林(高木)朗子のレビュー一覧
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専門用語満載だけど、分かりやすくて面白かった。
精神疾患を「心の病」だと思っていたが、「脳の病」である。心は脳の働きで生み出されるのだから(そもそもそんな認識がなかったのだけど)、脳の病なのだろう。
でも、この本を「初めから」読んでいくと、複雑な脳のメカニズムやら、なんやら?で、色々あるのに?何故かとても素直に納得できた(不思議だ)
ただ脳はあまりにも複雑で、環境等々様々な影響を受けるし、生きている人間の脳の状態を細部まで調べるのは不可能に近い。このような厳しい状況下で人間界を代表するトップクラスの頭脳の持ち主である数多の研究者たちが模索し根気よく精神疾患を「治る病」にすべく奔走されていること -
Posted by ブクログ
なかなか読み通すのは大変ではある。
でも、精神疾患についての研究の現在の、一角は見えてくる。
パーキンソン病やアルツハイマー、ALSなど、脳細胞が大量死する「神経変性疾患」は、脳そのものの変化から診断される。
けれども、精神疾患は、従来確認できる脳の異常がなく、症状から判断するしかなかった。
そのため、ある症状が主症状なのか、他の障害から来る二次的なものなのかの判別も難しく、投薬その他の治療がうまくいかないこともあったという。
本書は、そういった精神医療の困難に対処するため、さまざまなアプローチの研究が発展したことを紹介していく。
脳の神経細胞のはたらきを解明して、神経の情報伝達回路の変 -
Posted by ブクログ
12の先端研究が「こころの病気」もなんらかの物理的異常に由来することを可視化する
国内の12の先端研究を研究者自らが解説する形式なので「かなり高度」。医師や医学生、あるいは生物学の研究者向けの本と考えたほうがいいくらいのレベル。しかし、かなりバラバラな研究の寄せ集めでもある。入口としてはいい。この先、診療をやりながらこの本に書かれていることが実用化されていくのを実感するときが来ると面白い。
第1部は病因論の総論3題
第1章 シナプスから見た精神疾患(研究者リンク)
第2章 ゲノムから見た精神疾患(研究者リンク)
第3章 脳回路と認知の仕組みから見た精神疾患(研究者リンク)
シナプスにお -
Posted by ブクログ
レビューが追いつかない…
新生活が始まってすぐにゴールデンウィークに入って、そのまままた新しい一週間が始まった。
仕事も、楽になったはずの通勤にもあんまり慣れなくて、なかなか読書の時間がとれない。当然、レビューを描く時間なんてもっととれない。
先月読み終わった作品のレビューを、今さらながらに描いてみることにする。
これだけ医学が進歩しても、未だに解明されていない、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患の謎に迫った作品。
無事精神保健福祉士の資格を取得したわたしとしては、とても興味深い作品として手に取った。
(みなさん本当に応援してくださりありがとうございました!)
細胞学、遺伝学、神 -
Posted by ブクログ
いわゆる精神病と言われる病。
「うつ病」「統合失調症」「双極性障害」「ASD」「PTSD」等など。
これらは目に見えない人の心の領域ではあるが、現存する物質である人体を依り代としているのだから物理的・生物学的な現象がどこかに生じて、このような病を発現しているはず。
というように精神病の結果系を見るというよりは、現象の原因として遺伝子や脳内の神経細胞を探ろうという試みの紹介である。
が、正直門外漢には難しすぎて途中で興味を失ってしまったので☆3つ。
ただ、よく聞くうつ病、双極性障害、統合失調症はみなよく似たものだと思っていたが、その発現機構は全く違うことに驚いた。 -
Posted by ブクログ
脳科学の本、おもしろそう、と手にしたが、
難解!学術的!科学的!専門的!テクニカルターム続出。ついていけない。
やがて気づきました。これはブルーバックス。
難しいのは当然だった。
ということで、わかるところだけつまみ食い。
ASD。自閉スペクトラム症、コミュニケーション障害。
ADHD。発達障害。
そこに書かれている症状は、いま私が頭を悩ませている相手の特徴と酷似する。
苦手なこと
・興味が薄いことに注意が持続しない
・あることに関心を持ち続ける
・忍耐強く待つ、取り組むこと
・ミスのない作業、作業の完結
・感情をコントロールする
・分析的な思考
・順序だてて説明する
・巧みな嘘をつく