F・W・ニーチェのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ニーチェがキリスト教はクソだとひたすらこき下ろす本。さすがにそれは言い過ぎではないかと思うこともあるが、普遍的な「道徳」「義務」「善」は幻想に過ぎないと言っている点は評価できる。こいつはまともな考えの持ち主なようだ。
基本的にはキリスト教は弱者のための宗教であるため、その弱さを肯定する方針が気に入らないらしい。そして僧侶達が人民を支配しやすい方向に教えを拡めていることが。ニーチェはイエス本人を否定はしていない。悪いのは全てパウロである。やつのせいで偉大なローマ帝国は滅びてしまった。その上2000年後の人類にまで影響を与えるのだからパウロはすごい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレニーチェ著「反キリスト者」の現代語訳。
気持ちいいくらいキリスト教がこき下ろされている。
当時これを出版するのには勇気が必要だと思う。
確かに十字軍の遠征とか世界史を学んだときにはけっこう疑問だった。
何故、彼らは自ら進んで執拗に戦争をしかけるのだろうか、
何故、ここまで異教徒を認めないのだろうか。
私は特にキリスト教はもちろん特定の宗教を信じてはいない。
しかし、それでも私は何かしら彼らに影響を受けているのだろう。
何せ2000年の歴史を持ち、信者は20億人もいるのだ。
単にキリスト教を否定するだけではなく、
物事の見方のヒントも示しているとは思う。
ただ、邦訳を読んでないので、
ど -
Posted by ブクログ
表紙に9.11ツインタワーのイラストでこのタイトルでは、とても危うい感じだが、ニーチェ最後期の『アンチクリスト』の現代語訳といった本である。
批判の書としてよりも、主張の書として読んでみると、面白いのはエリート主導の理想社会観で、「権利の不平等こそ権利があることの条件」「権利とは特権」、平凡な人の、単純に自分には何かをする能力があると感じる幸福感(そんな特権)が公共の利益として働いているのだ、だから彼らを大切に扱うのは例外的人間の義務だ、なんていうくだりには刺激を受ける。
反抗の対象が変わっても、闘争方法は意外に共通するものなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
現代語訳ということで、極めて平易な言葉・表現で書かれているので簡単に読める。なんだかパンキッシュな作り。内容に関しては表題を見れば判るよね、という感じでキリスト教への批判(あるいは非難)である。
今の時代に読んでみる分には、非常に「面白い」という印象でそれなりに納得しながら読むことが出来たのだが、この本の原作?である『アンチクリスト』が発表された時には今とは全然違った受け取られ方をしたのだろうなぁと考えた。今でもそうかもしれんが、キリスト教徒が一杯のところでキリスト教を攻撃するのは凄いことです。
一点気になったのは、全体的に無根拠なこと。悪く言えばニーチェというブランドで評価が上がって -
Posted by ブクログ
ネタバレ『これも友達に薦められた本。
ニーチェは本当にネ申だったんだなーっていうのがよくわかる。
ちなみにこの人、実はルター派の牧師の子供らしいっす。
キリスト教、ルター、パウロ、カント、ソクラテス、孔子…etc.「偉人」という枠でくくるのもなんだか不遜な感じがしてしまうような世界史上の巨人たちを片っぱしから一刀両断に切り伏せていくのを見ているのは、かなりの快感(笑)
新訳、というか超訳がまたいい味出してるんだよなー。
まじめなキリスト教徒 以外の方には心からおすすめします。
はたしてキリスト教徒の人はどんな気持ちでこの本を読むんだろうか、いやたぶん読まないんだろうけど。。
想像しただけ