ほんだみゆきのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ木の机の引き出しに広がる、ちいさな自然。土をいれて雲をいれて、ドングリみたいな竜のたまごを植えると・・・。
「いい竜売ってます」ぼくの小学校の前にふしぎな屋台がたっていた。「かわいい竜」「じょうぶな竜」「ものしずかな竜」売れないらしい屋台ののぼりは、毎日台詞がかわっていた。どうしても竜がほしいぼくは屋台のおじいさんと話した。おじいさんはぼくの机が木で出来ていると聞いて、ドングリを渡した。「これは竜のたまごさ」ぼくは机のなかでえ竜を育てることになった。一番下の引き出しを空にして、竜を飼うセットの土パックを出してひく。そして、ドングリ型の竜の卵をたくさん植える。説明書どうり、雲のパックにジョウロで水をそそぎ、引き出しの中に注ぐと綿菓子みたいなのがでてきて、チカチカと雷を出した。「川」「風」を入れてやるとやがて木が生えてきた。友達にもドングリと竜栽培セットをあげて、木の引き出しで育てることを約束した。引き出しの森は蛍などの昆虫がふえ、小さなリスがいたり・・・そして、木々は落葉して引き出しはめっきりさびしくなった。北風が吹き、水をやることもできなくなってしまった。年末、除夜の鐘を聞きながら、寂しくなった引き出しを見て泣いていると、その涙が引き出しに落ちて、そこから竜が現れた。青銀色のトカゲほどに小さいけれどりっぱな竜。古い机はすがたをぐんぐん変えて、枝をのばして木になった。そして独りでに窓をひらいて竜は飛び去った。町をみると、他にも、家から木の枝がでているのが見える。友達の家だ。竜たちは空へ空へ舞い上がり、天の川へと飛んでいった。
ファンタジーへの入り口も面白いし、自然を大切にという願いもこもった物語だと思う。