稲垣諭のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そもそも「やさしい」は続かないもの、と分かっただけで何かほっとできた気がする。
やさしいとは
①コントロール権を手放し、相手に委ねること。
②その結果、起こることの責任は引き受けること。
振り返ると、この「コントロール権」をとにかく手放せていないのが自分だと思った。
コントロール権を手放せる「共同的分かち合い」の人間関係を築けていないのかも。
コントロールについて、もっと深く知りたいと思ったり。
以下メモ
・やさしいがつづかないと悩むような場面にあなたが出くわしたとき、ぜひ次のように考えるクセをつけてみてください。
「ああ、私は今この相手に自分のコントロール権を手渡せないのだな」
「私 -
Posted by ブクログ
・「優しいね」と言われる全ての人へ
〇〇くんって、優しいよね。といつも周りの人に形容される。自分は優しくしているつもりなんてないのに。
他者からの評価と自己認知のズレにモヤモヤしてしまう私のような人、他にもいるんじゃないだろうか?
そんな人にぜひ読んでほしい。
少なくとも自分は、本書の「優しさ」定義からすると優しくないのがわかって、スッキリした。
>>>
やさしいというのは、あなたがもつコントロールの権利を手放し、委ねたことの責任を引き受けることである
>>>本書p61
優しさ、ベリーハードすぎる。
私は優柔不断なので、決定権を相手に委ねる -
Posted by ブクログ
ことの軽重問わず、人生で一度でも「やさしいがつづかない」と思ったことがあるなら、ぜひ読んで欲しい。ゆっくり読んでも2〜3時間で読み終わるので、気軽に手に取って欲しい本。
哲学研究者である著者が、やさしいとは何か、なぜ続かないのかを、哲学者たちの言葉を借りつつ、易しい文章で語っている。
理論立てて丁寧に解説しているのに、冷たい印象はなく、そっと寄り添って語りかけてくれる印象があった。明白な特効薬やパンチの効いたワードはなくても、ゆっくり、わたしの中で絡まっていた行動や気持ちに名前をつけて解いてくれた。本当に出会えて良かったと思う。
小難しいことはなく、伝わるように言葉を尽くしてくれているよ -
Posted by ブクログ
少子高齢化、社会保障費、資源の枯渇問題、温暖化などの環境問題、、
待ったなしに次々と襲いかかる問題から来る不安な未来に対して
「まあ、50億年も経てば太陽の寿命は来るし、数億年経てば地表上の動物たちもほとんど生き残れないし、私たち人類が見据えられる未来なんて十数年〜精々100年先でしょ。」と気持ちをラクにさせてくれる本。
サスティナビリティという持続可能性に疑問を抱き、他方でそのサスティナビリティを達成する使命感を背負った現代人に対してその緊張感を緩めようという著者の狙い。
平和主義もヴィーガンの語る生命主義も肩肘張り過ぎだと。仏教的に生命への執着心を解いて世界を見つめ直してみようというユーモ -
Posted by ブクログ
「優しい」は元々「痩さしい」であり、アンパンマンのように身体や心を犠牲にしていくもの。
つまり、一定程度のキャパ以上は優しくできないのが普通
また、それはちゃんと食べれてるか、寝てるか、健康か、悩みはないか、など自身の状態によって大きく左右される。
見知らぬ人へ優しくできるのは責任がないから。優しくした結果伴う責任のことを考えると、なかなかやさしくできない(親身に相談に乗って助言した結果、選んだ道がよくなかった等)
やさしさとは自分のコントロール権を委ねることであり、逆に怒りとはコントロール権を奪うこと
どんな事象でも、コントロールという視点を持つと、客観的に見れて、怒りが収まったりする -
Posted by ブクログ
読みやすい哲学書だ。
何をもって哲学というかは、正直わからない。ただ、やさしさというものを解像度高く見つめ、それを万人に共通して理解できる形にしたことに価値がある。
まず、コントロールを手放し、その責任を取る、という定義に同感した。教育者がもつ愛情は、まさにこれだと思う。学校は失敗をする場である、と言われることもある。
この失敗は、教師が子どもにコントロール権を委ねているから起こるのだ。そして、その失敗に対して適切な指導を行う。これもまた教育である。
この後者を忘れているのが現代社会ではなかろうか。親、教師、上司、いずれも教育を担う存在だ。この人たちがどれだけの覚悟を持って責任を取っているだろ