塚田努のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<ごく普通の大学生の「僕」は、就職活動を前にしてドロップアウト。そして始めた東京・山谷でのその日暮らし。宿なし・金なし・家族なしの中年男たちと寄せ場や職安に通い、飯場の世界にも飛び込んでいく。彼らは、そして就職を選べなかった「僕」は、ダメな人間なのか?ドヤ街の男たちと寝食を共にした一人の若者による傑作ノンフィクション。幻冬舎アウトロー大賞(ノンフィクション部門)受賞。>働くということが自分の人生のなかで、どういう意味を持つのか。なんてことを読みながら改めて考えたり。読み物としても知らない世界を知れて面白かった。それにしても‥幻冬舎アウトロー文庫って初めて読んだな(笑)
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Posted by ブクログ
大学院生だった筆者が、山谷や飯場での生活を送ることで、実際に生活している労働者の生の声をすくい上げているのが本書の特徴である。
実際に生活が送るとは言っても、筆者には帰れる家があるので、労働者たちとは少し心持ちが違う。
だからこそ、客観的に見られているというところもあるが。
本書を読むまで、僕は山谷にいる人も飯場にいる人も全て日雇い労働者というくくりでしか見られていなかった。
山谷は何度か散歩がてら寄ったことはあるが、確かに異様な感じはあった。
だからこそ、「ここではたくさんの日雇い労働者たちが貧困にあえいで苦労しているんだな」と思っていた。
だが、本書を読むと、どうやらそういうことでもないよ -
Posted by ブクログ
ロクに就職活動もしないまま学部生を終え、モラトリアムを大学院で過ごし始めた著者が調査目的で、山谷のドヤ暮らしと関東近郊の飯場暮らしを体験したルポ。
副題にあるとおり、ほんの3か月ほどの記録でしかなくて、それでえらそうに山谷や日雇いのことを論じるなと思いもするけど、一方で、たった3か月でも何となくそこで生きる人々の像は見えてくるものだなとも思った。どこかやっぱり勤勉に生活することができなかったり、はたまた社会で生きていくには不器用過ぎたりといった具合。山谷や飯場はそういう人を受け入れてくれる、そういう人たちが生きていける場所「聖域」でもあるんだ。聖域である所以の一つに、マジョリティの人々がそこに