吉良佳奈江のレビュー一覧
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ネタバレ大邱の夜。ソウルで若い時を共にした親友ふたり、
懐かしく思い出すあの時が、実は漠然と不安だったことを今は知ってるから。
私たちがあれほど飽きるほど未来について話していたのは、怖かったからだと、うまく通り過ぎてきたとコンジュに話してあげたい。
先に結婚し先に出産し子どもは可愛いけど夫婦仲、結婚生活はつまらないもので仕事と家事と育児に追われそれでもブチ切れたリ離婚まではいかない、まあこんなもんかと日々に追われて過ごし、後から、同じような人生が親友にもやってくる。
私も自分のことのようにわかると思った。
何もなしえてないし夢も叶ってないけど、うまくとおりすぎてきたんじゃないか、と。
ソウルの夜 -
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ネタバレ韓国で活躍するSF作家が飲み会で集まった時に盛り上がったネタをもとに製作されたのが本作『蒸気駆動の男: 朝鮮王朝スチームパンク年代記』だ。タイトルにある通り、”もし韓国の歴史に蒸気で動く人間がいたら?”という歴史ifモノで全部で5人のSF作家が参加している。形としてはアンソロジーに近い者だが、共通の設定や歴史年表を最初に設定してから各作家が書き進んでいったらしく、全体としては統一した世界観のもとで話が折り重なっていく。
本作はタイトルに「スチームパンク」という文字が入っていることから自分が想像したように、”蒸気によって文明が支えられていた架空の韓国”を舞台にしているわけではなかった。確かに全 -
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朝鮮王朝繁栄の裏には、蒸気機関を発明した謎の男・都老[トロ]の暗躍があった。何百年にも渡り歴史の影に現れ、実は蒸気で動く汽機人なのではないかと噂される都老の存在を軸に、朝鮮王朝とスチームパンクを掛け合わせたSFアンソロジー。
日本版の表紙だと都老が見るからにロボじみた姿で登場しそうだがそんなことはなく、見た目は完全に人間という設定。基本的に都老は朝鮮王朝時代に蒸気機関を移植するためのマジカルなガジェットであり、主人公になるのは最後の一篇だけ。以下、各作品の感想。
◆「蒸気の獄」チョン・ミョンソプ
宮廷での蒸気機関推進派と反対派の派閥争いと、推進派粛清の真相。このあとの作品で蒸気技術者が隠 -
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小泉今日子のポッドキャストや、朝日新聞の書評など、いろんなところで目にし気になっていた1冊。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ時と同じようなヒリヒリ感。自分は周りの人に恵まれて、仕事も育児も比較的心のままにできている方だが、女性たちの生きづらさが、この社会の中にもたゆたっていることは切にわかる。夫の実家に帰省した時の人々の振る舞い、ちょっとした言葉など、何でもないことが心をえぐる。いや日本よりも韓国の方がもっと根深いのだと思う。これまで通り、こぶしをあげて激しく抵抗するのではなく、「その習慣で育った相手の常識」にも心及ばせながら、でも常識をちょっと見直してもらうさり気ない声かけや努力はして
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