宮本直美のレビュー一覧
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ネタバレ自分は常に頭の中に音楽が流れているタイプで、集中するとたとえ職場であっても鼻歌を歌い出してしまう迷惑極まりない人間なので、音楽が常にそばにあると言うのは全然不思議じゃない。むしろ仕事場でストレスが溜まっていたりすると、突然誰かが歌い出したら面白いのになぁなんてことを考えているタイプの人間だ。
ただ確かに言われてみると感情が盛り上がってきたとはいえ、いきなり登場人物が歌い出すと言うのは結構不思議だ。その疑問や「不思議さ」に真正面から回答しようとするのが本書だ。
読んでまず 驚いたのは、 ミュージカルは歴史的に見れば オペラよりも後にできたもで、もともとはオペラのように全てが歌によって構成され -
購入済み
面白かった
私自身、あるスターさんのファンクラブに入ったばかりでしたが、チケット確保の仕組みや貢献の仕組みなど、不可解な点が多く、ファンクラブについて聞いてみたいことが山積みでした。
本書を読んで、今までの疑問が解決したとともに、ファンクラブのスタッフの方々の努力や苦労が少しわかったような気がします。 -
Posted by ブクログ
宝塚歌劇団から自殺者が出た。
とはいえ、宝塚にはまったく詳しくないので、参考程度に本書を手に取った。宝塚そのものというより、そのファンたちに焦点を当てているので目的とはすこしずれていたが、それとはまたべつにおもしろいところもあった。「社会学」と銘打ってはいるものの、分析というよりファンの実態、仕組みを紹介している。
けっこうな文量が割かれるのはガードと呼ばれる、入り待ち出待ちを仕切る役割である。これをやるのはファンではあるのだが、スタッフとファンの中間にあるようなひとたちである。そういうひとたちがいるらしい。公演中の拍手の仕切りからチケットの処理も任されたりするとのこと。重要視されるのは規律 -
Posted by ブクログ
ミュージカル好きにはたまらない本。特に音楽に着目し、ミュージカルの形態の変遷の歴史を辿っていく。
ひとえに「音楽」といっても、その目的や形態によって、全く違う印象を観客に与えることがわかる。「フレーム内の音、フレーム外の音、オフの音」、「独唱、重唱、合唱」、「裏声か地声か」etc…
「ショー」的なミュージカルにおいては、観客は「突然歌い出す」ことは当たり前のものと享受する。時代を経るにつれ、一貫したストーリーがミュージカル界においても重要視されはじめ、台詞世界のリアリティと歌の世界のリアリティとを、雄弁なアンダースコアによって「統合」し、「突然歌い出す」違和感をなくしていくようになった。