リディア・デイヴィスのレビュー一覧

  • ほとんど記憶のない女
    物事を突き詰めて考える話が多かった。
    言葉の意味について、感情について、ひとつひとつ解明していくような文章が多く、こういう視点で内側を見つめていくことで整理されていくのが興味深かった。
    感情的ではなく淡々とつづられていて、その手触りはまるで実験のようでもあり独特な雰囲気を醸し出している。
    表題作の「...続きを読む
  • 分解する
    詩のように、物語のように、絵画のように
    ディテールや思いめぐらせること、その視点と先にあるもの、実はないもの
    理解する前に脳内に浸みてくるみたいな感覚
  • 話の終わり
    Twitterで見かけて手に取りました。「私」は12歳年下の恋人と別れて何年も経ってから、交際してた数ヶ月間の出来事を記憶の中から掘り起こし、かつての恋愛の一部始終を再現しようと試みるが――。淡々とした、静謐で精緻な文章の中で感情が揺れ動く。盛んに燃え盛る焔のように、或いは心地よい微風のように、また...続きを読む
  • ほとんど記憶のない女
    暫く前から、マグリットの≪マック・セネットの想い出に≫が表紙になっているこの本が気になっていた。

    51篇の短編が詰め込まれているこの本の最初の物語の冒頭はこうだ。

    ---十二人の女が住む街に、十三人目の女がいた。---『十三人めの女』より

    この不可思議な矛盾はルネ・マグリットが何枚も描いた≪光...続きを読む
  • ほとんど記憶のない女
    岸本佐知子翻訳ということで手を出してみました。
    数行から十数ページの、さまざまな長さ、テーマの文章がまとめられています。

    琴線に触れる、ようなものもあったものの、全体としてなかなか私の脳みそが追いついてくれませんでした。

    ある意味、もっとも理解するのが難しい種類の難解さでできた一冊。
  • ほとんど記憶のない女
    昔読んだ本で、話の中身は忘れてしまったのだけど、特定のシーンだけが心に残っていることありますよね。この本はそんな断片がたくさん詰まった感じ。
  • ほとんど記憶のない女
    数行で終わる作品もあれば、「ロイストン卿の旅」のように30ページの長い作品もある。30ページで長いと思うくらいだから、ほとんどの作品が数ページで終わるもの。
    何かうまいオチとかそういうものを求める人には向いていない。訳わからんなあと思って読んでいると時折、ハっとさせられる一文が出てきたり、でもそうい...続きを読む