有田正規のレビュー一覧

  • 学術出版の来た道

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    おもしろい。書名は硬いが、構成と文章の巧さで、最後まで一気に読ませる。
    学術出版の歴史、エルゼビア、シュプリンガー、各ユニバーシティプレス、レフェリー制とピア・レビュー制、SCIとインパクトファクター、オープン・アクセスとビッグディール、メガ・ジャーナルとPLoSONEなどなどが、いきいきと解説されている。エルゼビアやシュプリンガーにも、儲け主義というだけでなく、彼らなりの事情があるというのも、よくわかる。
    とくに表が興味を引く。たとえば、Nature、PLoSONE、PNAS、eLifeの著者に請求される掲載費用の表(1篇あたり数十万~百万!)。あるいはPLoSやAAASやACSの経営・出版

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    2025年05月08日
  • 学術出版の来た道

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    最近、エルゼビア等が刊行する専門誌の掲載料がバカ高いとネットで話題になっている。知人にも自然科学系の研究者がいるが、数十万円の金が飛んでいくのはざららしく、よく愚痴をこぼしている。学術の世界は業績があってナンボであるので、高いインパクトファクターのついた国際誌に掲載するためにはやむを得ない先行投資とされてきた。しかし、ここに来て、それが正しい形なのか、疑義が出ているのである。

    本書は学術出版の成り立ちからピアレビューの意義まで丁寧に解説してあり、とても興味深く読んだ。著者は出版者が営利を追求するのは自然なこととしつつ、そこに何かいびつなものがないか、問いかけてくるのである。投稿論文を書いたこ

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    2023年08月08日
  • 学術出版の来た道

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    学術出版の歴史がコンパクトにまとまっている。文体もよく、読みやすい。
    最近の動向を追いきれていなかったので、その部分に大いに示唆を受けた。

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    2022年01月04日
  • 学術出版の来た道

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    学術出版の歴史や課題がわかった。学術出版で編集者といえば、出版社の人でなく著者側を指すことが多いなど、同じ出版でも大きく違う。

    一般的な出版との違いを知りたいニーズだけでなく、論文を書く多くの人におすすめできる。

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    2021年11月29日
  • 学術出版の来た道

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    学術出版全体の歴史や、現在の課題などについて概観して分かりやすく解説している本。
    「アインシュタインはピア・レビューが嫌い?」みたいな項目もあり、興味をそそられた。

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    2022年06月03日
  • 学術出版の来た道

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    主題は学術出版の大手のシュプリンガーやエグゼルビアが、どのように経営されていて、どのような利益体系を維持するために、様々な方略を用いているか、ということである。
     オープンアクセスもそれに取り込まれているがそれは著作権と同様な動きである。
     院生にとっては、学術雑誌への投稿がどのようになされているか、について知ることができる。学術雑誌に投稿することがない学部生の卒論ではあまり関係がないであろう。

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    2021年12月29日
  • 学術出版の来た道

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    オープンアクセス,プレプリント,そして最近ではCovid-19など,最近になっても変化の激しい業界である。その歴史が科学とどう結びついているのか,簡潔にまとめられた本。

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    2021年11月23日
  • 学術出版の来た道

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    タイトルがよく内容を表している一冊。
    学術書の中でも、いわゆるジャーナル部分に焦点を当てて、その歴史的経緯から平易に叙述している。

    出版社側を批判する論調が多い中、そのような議論だけでは見えてこない視点が多く、示唆に富む内容である。
    特に、アカデミック側に対する厳しいコメントが多いが、要するに批判した先の学術界をどう機能させていくか、という視点で対案を示していると思う。
    その覚悟があるかどうか、いくつかの先例が示している実践例をどう捉えていくのか、議論のボールを移す一冊になる内容である。

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    2021年11月13日
  • 学術出版の来た道

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    学術出版の発達の歴史(機能の発達でもありビジネスモデルの発達でもある)が、近年のOA(や、一部オープンサイエンスも)の流れまで含めて書かれていた。

    学術出版が、社会として捻出できる以上のコストを要するようになっているなら、量や質(論文の内容の質ではなく、学術出版の質)を社会が必要とする(コストを捻出できる)ところにまで適正化することも含めた検討が必要なんだろうかと思った。(もしくは量や質を落とさなくても対応できる仕組みを作れればその方がいいだろうけど・・)

    その過程では、現在学術出版社が提供してくれているもの(IFや便利なサービス)を自明としない意識や評価システムが重要で、大学運営側・研究

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    2021年11月07日
  • 学術出版の来た道

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    ネタバレ

    専門家は、すべての既存論文を調べる。車輪の再発明は避ける。
    日本ではA型が多い、英国ではO型、インドではB型が多い。遺伝子の型が安定する基本法則=ハーディー・ワインベフクの法則。

    査読まで進めば、採択率は半々。
    科学者どうしによるレビューこそ、質を判断する最善の方法。
    良心的な商業出版社は、著作権の譲渡は要求しないが、ほとんどは譲渡させられる。出版社の自由がきくから。
    p27

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    2021年12月23日