初田哲男のレビュー一覧

  • 「役に立たない」研究の未来
     「研究」に対して、役に立つ・立たない、といった場合、その話している人の頭の中がそれぞれ違うので、話自体が噛み合っていないことも多い。そんな中で、異なる分野の研究者、ここでは数理学、生物学(ノーベル賞の大隅先生!)、人文学の3名の研究者が講演後、座談会形式で課題と具体的な取り組みを話し合っている本。...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    人を動かす原動力はいろいろあると思うんですけど、研究については、「好奇心」とか「探求心・探究心」とか「興味・関心」であることが望ましいのだと思います。
    ただ、世界的に、また、とくに日本では、それらを支えられるだけの土壌や理解、文化が乏しくなってきているように思いますし、その状態を危惧しているのが、本...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    3人の異なる分野の研究者が、それぞれ微妙に異なる立場から「役に立たない」研究について論じている。
    3人それぞれの講演等の中から印象に残ったことを書き記しておく。

    まず、理論物理学者の初田さんは、基礎科学の重要性を一般社会や政府に対して理解してもらうためには、科学者自身のアウトリーチ活動をより多様に...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    初田さんが指摘していた、知識は唯一、使えば使うほど価値が増える、という点は興味深い。誰でもわかる役に立つものは陳腐化も早いのかもしれず、日本が成熟国になる過程ではとるべき選択肢ではないのだろう。知で立国するのが有力であり、この本で議論されていることが議論の端緒になりそう。
    学問・科学の政治との距離の...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    研究にはお金がかかり、資金は足りないけど、根本的な解決には見えない壁があるんだーというもやもやがリアルに伝わってきました
    わたしは研究とか、そういうのは難しくて途中の大隈さんのお話とかもついていけなくなりそうなくらい縁遠いと思いました
    でも、プレスリリースとかみてみよ!って思いました、本文にも合った...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    役に立たないとされがちな基礎研究について議論された座談会のまとめ。
    そもそも役に立つとは何かということ(線引きは不明瞭・恣意的 と理解した)、基礎研究は多様性を認めてこそ将来応用につながるような研究が生まれること(選択と集中はそぐわない)、研究内容に加えて研究者の人となりや生活ぶりを紹介するようなサ...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    「何の役に立つの?」「勉強して何の意味があるの?」世間、政府にとどまらず、この流れが子供達にも起こって来ていると感じる。自分の頭で考える「楽しむ」ことの大切さを伝えられる人に私はなりたい。
  • 「役に立たない」研究の未来
    役に立つ立たない、お金になるならない、そんな物差しで研究を測るな!そんな当たり前なことが当たり前でなくなっている世の中を嘆く。お金有り余っているところは有り余ってるみたいなのに。
  • 「役に立たない」研究の未来
    基礎研究を「役に立つもの」と思う風潮がおかしい、興味があるものをそのまま突き進めれば良いではないか。面白いから研究をやりました で良いではないか。 研究は芸術と同様に文化であって目的がうんぬんではない。研究者は世間に面白さをアピールするのも仕事である。

    刺さった。自分の研究に悩んだ時にまた読みたい...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    この本から学んだこと
    ・日本の科学技術における方針は「選択と集中」であるが、これによって基礎研究がおろそかになっている。
    ・基礎研究は役に立つかが先行するのもではない。研究者が好奇心をもってやっていたことが、後で役立つものだった、という順番。
    ・研究者が自分から研究を発信していき、それを面白いと思っ...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    研究というと、「病気の治療に役立つ」とか「暮らしが便利になる」とか、そういう役に立つか立たないかで語られがち。

    基礎研究や学術研究を「役に立つか立たないか」ではなくて、知的好奇心や探究心を満たすものでもいいじゃないか。

    国は役に立つ研究を選び、そこに研究費を投じる。それでいいの?と思ったけれど、...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    研究は、全てが役に立つわけではないし、研究している時点で役に立つかはわからない。そのため、役に立たないと思われている研究でも支援をしなければ、将来有益になる研究も潰されてしまうかもしれないし、研究の種が撒かれなくなってしまい、研究が先細りしてしまう。目先の利益だけを追求するのではなく、中長期的な研究...続きを読む
  • 「役に立たない」研究の未来
    知識は使えば使うほど増えていく資源
     違う分野の相互作用が大切

    基礎研究=原理の追求:縦糸 × 普遍性(論理体系)の探求:横糸

    科学の発展は循環的
     波及効果が大きいため、長期的視点が必要 多様性から選択

    有用性以前に精神の自由
    ゼロを一にするには「選択と集中」は使えない。
    古代ギリシャローマ...続きを読む