ブレイククラウチのレビュー一覧
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ネタバレ「ダーク・マター」と言う物理学の謎に迫るようなタイトルだったので、取っつきにくい作品かと思ったんですが、いい方向に期待を外されました。富士急ハイランドのジェットコースター程では有りませんが、花やしきのジェットコースター程度のハラハラドキドキ具合。帯にアンディ・ウィアーの「ページをめくる手が止まらなかった!」と言うコメントが載っていましたが、その通りでしたね。一気読みしてしまいました。
結末に近くなって、物語は複雑化の様相を帯びます。言ってしまえば、同時に複数の状態を取ると言うシュレディンガーの猫がジェイソン自身に起きてしまったわけです。シュレディンガーの猫の場合は、状態を観察してしまうと、そ -
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ネタバレこの2~3ヵ月の間、テレビ・書籍で僕を魅了し続けた
ウェイワード・パインズ。小説版とドラマ版で同じだったのは初期設定
だけで、ほぼ別の物語だった。ドラマのまとめ方があまりに秀逸であっ
たが故に、小説がどういう落とし方をしてくるのか少々心配していたの
だが、どうやら要らぬ心配だった模様。
とにかく、最近のSFパニックサスペンスの中では抜きんでて強烈な内容。
迫り来る恐怖だけでなく、人間のいちばん正直でいて醜悪な部分が丹念
に描かれているため、読中に何度も心がキリキリ痛む。底冷えするよう
な恐怖、とでも言うべきか・・・。
そしてラストは、こちらも驚愕の内容。
ただ、ドラマ版よりもこちらの方がま -
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三部作がついに完結。この三部作は内容については余り多くは触れられないが、急展開に次ぐ急展開の驚愕の物語だった。
『パインズ』を読み始めた時はスパイミステリーかと思ったのだが、『ウェイワード』は一転、SFのような展開になり、そして、完結編の本作では…
『パインズ』の感想にも書いたが、作品の雰囲気が『ツイン・ピークス』に似ていると思ったら、著者は『ツイン・ピークス』にインスパイアされて書いた作品のようだ。読み終えてみると、雰囲気は『ツイン・ピークス』だが、ストーリーはリチャード・マシスンの『地球最後の男』に似ている。
完結編ではさらなる驚愕の展開を期待したのだが、まあ普通の無難な結末で、少し -
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アメリカの作家ブレイク・クラウチのSFスリラー作品『ダーク・マター(原題:Dark Matter)』を読みました。
ブレイク・クラウチの作品は7年くらい前に読んだ『パインズ―美しい地獄―』以来なので久し振りですね。
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問題作『パインズ』著者の最新刊!
見知らぬ男に殴り倒され、気を失ったジェイソン・デッセン。
目覚めると、彼の人生は一変していた……。
ソニ・ピクチャーズ映画化
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2016年(平成28年)に刊行された作品です。
大学教授のジェイソン・デッセンは、若い頃、物理学者として将来を期待されて -
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本屋で平積みなっていたし、帯に読み始めたら止まらない…という一昔前のカッパエビセンみたいなことが書いてあったのでちょっと気になって手に取ってみました。SF?と読み始めて思いました。
あの時ああいう選択をしていたら…と思うときは多少ありますが…いかにせん凡人の自分は過去に戻って分岐したところでさほど変わらない人生を送ってそうな気もする。が、どうだろう…?もう一人の自分が話が通じればいいだろうけど通じなかったら怖いなぁ。トワイライトストーリーって昔のアメリカテレビ番組のドッペルゲンガーって回を思いだしました。アレも怖かった。(見せてくれたの、英語の先生なんですけど今思うとあの先生はSF好きだった -
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パラレルワールドが混じりあう奇妙な世界。ジェイソンがパラレルワールドのジェイソンと入れ替わる。元に戻そうとする(主人公視点の)ジェイソンであるが、別の並行世界のジェイソン(ややこしい!)も表れて、なかなか元に戻せない。さて、この物語の自分なりの解釈をすると、誰でも人生の中で幾多の選択をしてきただろう。「もし、あのとき、ああしておけば…」と思った人は多いと思う。別の人生を想像するのは構わないが、幸せなのはあくまでもこの世界に生きることなのだと示唆している。作中でも、ジェイソンは自分の居る世界ではない場所で生活しても構わないのに、自分の世界に戻ろうとして殺されそうになったり、妻が死んだり、散々な目