川上珠実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ抑圧下で声をもたない女性たちの言葉を懸命に拾いあげて書かれた本。「何がアフガニスタンの伝統なのかということにこだわるよりも、目の前の一人一人が何を経験し、何を考えていまを生きているのかということに丁寧に向き合おうと考えた」というのは、直に人々の言葉を聞いてきた著者ならでは、なのだろう。政権側へのインタビューなども試みていて、タリバンの主張も説明されている。(著者がタリバンの主張にやや安易に納得してしまう感じが否めないが。)
女性たちの語りは悲痛だが、単に可哀想、というだけでなく、強さがある。人間らしく、自分らしく生きたいのだという叫びに、人間の尊厳を感じる。また「それでも神は私たちを忘れていないと思う」という語りは、イスラム教≠タリバンだということを明確に表していた。
あと、タリバンが強硬になっていった背景として、穏健路線でやっても国際社会はタリバンを承認せず、その結果タリバン内で穏健派の力が落ちていった、という分析の引用は興味深いものだった。また、強硬化しているにも関わらず、政権の長期化によって現実的にタリバンを承認するほかない状況に陥っているのも皮肉だと感じた。国際政治は難しい。。。