高部晴市のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ニャントのなんでもやでござ~い」と小さな村にやってくるニャントさん。依頼があれば妖怪退治までさらっとこなしてしまうその万能感と、どこか飄々としたキャラクターが魅力です。肩の力が抜けた生き方は、日々忙しく働く大人の心に「まあ、なんとかなるか」という軽やかさを運んでくれます。
高部さん特有の馬糞紙にガリ版多色刷りという技法が、物語に圧倒的な「味」を与えています。画面から伝わる手触り感や、どこか懐かしくも新しい色彩感覚は、アート作品を鑑賞しているような満足感を大人に与えてくれます。
のどかな村の風景の中に、当たり前のように妖怪が現れ、それをニャントさんが独自の道具(まさかの○○○!)で解決する。この突飛な展開を「そういうもの」として受け入れる世界観が、凝り固まった大人の常識を心地よく揺さぶってくれます。
「正義の味方」というよりは、「困った時にふらりと現れる風来坊」のようなニャントさんの佇まいに、心がじんわりと温まる、大人こそ味わいたい「粋」な絵本です。