松村順のレビュー一覧

  • トランス女医の問わず語り ジェンダー,セクシュアリティー,女の生き方,そしてこの世界

    匿名

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    複雑多様化するジェンダーの答え

    昨今のLGBTQ+界隈は年々複雑化していき、一般人では理解しようにもとても追いつけない程になっています。
    例えばジェンダーフルイド。どんなジェンダーかと言うと、一例では朝の性自認は女性で、夕方には男性になるというもの。男か女かの性自認が常に流動的なのがこれに該当する人達なのですが、理解してと言われても困惑する方が多いでしょう。
    そこで著者はジェンダーフルイドの存在は肯定しつつ、
    「無理して男女に切り分ける必要はない。女であれ男であれ,女らしさや男らしさの枠に縛られず,自分の思うように生きていいはず。」
    と綴っています。

    「たかがジェンダーではありませんか」
    この言葉は、ジェンダーに真剣に悩む当事者からすると冷たく突き放されてるように感じるかもしれませんが、私はとても優しい言葉だと思いました。

    著者は、
    「一般論として言えば,こだわりは人を幸せにするより不幸にする方が多い。さまざまなこだわりを捨て去るのが幸せへの道。」
    と前置きしつつ、

    「ジェンダー問題についての研究書などを読むと,ジェンダーは人生の重大問題のような気がしてきます。」
    「当事者がそれにつられてジェンダーを自分の重大事のように信じ込むのはお勧めしません。」
    「ジェンダーは人生という多面体のうちのたった一つの面なのだから」
    と続けます。

    その上での「たかがジェンダーではありませんか」なのです。

    私自身は性的マイノリティの非当事者ですが、よく女らしくないと言われるし、恋愛に興味が全くなく、更に神経発達症(発達障害)を持っていてとても不器用な人間です。
    だからこそ、「たかがジェンダー」という言葉は、還暦を超え、SRS(性別適合手術)の可否も診断する精神科医として長年働いてきた著者の含蓄に富んだものだと深く感じ入りました。

    自分は男らしくないから本当は女かもしれない、女らしくないから男かも。そんな人達の悩みの一助になりえるかもしれない本だと思います。

    #癒やされる #深い

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    2026年06月03日