望月安迪のレビュー一覧
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ロジカルシンキングや思考法の名著と呼ばれるものを一通り読んでから本書を手に取ったが、まさにその集大成とも言うべき本だった。
目的ー目標ー手段という至極簡潔なピラミッド構造を常に念頭に置くということ、同時に予測・認知・判断・行動・学習の5つのプロセスを循環させること。常に全体像を捉えて仕事をするとか、無駄な仕事をしないとか、MECEに物事を捉えて分析するとか、これまでの名著から学んだことが綺麗に地図上に表現されており腹落ち感がある。
実際にこれを実行できるのか?となるとまた別問題なのかもしれないが、これがあるべき姿であることに間違いはないだろうと思わされた。またいつか仕事に躓いたとき、環境が変わったとき、決断に迫られたときなど読み返したい一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【まず思い出したい3つの軸】
・論理的に正しくても、相手の立場や期待に合っていなければ人は動かない。
・情報を整理するだけでは差別化にならない。相手がまだ知らない、役に立つ示唆を生み出す。
・思考や発想の出発点は問い。答えを急ぐ前に、何を問うべきかを考える。
1.知的生産の価値は「新しい示唆」にある
参照位置:84~451、1,514、1,680
知的生産は、手元の情報から、まだ明らかになっていない意味や可能性を導くこと。同じ生成AIを使っていても、使い手の問いや思考によって成果に差がつく。価値を生む情報は、相手がまだ知らず、知ることで役に立つ情報。そのためには「誰に伝えるか」「相手は何を知り、何を知らないか」「どの新情報を示すか」を考える必要がある。フレームワークを使うだけでは差別化できない。そこから独自の示唆を取り出すことが重要になる。
2.論証は、相手と共に動くために行う
参照位置:424~644
論証とは、主張と、それを支える理由を結びつけ、主張の妥当性を示すこと。目的は相手を論破することではなく、納得を得て行動につなげることにある。論理の土台には、必要な要素が揃っていることと、相手が理解しやすい順番で示されることが求められる。さらに、自分と相手が共に納得できる理由を据え、相手の立場・要求・悩み・期待との関連性を確かめる必要がある。提案書では、目の前の担当者に加え、最終的に意思決定する経営層の視座も考える。論理と、相手の状況や心情を汲む情理が重なることで、腹落ちにつながる。
3.標準化・構造化に頼りすぎない
参照位置:717~733、1,760~1,798、1,968~1,969
標準化は再現性を高める一方で、誰もが同じ考え方や結論に向かう「思考のコモディティ化」を招くことがある。構造化にも、情報量が増えすぎる、新情報が増えない、既知情報の整理に時間を使いすぎる、という罠がある。整理した後に独自の仮説や具体的な施策を生み出してこそ、思考の価値が生まれる。
4.論理性と意外性を両立させる
参照位置:1,042~1,246、1,923~1,969
「So what?(そこから何が言えるか?)」は、情報から意味や展開を導く問い。さらに「So what’s new?(どんな新しいことが言えるか?)」を重ね、相手にとっての意外性を探る。意外性を見つける方法として、前提や常識をずらす・逆転させること、既に知っている別の領域からアナロジーで発想することが挙げられる。一見非合理な行動も、全体や長期の視点では発見や差別化につながる場合がある。目の前の効率だけで判断しない。
5.思考を支えるのは、情報・経験・検証
参照位置:798~801、1,011~1,037、1,387~1,578、1,983~2,213
・演繹法:前提条件に個別事象を当てはめ、意味や示唆を導く。
・帰納法:具体的な事例をまとめ、一般化する。
・アブダクション:抜粋では、独自の仮説や施策を発想する段階で役立つ思考として扱われている。
考えが進まない原因は、頭の回転ではなく、材料となる具体的な情報の不足かもしれない。思考の速さには、蓄積した前提条件や整理の切り口も影響する。情報収集の前に、情報を収める枠組みを設計すると整理しやすくなる。ただし、仮説に都合のよい情報だけを集めず、反証も探して修正する。ひらめきには、基礎知識、発想の経験、思い切って仮説を出す勇気が関わる。言語化しにくい暗黙知や直感も、模倣されにくい強みになり得る。
6.問いが、思考の方向と発想を変える
参照位置:2,261~2,663、2,747
問いには、思考を動かす、焦点を定める、関連する情報への感度を高める、という役割がある。よい問いは、明らかにしたいことが具体的で、思考によって検討でき、答えが目的への貢献につながる。調べればわかることと、考えて導くことを分ける。問いをつくる方法は、疑問文で書く、モヤモヤを吐き出す、大きな問いを分解する、理想と現状のギャップを見ること。いったん問いを発散させ、その後で抽象化してまとめ直す。
印象的な例:エレベーターを速くする方法を考える代わりに、待つ人の不満を和らげる方法を問うことで、鏡を設置する解決策が生まれた。問いの角度を変えると、解決策の範囲も変わる。
7.資料・戦略は、成果に至るストーリーとして組み立てる
参照位置:938~983、1,184
資料は最初と最後のゴールを決め、中心となるキラーチャートを押さえ、その前後をつなぐ。全ての情報を同じ重さで示さず、濃淡をつける。考える際は「目的→目標→手段」と逆算し、説明する際は「手段によって目標を達成し、目的に近づく」というつながりを確かめる。戦略も、状態を並べるだけでなく、成果に至る動きとして描く。ただし、推論の連鎖が長すぎると不確かさが積み重なるため、各つながりを点検する。
8.実践の型:QADIと、その後の探求
参照位置:3,098~3,128
Q:問い:解くべき問いを設定し、思考の照準を定める。
A:仮説:正しいかどうかをいったん脇に置き、意外性のある仮説を発想する。
D:示唆:「So what?」を重ね、仮説の可能性をストーリーへ展開する。
I:結論:結論をまとめ、その正しさを検証する材料を揃える。
一度つくった仮説で終わらず、改善点を探し、磨き続けることが「探求」となる。
9.成果とプロセスをつなげ、思考を鍛え続ける
参照位置:658~698、3,202、3,486
成果に責任を持ち、その成果を生むプロセスをつくり込み、実行し続ける。結果とプロセスのどちらか一方に偏らず、両者のかみ合わせを追求する。発言しないことで目先のリスクを避けても、将来の成長や価値創出の機会を失う可能性がある。他人の思考力を見て自分の限界を決めず、知識・経験・試行を蓄積する。身につけるまでの鍛錬の量と時間を重視する。
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プロセスの標準化はアウトプットを同質化してしまう。コモディティ思考の罠。コンサルの提供してきた思考フレームワークを超える思考。ただ、最初の結果かプロセスかの議論が多少のデフォルメはあるとしても二元論者同士の浅い水掛け論すぎて、これがコモディティ思考の罠の弊害だとすると、コンサル思考が生み出した損失は結構大きいのではと思った。脱コモディティ化のための演繹的思考。
現代にマッチした「思考」フレームワークのコアとして、Q(Question: 問い) / A (Abduction: 仮説) / D (Deduction: 示唆) / I (Induction: 結論)を提唱。 -
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この本を取ってくれてるのは入社3年目くらいまでくらいだろうと書いてるが、私は入社15年目のマネージャー一歩手前。筆者と同世代。
そのランクでも必要な事がたくさん書いている。
何となくやっていた自分の仕事の進め方や、改善していきたいとモヤモヤしてたこと(報告はできるが議論が苦手。作業者から抜け出す)がしっかり言語化されており、思考の整理にものすごく役立った。
自分の能力を超えた質問がきたとき、えーと、と詰まって会議の空気が一瞬で重くなった経験は何度もあった。
まずはパラフレーズして上位者やシニア層にスムーズにパスして議論に引き込む技は身につけたい(笑)
確かに遠慮はあったが、チームとして成果を出すために必要だから、後から何を言われようが割り切る。
もちろんそれではだめ、どう返してくれたか学習するが。
安心して仕事を任せられる人の特徴も体系立てて書かれている。自分もそうありたいし、部下を褒めるときのワードとしても使いたい。 -
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最近コンサルの方と仕事をする機会があり、どのような思考をしているのかが気になり手に取った本。
シンロジカルシンキングで謳われているQADIサイクルについて、順序立てて丁寧に説明されている。
Question 問い
Abduction 仮説
Deduction 示唆
Induction 結論
サイクル
この5つの力がどれだけ成熟しているかによって、自身の思考の成熟度がわかるが、自分はまだまだレベルが低い箇所が多いと実感した。
日々の物事や出来事への問いの立て方や仮説の持ち方を意識して考えていくことで、思考のレベルをより一層高めていきたい。
考えるという営みはデリケートで自分でその感覚を養っていくしかないという本文の言葉通り、日頃から問いを立てることが大事なのだと理解した。 -
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【目的】
発想力を鍛える
【まとめ(1P)】
ロジカルシンキングに個人的な直観からくる仮説を組み込み、オリジナリティを創出
【ポイント(What)】
・ロジカルシンキングに偏るとコモディティ思考の罠
・「問い」の発散⇔収束が新たなアイディアを生む(切口:内/外と前/後)
・QAIDサイクル(問いを立てる→仮説をたてる→演繹手的に情報の可能性を引き出す→正しさを検証)
【アウトプット(How)】
・「主観」「信念」で独自の仮説を生み出し、ロジカルシンキングで発展、検証
・他人の仮説のあら捜しをするのではなく、有用性に着目する
【その他】
・論証は相手を論破するためではなく、組織がともに動く動機付けにこそ意義がある
・「情報をやみくもに集めてから整理する」のではなく仮説を立てて情報を収める
・知的ポジティブ:発想がわき、他人のアイディアにも「それいいね」と好意的に受け止められる -
Posted by ブクログ
目的を頂点として仕事を駆動することが成果早出の原則であり、目的ー目標ー手段の一本化を常に意識すれば必ず成功すると論じている。この原則は経営層にも一般職にも通じる思考法であると感じた。
VUCA(Volatile/Uncertain/Complex/Ambiguous)時代を生きる私たちは、過去を参照して将来を考える考え方であるバックミラー思考を抜け出し、望む未来を最初に描く、未来起点のバックキャスト思考にシフトする必要がある。目的とは、新たな価値を実現するために目指す未来の到達点を意味し、VUCA時代を生き抜くための指標となるものである。
今まで、会社のルールに従って何となく考えていた目標設定に対する意識が大きく変わった。 -
Posted by ブクログ
目的からブレイクダウンして目標、行動を考えていく。いわゆるあるべき姿を「目的」と置き、バックキャスト思考で考えていくのは、とても馴染みがある思考法。
行動を5つの基本動作に分類し、「思考と行動の型」とするが、この詳説が本書の真骨頂。
PDCAサイクルではないが、以下の5つのサイクルを回していこう、というもの。
(現在)認知→判断→行動→(将来)学習→予測
→認知…
以下、私が気になったメモ書きです。
アナロジーを意識するというのは、「メモの魔力」にも通じるもの。生活に取り入れたい。
認知
ギャップ認識からブレークダウン
判断 すべきとこをすること、すべきでないことをしないことを判断する。
判断は質×スピード。
質の向上は、軸を持つ。ぶれない判断を。
スピード向上は修練の積み重ね。
行動
アクションを導くこと。
スピード×正しさ(正しいアクション)。
予測
リスクを予測。目的とリスクは裏表。
リスクのインパクトは脅威度(やっかいさ)×脆弱性(受け手の弱さ)
リスクは推論や想像力、他者の意見で炙り出す
リスクマトリクスで優先順位を評価する。
リスクの重み×発生確率
学習
習熟の学習(経験曲線効果)と横展開の学習(抽象化)。
アナロジー 「既知」の内容を「未知」に当てはめて、新たな理解を得よう。両者に「類似性」が必要。コンサル思考の真髄。
「アナロジーを使おう」と意識しないと使えない