山下博司のレビュー一覧
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ネタバレ身体の操作により精神の究極の解放を目指す。悠久のインド文明とともに生まれ、現代せれぶたちに愛好されるまでに世界的ブームとなったヨーガ。豊饒にして混沌たるインド思想を通底する特異な身体観とその背景にある哲学的思弁の本質を、インド思想史の専門家の立場からわかりやすく解説する。
インダス文明の頃には存在していた瞑想の風習は、やがて侵入してきたアーリア人の信仰にも取り入れられていく。4~6世紀に『ヨーガスートラ』が成立し、ヨーガは体系化される(古典的ヨーガまたはラージャヨーガ)。それは生活習慣や坐方、呼吸を整え、次第に自己の内面へと意識を向けていき、最終的に主客の滅却、心の働きの停止を目指す。13世 -
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まずエスニックジョークが面白すぎる。インド人というのはどうしてここまで日本人と真反対なのか、、。マジで見習いたい。その忍耐力、その自己主張、その英語力。
私がとりわけ関心をもったのは英語だった。インドはヒンドゥー語だけじゃない。民族の言葉が数多ある。そして英語がステータスになってるように優秀な人はバンバン英語で話すし、そういう社交の場になっている。やばい。
よく考えなくても、日本語は日本国でしか話されない。いっちゃえば超ドマイナー言語だ。それで世界の人とコミュニケーションとれるか?答えは、否だ。ただ、英語じゃなくても母国語で学問を修められる日本ていうのは結構すごいし稀有な国ではある。しかし -
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思想・宗教の内容というより、それが生まれた自然環境や歴史的経緯を中心に解説している。モンスーン気候によって育まれた植物に囲まれ、それに馴化し同化する生き方や輪廻の考え方が生まれたこと、遊牧民族だったアーリア人が定住して農耕生活に変わる過程で、信仰の対象が天から地界へと変化し、都市の発展によって自由な思想活動から仏教やジャイナ教が生まれたとしている。
インドでは、非常に多湿な赤道西風が夏季には北上して南西モンスーンとなるが、冬季は東風帯に入って乾燥する。デカン高原の土壌は肥沃で保水力が高い。国土の55%が農地で、世界の耕作地の1割以上を占める。概ね年降水量1000?を境にして、北部で小麦、南部 -
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成功しているインド人に焦点を当てているため、もしインドを知らずにこの本だけを読んだら「インド人ってすごい!」と誤解してしまうかもしれない。現実には、そうでもないインド人のほうが多い。
インド人の英語力についての章の内容には、個人的には同意しかねる。英語で書かれた新聞を読むと「職業ジャーナリストがこのレベル!?!?!」と唖然とすることが多い。とにかく文法がめちゃくちゃ、組織としてクオリティコントロールもない。一般人についてはいわずもがな。もちろん筆者の言うようにごく一握りのエリートは立派な英語を駆使するのだけど、それがインド人全般に当てはまると思ってはいけない。 -
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ネタバレ古代インドの多様な思想について、自然や環境との関連から概説した書。インダス文明(ハラッパー文明)から初期仏教までの古代思想を、インドの気候風土や地理的環境などの視点から読み解く。
本書は、インドの古代思想を自然・社会環境から考察したものである。気候学や環境考古学などの知見を引きながら、著者は「無所有」・「輪廻」等インド思想に特徴的な思想が自然環境の影響の中で育まれてきたと説いている。特に著者が重視しているのは乾季と雨季を繰り返すインドのモンスーン気候と、インドに侵入したアーリヤ人と先住する「森の民」の遭遇である。厳しい乾季と恵みの雨季の繰り返しは輪廻的思考などを生み出し、またアーリヤ人と「森の