松井克成のレビュー一覧

  • 起業家のためのスタートアップM&A入門 企業価値を最大化するもう1つの方法

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者は松井克成氏。株式会社ファイナンス・プロデュースの共同創業者。SBIインベストメント→ドリームインキュベーター→現職。

    感想。
    とても読みやすい。特に、ベンチャーファイナンスの仕組みとかの説明がとても勉強になった。

    備忘録
    ・東証改革。東証の「上場準備企業に理解していただくべき事項」が大切。①小規模上場を否定するわけではないが、数十億円の規模だと、大半の場合は流動性もつかず放置されてしまう。②上場維持基準の流通時価総額100億円は「本当に最低限のライン」。市況によるブレもあるからバッファーがないとマーケットで受け入れられない。③十分に機関投資家ぎ入り流動性が確保されるには、最低でも時価総額300億円が必要。

    ・証券会社が、IPO支援を新規に引き受けるかの判断基準に「IPO時点における時価総額が300億円以上を目指せそうか」が、広まる。少なくとも200億円の目線もあるらしい。

    ・従業員のストックオプションと、M&Aでの売却の関係性。日本では上場の場合のみ行使できる場合が多いが、そうでない場合もあるし、買い手企業がストックオプション内容に関わらず買取る事例もある。あるいは買い手企業が新たなインセンティブプランを検討してそれに切り替えるケースも。

    ・ストックオプションの種類。①無償ストックオプションプール制度、②有償ストックオプション制度、③譲渡予約権。この辺りの比較整理の記載もとても丁寧で易しい。

    ・デュアルトラック。この本の造語?なのか。IPOとM&Aを両睨みする戦略。

    ・買い手企業の整理。国内上場メガベンチャー、非上場メガベンチャー、国内大企業、PEファンド、海外の事業会社。

    ・買収手法の整理。ステップアップ買収(2段階EXIT)、アーンアウト(買収後の一定期間内の対象会社の業績達成レベルに応じて追加的に対価を支払う)、スイングバイIPO、株式交換、株式交付。

    ・結構大事な、VCによる優先株式による出資、への理解。

    ・ランウェイ(スタートアップの資金繰りがあと何ヶ月維持できるか)、バーンレート(毎月減っていく現金のこと)、の理解も大事。

    ・買収目的の整理。新規事業立ち上げ。特に買い手が大企業の場合、ゼロイチ人材はいないが、歯車を作って回す人材が豊富なので、新企業のゼロイチを獲得する。

    ・ボルトオン買収。買い手の既存事業やプラットフォームに直接統合される補完的な企業や事業を買収すること。ロールアップは同種サービスの買収という点で違いありという整理。

    ・M&Aプロセスの説明が、適度(難しすぎたりせず、表面的すぎたりもせず)で、事業家が読むのにベストな水準。

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    2026年08月14日