ピーター・スコット・モーガンのレビュー一覧
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ALSになった作者は肉体の機能をテクノロジーとAIで補うサイボーグ、ホーキング博士の強化版のような、「ピーター2.0」として生きる決意をする。自力で動けなくなっても彼の行動力はすごい。ピーター1.0の時にはイギリスで初めての同性カップルになり、コンサル企業ADLでは企業における“暗黙のルール“をぶっ壊す先駆者になった。ピーター2.0ではALSの常識、世間や医療、そして患者の定説をぶっ壊していく。
余命宣告期限から2年すぎ、2022年6月に彼の肉体は滅びた。ただもしかすると今後も“AIによる人格の継続”が成功し、いつかTwitterの更新も再開するかもしれない。本作の最終盤ではメタバース内での「 -
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自分の未来観を変えてくれる強烈な一冊。SFではなく、英国のロボット科学者ピーターの半生の物語である。
2017年、59歳の時にALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断される。筋肉の衰えにより消化管や肺は機能しながらも餓死か窒息死することが多くのMND患者(正確にはその圧倒的な数を占めるALS患者)の死因だと知った彼は、テクノロジーを用いて生き延びることを決意する。MND協会の理事に当選し、メディアを味方につけ、スコット- モーガン財団を設立し資金を集め、不屈の闘志で挑戦を続けていく。
「診断日から逆算すると、僕はこれから22ヶ月以内に死ぬことになります」「食べる、飲む、排泄する。これらは医療上の -
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ロボット工学の研究者で経営コンサルタントとしても成功を収めた著者が、難病を克服するために自らを実験台として「肉体のサイボーグ化」と「AIとの融合」を目指して奔走する姿を記録した一冊。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断された著者は、それまでの医療の常識を破り、全身の筋肉が動かなくなる前に先手を打って栄養チューブや声帯切除等の措置を行うとともに、AIと一体化したアバターを作成することで、全身が動かなくなっても脳が働く限り自分らしく自由に生きられるサイボーグ「ピーター2.0」になることを目標に、時に旧態然とした医療の現状と衝突しつつ、そんな著者に共感する人々とともに、少しずつ道を切り開いていく。 -
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『ネオ・ヒューマン ─ 究極の自由を得る未来』は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症したピーター・スコット=モーガンが、自らを「人類初のサイボーグ=Peter 2.0」として再設計し、病や死の運命に抗う姿を描いた記録。
ALSによって全身の筋力を失うと告げられた直後、彼は治療よりも「進化」を選んだ。喉頭摘出や人工呼吸器の導入など、生きるための機能をテクノロジーで置き換える一方で、自分の声や表情、人格までもデジタル化。AIやアバター、視線入力、ロボット技術を駆使して、話す・動く・表現する能力を維持・再構築していった。
このプロジェクトの目的は延命ではなく「繁栄」──つまり、自分らしく生き続 -
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本作品はALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵された著者が、これまでの患者のようにただ「死」を待って怯えるのではなく、自身の身体を実験台として、最新のテクノロジーを駆使することで、生命を維持するだけでなく、いかにQOLを損なうことなく生き続けられるかにチャレンジする、ノンフィクション作品である。そして、このチャレンジは今も続いているのである。
ALSといえば「ホーキング博士」が世界的に有名であるが、著者は肉体の衰えを最新の医療技術で延命するだけにとどまらず、AIや仮想空間などを駆使することで、自身の脳をAIと融合するという前代未聞の実験に挑戦しているのである。この点が「ホーキング博士」との最大の違い -
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<目次>
第1章 科学は魔法に通じる
第2章 ルールをぶっ壊す
第3章 愛はすべてに勝つ
<内容>
ゲイでコンピュータに精通し、コンサルティング会社で成功し、MND(筋萎縮性側索硬化症)にかかったが、その不屈の精神とコンピュータなどのテクノロジーを使って生存度を上げる(ただし本人は完全に寝たきりになる。半ば脳死状態だが、脳とAIをつないで意思を疎通する)ことで、余命宣告以上に現在も生きている人物の伝記。『アメトーーク』の「読書芸人」でカズレーザーが紹介していた本。最初からゲイの話なので、そこがカズレーザーとつながるのかと思ったが、親からも否定され、苦労する中最愛の彼氏を見つけ、信頼しあ -
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『すべての人間は、生まれながらにして宇宙を変える権利を手にしている』
『私たちが目指すのは、人間であることの定義を書き換えること』
『ルールなんてぶっ壊せ!』
『私たちはただ生き延びようとすることもできるが、1人ひとりが繁栄する道を選ぶこともできる』
『今の現実に反旗をひるがえし、人間であることの定義を書き換え、AIとのコラボレーションによって全人類を繁栄させる』
『真に重要な宇宙の法則は3つ
1 科学こそ、魔法への唯一の道である。
2 人類が偉大なのは、ルールをぶっ壊す存在だから。
3 愛はー最終的にーすべてに勝つ。』
運動ニューロン疾患(ALS)と診断され、余命2年の宣告を受けた著者。 -
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ネタバレ多彩な才能をもつピーター博士は、超ポジティブ。
このピーターの自伝小説。
MND(日本ではALSが知られている。似た症状のよう?)と診断されて、人生をより良く生きていきたいと、QOLの向上のためにテクノロジーを活用しようと奮闘する。
つまり、サイボーグになる、ということ。
症状がでる前に、排泄の機器や栄養チューブを、自発呼吸できなくなる前に人工呼吸器をつけるのだ。
人工呼吸器をつければ、声を失うことになる。
そして最後まで正常でいられる脳とAI、音声をつなげて、他の人とのコミュニケーションがはかれるようにする。
これはSFではない。自伝小説だ。
実際にピーターはおこなっている。
テクノ -
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# 感想
やればできると思うが、実際に行動に移して、完遂するということはとても難しい。
例えば、この本で書かれている、健常な状態の臓器を切り取って機械に置き換えるというは、まさにその一つだと思います。誰がそれをやりたいかという話もありますが、健常な臓器を切除する医者を見つけるのだって一苦労することでしょう。医者からしたら失敗して他の問題を併発するリスクもある、前例がない難しさ、ALSによる予期せぬ展開も考えられ、挑戦するメリットはどう考えても少ないと思いました。
著者のすごいところは行動力や決断力もありますが、落とし所がきちんと見えているとも感じました。将来はAIでなんでもできるだけでは -
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身体をAIに任せる人間2.0を既に実践されている方がいるのかと、読んでみました。生い立ち、英国エスタブリッシュメントとしての学生時代、ゲイとして配偶者との出会い、家族への告白、アーサー・D・リトルでの生活などなど。。ページに費やされるのは、抒情的な自伝です。
シンギュラリティ、身体の一部がコンピュータになる、どんな機器なのか?どんなテクノロジーなのか?については、あまり語られてません。。写真もなし。。合成ボイス、アバターについては少しだけあり。
なので、人間2.0をテクノロジー的に語るという本を期待されて方は、がっかりするかもしれません。。
文章はこなれてるのか、どんどん読み進められました。。