桜井哲夫のレビュー一覧
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[ 内容 ]
20世紀とは、戦争の世紀である。
その出発点となった第一次世界大戦をこそ問わねばならない。
バルビュス、ドリュ=ラ=ロシェル、ブルトンらが見た戦場とは?
エリクソン、マンハイム、アーレントらを襲った「不安」とは?
大量殺戮の戦争は人間の何を変えたのか?
兵士、民間人の近年発掘された記録や研究をも踏まえて、第一次世界大戦がもたらした「精神の危機」を追究する待望の20世紀精神史の試み。
[ 目次 ]
第1章 1914年・夏
第2章 未知の戦争
第3章 戦時体制と知識人
第4章 くたばれ、おやじたち―戦後精神の形成
第5章 「不安の世代」の登場
第6章 さらば、ヨーロッパ―モロッコ戦 -
Posted by ブクログ
ネタバレフーコーが同性愛者だったり、ロラン・バルトと関係があったり!、自殺未遂を繰り返したり、薬物をやっていたりと普段習わない一面が知れた。
ひとりの人間として興味がもてるし、どうして「狂気の歴史」などを書くことになったかの動機がわかったかも(構造主義・・・?)
引用されていた「責任がありながら、果たせない自分という存在について深く考え抜くこと、おのれがすべてに依存している存在であることを自覚し、おのれの欲望のままに生きることを反省すること、他人のせいにするのではなく、己の至らなさを反省すること。」という清沢満之の全責任主義の考え方が正しいとかはともかく考えたことのない思想でおもしろい。
それに -
Posted by ブクログ
「講談社選書メチエ・知の教科書」シリーズの一冊です。
まずは、教師と学生の対話形式で書かれた「プロローグ」で、捕鯨問題を手がかりにフーコーの「人間の終焉」という考え方が説明されています。日本の捕鯨を非難する環境保護団体が、反対の理由として「鯨は、知能が高くて人間に近い動物だから」と説明していたことがありました。これは、人間をすべての中心に置いて動物に優劣をつける発想にほかなりません。こうした指摘をおこなったうえで著者は、「フーコーが、「人間の死」を語ったのは、なぜだろうか?」という問いかけます。「それは、あらゆる生物の頂点に立って地球の命運を支配することができると思い込んだ「人間」認識は、け -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
不良とは何だろうか。
世間から社会的な劣等者ないしは犯罪者予備軍というレッテルを貼られる存在でありながら、一方で息の詰まりそうな管理社会に風穴をあけるトリックスター的存在。
かつてこの両義性によって不良精神が輝いてみえる時代もあったが、それもいまはノスタルジーとして語られるのみである。
恐るべき若者たちに対する近代国家の管理と保護の動向を鳥瞰しつつ、トリュフォーの映画や戦後日本のマンガ・劇画に登場する不良少年たちの反抗と運命を共感をもって描くもうひとつの若者文化論。
[ 目次 ]
第1章 恐怖から管理へ―若者は、恐怖の対象であった
第2章 管理の科学
第3章 「不良少年」の誕生