心理的安全性が高い組織になるために、普段から使うべき言葉に特化した一冊。
先日読んだ本にも、何気ないときに交わされる言葉の積み重ねの大切さを説いていましたが、本書はその実践編です。決して難しいものではなく、ちょっとした気をつかうだけで変わってくると感じます。
場面やその人との関係性にもよるため、すべ
...続きを読むて実践できるとは思いませんが、ここで示された4つの因子を意識するだけでも言葉遣いは変わってくると思います。
▼心理的安全性が高いチームとは、仲が「悪すぎる」でも「良すぎる」でもなく、目指すゴールや成果のために「健全な意見意見の衝突」が起こせるチーム
▼「心理的安全性」をつくる4つの因子
①話しやすさ
②助け合い
③挑戦
④新奇歓迎
▼チーム内で「助け合い」因子を増やすには、先輩やリーダーから率先して「苦手なこと」を開示しておくことが有効
▼言葉の「2種類」をバランスよく両方を使うことが重要
①相手の行動を促す「きっかけ言葉」
聞き手が余裕でできることより、一歩先を目指して噛み砕く
②相手の行動や結果を受け止める「おかえし言葉」
相手の行動や進捗・結果をしっかり受け止めることが、組織やチームの中に望ましい行動を増やす秘訣
できるだけ「即座」に「承認」すること
▼人材育成にはまずは相談の「量」。徐々に「質」の向上を目指す
▼承認の4種類
①成果承認(結果承認)
②行動承認
③成長承認
④存在承認
成果承認以外にもっと目を向ける
▼エドモントン教授(ハーバード大学)「相手に無知・無能・邪魔・否定的」と思われる対人関係のリスク
①無知
本当は知っておいたほうがいいけれど「そんなことも知らないのか?」と「無知」だと思われるリスクが気になり、質問しない
②無能
自分が起こしてしまったミスやトラブルを報告すると「できないヤツ」と思われるリスクがあり、報告するか迷い、またタイミングを窺う
③邪魔
お客さまからネガティブなご指摘をいただき、困ったので相談して進めたいけれど、「邪魔者」と思われるリスクがあり、それを報告・相談できない
④否定的
リーダーや、さらに上の上司が推し進めている施策に、根本的な問題や懸念があっても、「ネガティブな人」と思われるリスクがあり、言えない
▼行動分析学とは、人々の行動を予測し、影響を与えるために使える「行動の科学」
・きっかけ:その人が行動を起こす状況・文脈
・行動:その人が自分からとれるアクション
・みかえり:行動した後の結果がハッピーかどうか
ハッピーなみかえりがあれば次に同じ行動をとる確率が上がる
▼OODAループという意思決定プロセス
「観察(observe)→仮説構築(orient)→意思決定(decide)→実行(act)」の4つのステップをくり返しまわす
▼実験思考「素早く、小さく、たくさん失敗したほうが、結果として大成功につながりやすい」
▼心理的安全性を高めるのも、低めるのも、結局は一人ひとりの、一つひとつの小さな行動・反応の積み重ね
▼「気をつける」「やる気を出す」「徹底する」という、アクションが具体的にはわからない「心の中」のキーワードは、行動変容や人材育成・スキルアップをするうえで、あまり役に立たない。行動を、一緒に確認すること
<目次>
第1章 毎日使いたい!チームの土壌をつくる言葉
第2章 会議を活性化させる言葉
第3章 1on1が楽しみになる言葉
第4章 チャレンジフルなチームをつくる言葉
第5章 お客さまと取引先を「パートナー」に変える言葉
第6章 ピンチをチャンスに変える言葉