山室建徳のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
かつて「軍神」と呼ばれる存在があった。
彼らは軍国主義的思潮の権化として意図的に生み出されたわけではない。
日露戦争における廣瀬武夫少佐の例をみればわかる通り、戦争によって強まった日本人の一体感の中から、期せずして生み出されたのである。
だが、昭和に入ると、日本人が共感できる軍神像は変化し、それは特攻作戦を精神的に支えるものとなる。
本書は、軍神を鏡として戦前の日本社会の意識を照射する試みである。
[ 目次 ]
第1章 軍神の誕生―廣瀬武夫と橘周太(旅順口閉塞作戦 廣瀬少佐の戦死 橘少佐の戦死 万世橋の廣瀬像)
第2章 明治の軍神―乃木希典(意想外のできごと 錯綜する評価 欧米