かります。これが負債や株式です。
● 日本の会社は、『今は決めない』という重大な決断を下してしまったことに気づいていない。実は、今決めるか後で決めるかというのはきわめて重要な決断事項なのだが、このことについてあまり考えないで、『とりあえず様子を見よう』という重大な決断を下してしまっている。多くの場合、後になって決断すればするほど、選択肢の幅は狭くなってしまう。日本人は『もうこういう選択しか残っていない』という状況になって、初めて決断することが多いようだ。実質的にはほかの選択肢がなくなった時点での決断には、決断した内容についてさすがに誰も文句を言うことはないだろう。ただ、選択肢が狭められた(あるいはなくなってしまった)上での決断というのは時間軸の最初から見れば、最適の決断と言えないことが多い。
-
Posted by ブクログ
<著者>
興銀に20年近く勤め、98年の公的資金注入のときに外銀へ転職、JPM、ML、LBでIBに従事した人。
<全体>
わかりやすいようによく練られた文章。
書く範囲をハッキリ限定していて、書くと決めたことに関してはトコトン分かりやすく書いてる。まさに選択と集中。
「身近な話題で親近感を」「具体例で感情移入を」「ポイントは何度も繰り返す」「具体例も絞って、そのかわり使いまわしてイメージしやすく」等々、相当プレゼンもうまいんだろうなぁと思える書き方。
<思想>
市場マンセー。効率マンセー。
興銀から正反対の外銀への転職のインパクトか?
日系のステークホルダー型資本主義(株主だけでなく、顧客・取引先・社内etc...も利する方針)は村社会的であって、米系の株主利益最優先の資本主義が、結局株主利益追求=株価を上げる=企業価値向上=顧客利益追求につながるから、合理的である。村社会的資本主義は、企業の規模拡大とか利権拡大を追求していて、結局顧客利益拡大にはなっていない(Ex: みずほ銀行ではなく富士銀行とすべきだった)とか。こういうのは、日系の良さをよく考えてなくて、価値観が片手落ちになってる気がする。
<内容>
・資産や従業員はコストである。なるべく減らし、なるべく企業価値(株主価値、時価総額)を上げるべき。
・負債と株の比率を上手に最適点へ調整すべき。株はハイリスクゆえハイリターンが必要、負債はローリスクローリターン。それゆえ負債が多い方が、企業価値が上がる(一点を超えると、倒産の際のリスクが一気に大きくなるので、その手前。インフラ系の安定事業は、負債多くてOK。シャトル打ち上げとかの不安定事業は、負債少なく。)負債を減らそうとする日本の経営者は、下駄を履いた経営へ向かおうとしていることになる(ちょっとのミスでは揺らがない企業)。これは甘えた風土になり、社員もフルで働かなくてよく、コストの無駄遣いだと。
・M&AとIPOは同じ。会社を人手に渡すという意味で。
・投資家は自由にポートフォリオを組みたいので、持ち株会社は低く評価される(コングロマリット・ディスカウント)。GEは持ってる事業全部業界1位か2位とかで、不良部門はちゃんと売ってる。例外。
<思ったこと>
・MSCB(リセット条項つき転換社債)ってSMBCに似てる(アホ)
・会社規模と会社価値は別。ってのが伊藤忠とか住商に使えるかな
・個人の業績評価システムがしっかりしてれば、無駄な中間管理職とか要らないし、バックオフィスも最小限で済む。でもこれをしっかりさせるのは難しいので、外資でも専門のコンサルを入れてたり。それくらい重要。
・ビジネスの世界って、いろんな業界でそれぞれ分業してるわけだから、「商社がIBの下について仕事することも」「IBの人をチームに入れて使う」「コンサル使って」とか、上下関係で語るのは自己満足で不毛。どんな仕事でも、お金の流れがどっち向きであっても、「パートナーとして」仕事する気持ち・責任感でいたい。 -
Posted by ブクログ
興銀から外資の投資銀行を渡り歩いた金融マンが書いた本。金融に関する色々な方面について書かれていたけど、メインテーマは株価の本来の価値についてかな。
株式が本来有する価値である割引キャッシュフローの話や、リスク回避型の投資家の説明などなど。経営学の授業でやったことがそっくりそのまま書いてあったので、大きなサプライズはなかったけど、バフェットなどの話は興味深かった。そしてちょっと投資銀行―特に外資―に興味がわいた。
金融に関する知識は、現段階においては周りの学生よりはあると思うけど、知識なんて後づけ全然だし、必要なのは知識を有効に活用し、それにより何かを成し遂げたり得たりすることってのは再確認したい。