レビューが追いつかない…
新生活が始まってすぐにゴールデンウィークに入って、そのまままた新しい一週間が始まった。
仕事も、楽になったはずの通勤にもあんまり慣れなくて、なかなか読書の時間がとれない。当然、レビューを描く時間なんてもっととれない。
先月読み終わった作品のレビューを、今さらながらに描いて
...続きを読むみることにする。
これだけ医学が進歩しても、未だに解明されていない、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患の謎に迫った作品。
無事精神保健福祉士の資格を取得したわたしとしては、とても興味深い作品として手に取った。
(みなさん本当に応援してくださりありがとうございました!)
細胞学、遺伝学、神経学など、それぞれの専門家がそれぞれの立場で、最先端の研究をもとに、精神疾患の謎に迫る。
どのように発症するのか。
脳の、細胞の、神経の、どの部位が反応しているのか。
日々、実験を重ねる。
途方もないことだなと思う。毎日仮説検証していく日々というのは。
だからこそ、そこから得られる発見はとんでもないことで、山中伸弥さんが発見したiPS細胞は、こうした研究を重ねる人たちにとって、とてつもない成果だったことがわかる。
ただ、分かりやすく描かれているとはいえ、やはりすごく読むのに労力というか脳みそを使う作品で、かなりエネルギーを使った。
「シナプス」なんて言葉も、精神保健福祉士の勉強の中で触れたものの、当時教科書のどこを見ても鼻と鼻クソにしか見えない図しか載っていなくて、全然分からなくて、結局理系の知人に猿でも分かるように解説してもらったのだ。結局、脳の話に触れるには、まずはこの「シナプス」を理解しなきゃならない。わたしはそうやって事前に知人から聞いていたから、この作品の冒頭でシナプスが出てきた時になんとなく読み進めることができたけれど、その後出てくる塩基配列やDNAについて触れられている部分なんかはもう大苦戦!
各専門分野で、精神疾患について分かってきている部分も増えてきている。ただ、現在のように、体調不良を抱えた患者が病院を訪れ、自分の症状を伝える、というやり方では根本的な原因が分からず、対処療法にしかならないのだ。
その体調不良(例えば、抑うつ状態)の原因が、脳にあるかもしれないし、遺伝子にあるかもしれないし、環境にあるかもしれない。もしくはそれら全てが関与している可能性だってある。それらは、患者が自分の状態を伝えるだけでは見えてこない。さらに、それを伝えたところで医者がそれをどう捉えるかもわからない。ここで紹介されている研究が実用化され、誰でも平等に検査が受けられて、ふさわしい治療を受けられることができるようになるには、どうすればいいのだろう。そしてそれには、何年かかるのだろう。
例えば、ここで様々な分野の専門家が発表した最先端の実験結果を、それぞれの分野の専門家が共有して「なるほど!」ってなって、また新たな発見があったりするんだろうか。そうやって分野を超えて横断的に精神疾患を捉えた時、精神疾患はもはや精神疾患ではなく、脳の疾患、遺伝子の疾患、とかになっていったりするんだろうか。
わたしにはそこまでの発展的な理解はできなかった。
「なるほどー」と思ったり思わなかったりして、とにかくついていくのに必死だった。
そして今は、新しい職場で、新しい日々についていくのに必死な毎日を送っている。
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