田中兆子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
どんな場所でどんな人物がやりとりしているのかがありありとイメージできる素晴らしい文章力。解説の最後が「ドラマ化されるような気がする」と締めくくられているが、まさにすでにドラマ化したものを映像として鑑賞した読後感。6つの作品全てに引き込まれて、こんな薄い本読んでたんだっけ??というくらい不思議な感覚。
人物の自己評価と他者からの評価への戸惑いも魅力。主人公に入り込んで読んでいると、「そうか、そう思われていたのかこの人は」となる。人が相手に与える印象、関係性、またその変化など、人はあくまで人を介して自分というものを作りあげていたり、知ることができるのかなと思った。直接的にあえて言葉にしなくてもで -
Posted by ブクログ
表紙の黒髪でひとつしばり、
白いパーカーでこちらを見つめる女性が気になり、
さらにタイトルが気になり手に取りました。
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守りたいのは、
伝えたいのは、
「思い」だ。
お金も事業も
人間関係も、
トラブル続出!
理容店、
駄菓子工場、
チョーク会社、
酪農家、
老舗旅館、
サラリーマン――
継ぎたい、伝えたい人々の、
切ない思いに胸が震える
6編の”あと継ぎ”連作短編集!
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一作目の「後継ぎのいない理容店」は、
まだ読み始めだからか展開が速くて、
自分の気持ちが追い付けないかも…と不安になり -
Posted by ブクログ
ネタバレ「後継ぎのいない理容店」理髪店の息子が介護職に進んだ訳は父親のシャンプーがきっかけだった
「女社長の結婚」麩菓子工場の娘が父の死去で跡取りになる決意、そして結婚も決意する。
結婚相手がものすごく素敵
「わが社のマニュアル」障害者雇用が盛んな会社に途中入社した健常者、マニュアル無しで試行錯誤しながら自分なりに相手との距離を決められるようになる
「親子三代」牧場を負債とともに相続するべきか悩む、都会に出て成功した息子が、自分の息子の仕事との間で揺れ動く
「若女将になりたい!」
トランスジェンダーの息子を受け入れ、今の女将との間に立つ血縁関係は無い父親
「サラリーマンの父と娘」定年間近な父