稲垣諭のレビュー一覧

  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    「やさしい」とはなぜか、なぜ「やさしい」を持続させるのが難しいのか、「やさしい」を持続させるためにどのような観点で自分を客観視すべきかを哲学者の先生が解説した本。読みやすい。

    0
    2026年08月06日
  • 技術哲学入門

    Posted by ブクログ

     学生向けの講義をまとめたものであるため、非常にわかりやすく、技術哲学、つまりアイディの「プラグマティズムを使った現象学へのアプローチ」の感覚がわかる。「テクノサイエンス」という造語による、テクノロジーと科学が両輪のような存在であることも納得できる。また翻訳者である稲垣氏の解説もわかりやすく、例え話で出てくるオイディプス王によるスフィンクスの謎かけの答えが、人間の進化の過程であり、テクノロジーが人間と一体化し、透明化した、という解釈はとてと好きであった。
     参考文献として挙げられていた「技術の道徳化」「技術の哲学」なども読んでみたいと思う。結構私はこの技術哲学というアプローチにメロメロになってしまったし、仕事内でもこの視点で物事を考えるようになってしまった。

    0
    2026年07月03日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    「やさしさ」=性格…と思い込んでいたが、「気持ちや性格の問題ではない」と分かって、自分が求める「やさしさ」に解決の糸口が見えた。性格の問題ではないなら何かというと、振る舞いや行為の問題。自分の性格を責める必要はないし、行為はいつでも新しく変化させることができる。

    身近な大事な人(両親、子どもたち、同僚、友達)のことが大好きだし、優しくしたいと思っているのだが、時にイライラしてしまい、まさに『やさしさがつづかない』状態になってしまう。初対面の人や第三者にはあんなに感じよく振る舞えるのに、何故だろう…と思っていた。別に自分をよく見せたいというわけではないのだが。今回本を読んでみて、その原因がわかった。

    そもそも、やさしさの定義とは以下の通りである。
    ①コントロール権を手放し、相手に委ねること(ソフトな意味での優しさ)
    ②その結果、起こることの責任は引き受けること(ハードな意味での優しさ)

    人は責任が問われないからこそ、他人に優しくできる。無責任でいられる限りでの優しさが存在する。初対面の人や第三者に優しくできるのは、だからなのだ。優しいが続かない。本当の原因は②にある。
    疲れていたり、忙しかったり、苛立っていたり、不安だったりと心に余裕がないと、他人をコントロールしたくなってしまうものだからだ。そのためには、自分自身の余裕を作り上げる状況が必要。その余裕とは、①経済面、②時間面、③健康面、こうした当たり前のことがきちんとあるかどうかにもかかっている。精神的余裕を持つには、1日のどこかで、10分でも20分でもいいので、1人になって、スマホを置いて、テレビを消して、何もコントロールされない。自分の時間を体験すること。何もしない時間を過ごすと言うのは、とても贅沢な時間の使い方。外部から切り離された時間を持つことだけでも、自分自身をリセットして、明日につなげるための余裕を育むことになる。余裕の力を回復されることが、すごく大事。

    なぜ、マインドフルネスがとても重要視されるのか、この点からもよくわかった。そして、日々の「ありがとう」という感謝を忘れず、「あたりまえ」と身近な人にフリーライドしないこと、このことを意識していけば、少しは優しいが続くかな?

    0
    2026年04月26日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    面白かった。このタイトルに惹かれて興味を持った人の多くは、この本を面白いと感じるだろうと思う。
    全体的な構成としては、やさしいをつづかせるためのコツを伝えるハウツー本のようなものではなく、やさしいをつづかせるために、そもそもやさしいとはどういうものなのか、そしてそれを取り巻くものは何なのかを、社会学や心理学、哲学といった様々な視点を取り入れながら理解していくものである。その展開の仕方が個人的に非常に興味深かった。
    簡潔で直接的なアドバイスを求めている人には適していないかもしれないが、自己理解を目的としているのであれば非常に参考となる1冊だと感じる。

    0
    2026年03月22日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    優しさとは、コントロールを委ね、その結果を引き受けることという説明がとってもしっくりきた。
    優しくなりたいと思って自らすすんでとっている言動で、気づいたら疲れ果ててるってことは何度もあって。その仕組みがよくわかった。
    難しくも説教臭くもなく、すんなりと読める文体も好み。時々読み返したい本。

    0
    2026年03月05日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    『やさしいがつづかない』ってタイトルが好き。

    「やさしい自分でいられる人」のそばで生きたい。

    一緒にいて「自分のやさしいが枯渇する人」からは距離を取るのが1番!

    0
    2026年02月28日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    哲学研究者による

    「やさしい」について考え、どうしてやさしさがつづかないかを哲学した書籍。

    哲学の本は読みづらく分かりにくい本が多いが、読みやすいし、分かりやすい。

    やさしさの語源の中には「痩せる」、も含まれていて、この2つの関係性についても考察。

    災害時などの緊急事態や落とし物を届ける、などの突発的な場面ではやさしさを提供する事が難しくはないが、なぜ実社会で親しい人に対しては難しいのか?

    やさしさの本での定義が

    ①コントロール権を手放し相手にゆだねること

    ②その結果起きることの責任は引き受けること

    であり、①だけではやさしさは足りない。

    また、悪意については

    たとえ自分が損をしてでも、相手のコントロール権を奪い損害を与えること

    となっている。

    本を読むと上記の定義についても納得できる。

    0
    2026年02月12日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    「サイレントヒルfを本人がやります」で話題の自称清純派女優、加藤小夏さんがおすすめの書籍。

    やさしいとは自分のコントロール権を手放し、手放した結果の責任をもつことであるという前提で考えると、そもそもつづくものではないのですね。

    多くの人が優しさに包まれた世界に生きていたいと願う一方で、争いが絶えない理由の一つなのでしょうか。

    自分のやさしいが続かない時、自分の余裕の土壌(経済、時間、健康)はどうなのか、相手にコントロール権を取られたく無い、もしくは相手をコントロールしたいと思っているのか、客観的に見ていきたいです。

    0
    2026年01月27日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    タイトルが今の自分にドンピシャ。
    善意で父の介護を一人で支えていましたが、いつしか当たり前に私をこき使う父に怒りと、それに対する罪悪感、また本心から支えたい気持ちが波のように交互に現れ疲れ果てていました。
    やさしいを続けるのがいかに難しいか分かっただけでも自分を責める気持ちが減り、少し落ち着いたと思います。
    今日はゆっくりお風呂に入って、保湿もして、7時間は寝て自分を労わります。

    0
    2026年01月06日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    自分のことを人に優しいと思っている人、今までは優しく出来ていたのに出来なくなった人に読んでほしい良書◎

    大学教授ということもあり、論文っぽさを若干匂わせる雰囲気で読みにくいという方もいるかもしれませんが、段々と慣れてきます。

    自分自身、優しい人と言われることが多く、優しいって一体なんだ?と思い、この本を取りました。

    ネタバレは避けますが、優しいが定義化されており、個人的には納得感があります。優しい人、優しくない人、優しくあるための"余裕"の大切さ、非常に面白かったです。

    0
    2025年12月12日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    とても分かりやすく"やさしい"について説明してくれていた。やさしくなれないとき、やさしくしたいとに、今一度自分の内心や状況を冷静に確認したいと思った。
    コントロール権を手放し、相手に委ね、その結果起きたことの責任を取る。私がしたい子育ては全部これかもしれない。

    0
    2025年11月01日
  • 「くぐり抜け」の哲学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    くらげを取っ掛かりに、セクシャルティを分析することで効率化されゲーム化され、そして分断された現代のコミュニケートを再度構築する方法を探る本。途中まではあまり納得できず(特にくらげに女性性を見出している部分)読み進めづらかったが、終盤にかけての現在の男性性の問題点の考察は非常に鋭いなあと感じた。
    男性の視点から男性性の問題点を考察した本は今の男性にこそ読まれるべき本。

    0
    2025年10月14日
  • 絶滅へようこそ

    Posted by ブクログ

    ひっさびさに圧倒的に面白い一冊に出会った感覚。
    衝撃的な面白さ。
    ジワジワ、何十年も、ちょっとずつ熱狂的なファンが増えていくんだろうなという感じの本。
    コロナ上位互換、みたいなのが来る度に、戦争危機が訪れる度に、人類絶滅が近づく度に、読まれる本なんだろうなと。
    圧倒的情報量なのに、どこか風船のような軽さがある文章。暗い内容なはずなのに、どこか神秘的なそこはかとなく湧き上がるエネルギーが見え隠れする一冊。
    読んでよかった。出会えてよかった。心からそう思える一冊。

    0
    2023年04月26日
  • 絶滅へようこそ

    Posted by ブクログ

    少子高齢化、社会保障費、資源の枯渇問題、温暖化などの環境問題、、
    待ったなしに次々と襲いかかる問題から来る不安な未来に対して
    「まあ、50億年も経てば太陽の寿命は来るし、数億年経てば地表上の動物たちもほとんど生き残れないし、私たち人類が見据えられる未来なんて十数年〜精々100年先でしょ。」と気持ちをラクにさせてくれる本。
    サスティナビリティという持続可能性に疑問を抱き、他方でそのサスティナビリティを達成する使命感を背負った現代人に対してその緊張感を緩めようという著者の狙い。
    平和主義もヴィーガンの語る生命主義も肩肘張り過ぎだと。仏教的に生命への執着心を解いて世界を見つめ直してみようというユーモアに富んだ絶滅への論調。

    0
    2022年05月29日
  • 絶滅へようこそ

    Posted by ブクログ

    ここ数年で読んだ本の中で一番面白かったかもしれません。

    各ページの参考本、参考資料も順次読みたいと思います。

    0
    2022年04月29日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    やさしいがつづかない、というのは当たり前の事象として認識しているが、それを分解して具体的な要素や要因として見せてくれる良書である。
    そもそも、やさしいはつづかないことが当然なのだ。そして、やさしいとは性格や気持ちの問題ではなく行動の問題であるため、自分を責める必要もなければいつでも変化させられる。

    一番印象的だったのは本書が定義する「やさしい」の定義。
    1. コントロール権を手放し、相手に委ねること
    2. その結果起こることの責任は引き受けること
    特にふたつめ。その人の今後に全く責任を負わないからこそやさしくなれる、というのは2がないからだと強く思った。見知らぬ人との会話だからこそ開示できる自己があったり、二度と合わないだろう人との会話が心地好かったりするのもそのせいだろう。

    貸し借りや義務、責任が入り込むと1も2も成立しなくなる。本書では人間関係を四つに分類できるとし、やさしさが続く人間関係は“共同的分かち合い”という。何でも分かち合い相手をコントロールしない関係のことである。他は、上下の権力勾配が存在する“権威ランクづけ”、相手との対等さを維持しようとし少数のフリーライドを許さない“平等マッチング”、相手の社会的・経済的価値によって評価がなされる“市場価値づけ”である。

    もういくつか覚えておきたいことは、「悪意とは、たとえ自分が損をしてでも、相手のコントロール権を奪い、損害を与えること」という特徴づけ。
    そして、自分の中で悪意が首をもたげたときに自分を客観視し、余力を育む土壌を耕すこと。余力の土壌がなければやさしいを実行できないこと。

    0
    2026年08月23日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やさしさは支配権を放棄し結果責任を引き受けることであり、余裕が必要。余裕とは、お金・時間・健康である。


    やさしさは、とても難しいことだったんだ。

    0
    2026年08月19日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    面白かった。安易なハウツー本ではなく、なぜ続かないのかを丁寧に解きほぐしてくれる。自分にやさしく、というよく言われる言葉が、より強い実感を持って胸に響いた。

    0
    2026年06月29日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    「やさしい」という単語を聞くと、つい“やさしい”言葉で寄り添ってくれるような本を想像してしまうが、実際にはそうした本ではなかった。そのため、タイトルだけでは手に取らなかったと思うが、他の人に薦められて読んだ。

    この本は、まず「やさしいは感情の問題ではない」とした上で、「コントロール権を相手に委ね、その結果起こる責任を引き受けること」、と最初の章で定義されていたため、いい意味で予想に反してくれた。のちの章では、文学作品や哲学者のフレームワークを引用して論を補強しており、この本自体以外にも興味を持てるきっかけとなっていいと思った。

    筆者が定義するやさしさの定義そのものには少し違和感を持って読み進めていたが、最後に指導や教育の面で有用だとされる、「コントロール権を奪うやさしさ」について、それを最後まで語らなかった理由も含めて言及されており、構成としてすごく良かった。

    •同じ相手と長くいればいるほど意識的に伝えるという自覚がなくなること(p.118)
    •無責任に発しているやさしさに自覚的であるか(p.108)
    •人間関係の4つのモード(p.144-)
    ここらへんはのちの生活のために個人的に覚えていきたい項目だった。

    0
    2026年04月04日
  • やさしいがつづかない

    Posted by ブクログ

    ★4.5
    寄り添ってくれる系の話かと思いきや理に適っていてタメになる視点の一冊

    ずっと優しくしたいけど出来ないムムムって自己嫌悪的モヤモヤを抱えてる人におすすめ

    具体的には落とし物を拾ってあげたり初対面では優しさを十分に発揮できるけど、例えば会社の同期・部下とか、より近い間柄の家族にはそれが出来なくなってしまう人
    そう言う人に抜け穴的な視点があると思う

    めちゃくちゃ優しく哲学的に記述されていて、優しすぎず難しすぎず腑に落ちる
    読みやすくて良い一冊でした
    タイトルに惹かれた方は間違いなくおススメできる一冊

    0
    2026年04月02日