髙尾昌司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ルーシーブラックマンさん殺害事件を追った警察側の視点でのノンフィクション。すでに黒い迷宮を読んでいたので事件のことは知っていたのだが、警察側から視点だと、捜索の苦労がよくわかった。自分の性のはけ口として次々と女性を強姦しまくった織原はとんでもないが、一方警察の苦労や努力も大変なものだということがわかった。
この本に出てくる科学捜査官の服藤(はらふじ)警部は、和歌山カレー事件でもオウムサリン事件でも、歌舞伎町ビル火災事件でも活躍している。服藤氏が優秀なのか、人員が足りないのかとも思った。
またこの本は週刊現代やポストに記事を書いていたライターによる労作。ネット記事が隆盛の今日この様なライターが育ちにくいのが問題だ。 -
Posted by ブクログ
髙尾昌司『刑事たちの挽歌〈増補改訂版〉 警視庁捜査一課「ルーシー事件」』文春文庫。
2013年に刊行された文庫本の増補改訂版。改訂前の文庫本は既読なのだが、再読してみようと思い、購入。
Netflixにてドキュメンタリー映像化され、2022年12月6日から全世界に配信予定ということなので、それに合わせての刊行なのだろう。
警視庁捜査一課の刑事達がルーシー事件の犯人を追い詰めるまでと刑事達のその後を描いたノンフィクション。
当時、世間を震撼させた猟奇事件の犯人がいかに卑劣で凶悪であったことが解る。日本人、外国人を問わず若い女性を言葉巧みに誘い、薬物を用いて朦朧状態にし、凌辱するという卑劣な犯行。犯人はルーシー・ブラックマンを始め、数人を死に至らしめ、他にも被害者は200人を超え、犯行の一部始終をビデオに記録していたという。
連日、厳しい捜査を進める刑事達の執念、犯罪への憎しみがひしひしと感じられる。手掛りとなる物証の少ない中での事件解決は、まさにこうした刑事達の執念と言える。
普通に考えて、犯人は死刑相当だと思うのだが、無期懲役に留まったというのが理解できない。いずれ、数年後には社会に復帰するのだろう。
本編も非常に良いのだが、あとがきも良い。刑事達の思いが伝わる素晴らしいあとがきである。
この事件を扱ったノンフィクションでは、リチャード・ロイド・パリーの『黒い迷宮──ルーシー・ブラックマン事件の真実』があるが、こちらも読み応えがある。
本体価格890円
★★★★