中村英代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
職場の人から受ける精神的な攻撃に悩んでいる時に手に取って読んで、心を落ち着ける助けになってくれた本。問題の外在化ができると問題と人物評価を切り分けることができ、そのことが「特定の人が悪い」という強い思い込みを反芻している自分の認識を変えることができそう、という気づきを得られた点において、この本は精神的にやられる数歩手前にある自分を救ってくれた恩人といえる。
すぐに、かつ完全にこの考え方に切り替えることはできなくとも、「相手が悪い、なんとか言ってやろう」と思った時にこの本に書いてあることを思い返せるようになることで必要以上の消耗を抑えられるようになりたい。 -
Posted by ブクログ
調和によって成り立つ自然環境の中において、儲けという一つの変数を無制限に求めていくことがいかに異質かということが、ベイトソンの分裂生成理論を使って述べられていた。
世界には、競争が性に合っている人間とそうでない人間がいるということで、後者であればあるほどAAの理念に親和性があるのだろうと感じる。
生きてるだけで命がけ…そんな社会と言っても良いのだろう。
『スリランカの悪魔祓い』や『里山資本主義』と合わせて語りたい内容であった。
固定化した自己は、ナルシスティックに肥大化するしかない。ただその自重につぶれそうになっている人も多いのではないだろうか。依存症とは、そんな人間の持つ潜在的な悲しさに触 -
Posted by ブクログ
日々の生活の中で感じている生きづらさと、また、そうした生きづらさを抱える人たちと、どのように付き合っていけばよいかに応えようとする本。精神科医、カウンセラーなどによる専門的な気分障害や精神病の治療の話ではなく、「ネガティブ」な気持ちを持った人たちとのごくごく日常的な関わりに焦点を当てている。
職業柄、子どもたちの相談に乗る機会も多いので、とても参考になった。特に、ネガティブな相談を聞いているうちに自分もそうした気持ちになり、相談してきた人を責めたくなってしまう、といったことは、自分にも心あたりが多かった。著者は、自分がネガティブな気持ちになってしまう時間を「魔の時間」と呼んでいて、必ず来るもの -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、自分が嫌な気持ち(≠ネガティブ)になったときにどう対処したらいいか、相手がネガティブなときどう振る舞えばいいか?について書いてある。
「ネガティブの外在化」、妖怪に取り憑かれているという考え。
「変えられないもの」と「変えられるもの」。
「自分をコントロールする人」と「他人をコントロールする人」。
強迫観念の小人。自分に対しても神様ポジションを取らない。「(自分なんて)ダメな人だ」「(自分が)悪いだけ」。
ライトに読み進めることができつつ、自分との向き合い方から他者との接し方まで心構えを理解できる。
誰しも抱えるネガティブの闇の中では、定期的に読み返しておきたい。