吉良佳奈江のレビュー一覧

  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    家父長制が強く残る韓国の女性2人の物語。シスターフッドというのかダイアログといっていいのか、夫婦関係の問題、母娘の問題、義実家との関係、仕事における女性差別の問題など、声高に訴えるのではなく淡々と語り合う物語はより胸に沁みる。韓国の問題だけでなく、日本でも同様のことであり、よその話とは思えなかった。日本ではあまり見かけない「グラフィック・ノベル」という手法か、この物語には、この手法がよく合う。「九月、東京の路上で」と同じ出版社の本であった。

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    2025年05月11日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    ネタバレ

    大邱の夜。ソウルで若い時を共にした親友ふたり、

    懐かしく思い出すあの時が、実は漠然と不安だったことを今は知ってるから。
    私たちがあれほど飽きるほど未来について話していたのは、怖かったからだと、うまく通り過ぎてきたとコンジュに話してあげたい。

    先に結婚し先に出産し子どもは可愛いけど夫婦仲、結婚生活はつまらないもので仕事と家事と育児に追われそれでもブチ切れたリ離婚まではいかない、まあこんなもんかと日々に追われて過ごし、後から、同じような人生が親友にもやってくる。
    私も自分のことのようにわかると思った。
    何もなしえてないし夢も叶ってないけど、うまくとおりすぎてきたんじゃないか、と。

    ソウルの夜

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    2023年09月06日
  • 極めて私的な超能力

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    エンタメとして面白い。通勤通学のお供にいいSF短篇集。ただ、男性に都合の良いストーリーなのにはげんなりする。

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    2022年06月27日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    気づく事にすら気づけてない人もいるだろうし
    気づいているが絡めとられて身動き取れない人や
    気づき行動したからこそできる共感する人等々
    たくさんの人に刺さる素晴らしい作品

    読んで、買って、良かった。

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    2022年06月05日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    "自分の部屋が必要です。自分の文章が書きたいです。"(p.95)

    "この不安がいつまで続くのかわからないが、ただ生きていく。
    小さな不幸と幸福を迎えながら……。"(p.66)

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    2022年02月20日
  • 巫女 配信者シャーマンとハヨンの悪霊事件簿

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    ネットで霊符を通販し動画を配信するイマドキ巫女と巻き込まれ型女子のハヨンのバディが繰り広げる事件集

    気の利いたサスペンスが連作になっておりオカルトだけど面白く爽快です

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    2025年11月22日
  • カウンターウェイト

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    読み始めてから、韓国人が作者だと知った(遅い(帯に描いてあった
    韓国の財閥企業に支配された宇宙ってのは、SF以上にSFだ。その発想はなかったよ。あと、韓国人の名前って、どれが男性でどれが女性かようわからんwこれは読むのに不便だったな。
    ああ、話自体はいかにも韓流ドラマにありそうな財閥の後継者を巡るドロドロが入ってるw

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    2025年03月29日
  • 極めて私的な超能力

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    〈他人は地獄〉
    この短編集に流れるテーマのようなもの。
    他人との関係こそ不確定で不明瞭、不安定、まるでSF小説のよう……。

    短編「アスタチン」は、他のお話しとは異なり、やや長めでスケール感があり、わかりやすく直線的。
    この一編は冒険物語のようにも楽しめる。

    「データの時代の愛」は、データ分析の行く末を示す。既にはじまっている、が、愛は説明がつかない。
    ラストが良い物語はやっぱりいい。

    SF小説ではあるが「自己と他者」の内面に迫っており、今、ここで起こっても不思議ではない。

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    2024年12月27日
  • 極めて私的な超能力

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    この手のSFを読むとところどころでSQUIP味を感じてニヤけてしまうのだ。タイトルの短編より、個人的には「アスタチン」と「あなたは灼熱の星に」が、「個」と「遺伝子」と「科学技術」との混じり具合がほんと良かった。
    科学が発達すればするほど科学以前からあったものの捉え方は変化し続けていく。
    私たちの「個」とはどこに存在しているのだろうね?

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    2024年09月28日
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記

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    ネタバレ

    韓国で活躍するSF作家が飲み会で集まった時に盛り上がったネタをもとに製作されたのが本作『蒸気駆動の男: 朝鮮王朝スチームパンク年代記』だ。タイトルにある通り、”もし韓国の歴史に蒸気で動く人間がいたら?”という歴史ifモノで全部で5人のSF作家が参加している。形としてはアンソロジーに近い者だが、共通の設定や歴史年表を最初に設定してから各作家が書き進んでいったらしく、全体としては統一した世界観のもとで話が折り重なっていく。

    本作はタイトルに「スチームパンク」という文字が入っていることから自分が想像したように、”蒸気によって文明が支えられていた架空の韓国”を舞台にしているわけではなかった。確かに全

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    2024年05月01日
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記

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    無難におもろいけどジャンル自体に内在するおもろさであって特に目新しくはない 朝鮮の歴史に親しみを持つためのみちびきとしてよかった

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    2024年03月07日
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記

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    朝鮮王朝繁栄の裏には、蒸気機関を発明した謎の男・都老[トロ]の暗躍があった。何百年にも渡り歴史の影に現れ、実は蒸気で動く汽機人なのではないかと噂される都老の存在を軸に、朝鮮王朝とスチームパンクを掛け合わせたSFアンソロジー。


    日本版の表紙だと都老が見るからにロボじみた姿で登場しそうだがそんなことはなく、見た目は完全に人間という設定。基本的に都老は朝鮮王朝時代に蒸気機関を移植するためのマジカルなガジェットであり、主人公になるのは最後の一篇だけ。以下、各作品の感想。

    ◆「蒸気の獄」チョン・ミョンソプ
    宮廷での蒸気機関推進派と反対派の派閥争いと、推進派粛清の真相。このあとの作品で蒸気技術者が隠

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    2024年02月17日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    小泉今日子のポッドキャストや、朝日新聞の書評など、いろんなところで目にし気になっていた1冊。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ時と同じようなヒリヒリ感。自分は周りの人に恵まれて、仕事も育児も比較的心のままにできている方だが、女性たちの生きづらさが、この社会の中にもたゆたっていることは切にわかる。夫の実家に帰省した時の人々の振る舞い、ちょっとした言葉など、何でもないことが心をえぐる。いや日本よりも韓国の方がもっと根深いのだと思う。これまで通り、こぶしをあげて激しく抵抗するのではなく、「その習慣で育った相手の常識」にも心及ばせながら、でも常識をちょっと見直してもらうさり気ない声かけや努力はして

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    2023年07月20日
  • 蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記

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    ネタバレ

    全編おもしろかった。「知申事の蒸気」の最後で思わずニヤッとなる。

    蒸気機関という共通のテーマがありながら、それぞれまったく切り口が異なる。アンソロジーなので当たり前ではあるが。どこにフォーカスを当てるか、で個性が見えるのもおもしろかった。

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    2023年06月28日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    身につまされる。男として夫として親として。作品中の夫(テシク)に腹が立つ時も、彼と同じ価値観が自分の深い根底にこびりついていることも自覚する。このこびりつきは簡単には剥がせないが、こういった本を読んでカリカリと爪で削り取って行くしかないのだ。

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    2022年06月08日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    『大邱の夜、ソウルの夜』家族と社会と絶え間なく葛藤し、器用に折り合いをつけられない女の話、と紹介されていて、つまりこれはみんなの話。「私たちはただ、とにかく話し続けよう」ということ。それにしてもグラフィックノベルっていいなあ。

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    2022年06月04日
  • 巫女 配信者シャーマンとハヨンの悪霊事件簿

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    一番最初のはなしがいちばん面白い。
    主人公ハヨンには絶対悪霊払いの才能があるから、巫女オンニがスカウトしたんだと思ったから。映像化するらしいけど、文章より絶対映像化のが面白くなりそうです、読者としては今回はいまひとつ面白く読めなくてすいません。

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    2025年06月22日
  • カウンターウェイト

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    軌道エレベーターを主軸にした作品と言うよりは、軌道エレベーターを発端にした人間関係を描いた作品という印象。
    一つ一つの章が比較的短めで読みやすかった。

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    2025年04月05日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    ソウルの夜が良かった。慢性的な辛さや諦めや、抗いたい気持ちがひたひた迫ってくる。ただ、ホンヨンはあまり品がない感じで引いた…
    あとこれ静岡弁だらと思って読んでたら翻訳者さんが静岡出身なのね、なかなか見ねーもんでおもしれーっけや笑

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    2023年11月07日
  • 極めて私的な超能力

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    恋物語から壮大なバトルものまで幅広い設定の話を盛り込んだ韓国SF短編集。全体的に等身大の人間を描いている感じがして、大袈裟なではないけど丁寧な展開に好感が持てた。読みやすさも丁度良く、何か気軽に本を読みたいなという人にオススメ

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    2023年07月16日