フアン・リンスのレビュー一覧

  • 民主体制の崩壊 危機・崩壊・再均衡

    Posted by ブクログ

     本書は、民主体制がどのように崩壊するのかに焦点を当てて論じたものである。具体の民主体制国家の政治過程を博捜したところから、著者は一定の仮説を見出す。すなわち、研究対象である《崩壊に向かった民主体制は、ある時点では生き延びて完全に固定化する可能性を大いに有していたが、主要な個人アクターや制度的アクターのある種の性質と行為がこれを阻害した》ということである(37頁)。 

     そして具体の分析枠組として、デモクラシー政府が市民に服従を求め、政府の決定に承認を求める指標として、正統性、問題解決能力(efficacy)、政策遂行能力(effectiveness)という変数を取り上げる。また、体制との関

    0
    2020年12月06日