田中拓道のレビュー一覧
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1年前に発刊された本であるが、基本的なところを指摘しているのでこれからますます読まれていくことであろう。
最後に日本についてのリベラルが書かれており、自由主義的伝統の弱さと1990年代以降の政治により、正規雇用と非正規雇用が分断され、政治への支持ではなく、極右と極左による排外主義が台頭するとしてい...続きを読むPosted by ブクログ -
このところ「戦後民主主義」「朝日嫌い」と続けて戦後の保革という政治的対立構造の変化についての新書読みが続いています。今度は「リベラルとは何か」。副題の「17世紀の自由主義から現代日本まで」が示すように、戦後という時間軸をズズッと延ばし、空間も世界視点でババッと拡げ、大きな構造としてリベラルという概念...続きを読むPosted by ブクログ
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リベラルがどのように形成され、どのような挑戦を受けてきたかを知ることが出来た。
日本はやっぱりリベラルの歴史が浅いね。
アメリカのリベラルとヨーロッパのリベラル 大きな政府 小さな政府
完成へと向かう存在としての人間 ミル
17世紀 古典的自由主義 ロック 「統治二法」自然権 アダム・スミス ...続きを読むPosted by ブクログ -
個人の尊厳と自律、価値の多元性、法の支配がリベラルの中核をなすものだけど、長く日本ではリベラル=革新ととらえられてきた。そして政治の場では破れ続けている。
でも政治手法としても、復権の道は残されていないだろうか? 現代社会を見渡すと真っ暗な気持ちになるけど。そしてこんなことを言うのは嫌いだけど、人は...続きを読むPosted by ブクログ -
現代のリベラルは「すべての個人ご自由に生き方を選択できるよう国家が一定の再分配を行うべき」と著者。大きな政府は新自由主義、リバタリアンから攻勢を受けグローバル化、民主主義を体制原理として認めない中国の台頭で厳しい状況。労働環境変化により定形的業務労働者はポピュリズム化し知的労働インテリ層が支持者のリ...続きを読むPosted by ブクログ
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リベラルという概念は、19世紀以降から普及し始め、当初は経済的自由主義としての側面が強かった。20世紀に入ると文化的な側面も加わり、21世紀以降の現代リベラリズムは、個人の価値観、ジェンダー、人種など幅広く結びついて大きな変容を遂げている。
個人的には排外主義との関係と、日本におけるリベラリズムが...続きを読むPosted by ブクログ -
「価値の多元性を前提として、すべての個人が自分の生き方を自由に選択でき、人生の目標を自由に追求できる機会を保障するために、国家が一定の再分配を行うべきだと考える政治的思想と立場」というリベラルの定義から出発したうえで、その出現の歴史的経緯、現在の情勢におけるその位置づけ、目標とするべき政策パッケージ...続きを読むPosted by ブクログ
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20210314〜0404 「リベラル」について、様々な側面からわかりやすく分析していた。タイトルの通り「リベラルとは何か」といわれると、確かにピンとこない。まず著者は現代のリベラルは「すべての個人が自由に生き方を選択できるよう、国家が一定の再配分を行うべきだ」と考える、と定義している。欧米のリベラ...続きを読むPosted by ブクログ
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現代リベラルの定義とポピュリズムや排外主義等の対立する思想と、その克服の仕方をデータを用いて示した本。
思想の解説だけでなく、排外主義を抑え込むための政治制度設計をはじめ、示唆に富む内容だった。
リベラルのジレンマやリベラルが確立しない要因等の課題が興味深かった。
リベラルが確立しないのは、...続きを読むPosted by ブクログ -
田中拓道(1971年~)氏は、国際基督教大学教養学部卒、北海道大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学、新潟大学法学部准教授などを経て、現在一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は比較政治経済学、福祉国家論、政治理論。
本書は、「リベラル」と呼ばれる政治的思想について、その歴史を踏まえて、今後どのよう...続きを読むPosted by ブクログ -
リベラル
価値の多元性を前提、自分の生き方を自由に選択、目標を自由に追求、を保障のため
国家が一定の再配分を行う政治的思想と立場
アメリカ 自由放任主義から、大きな政府を求める勢力
ヨーロッパ 封建勢力への改革勢力から、社会主義に対抗する小さな政府を求める
ケインズ主義的福祉国家
生産性の政...続きを読むPosted by ブクログ -
自由主義というものをわかりやすく説明してくれ、何となくわかったような気になる。それでこの社会をどうしていこうかという話に展開していかないのが少し残念な気持ちがした。Posted by ブクログ
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6章のまとめがすごくよくできている。経緯を丁寧に追いかけるのはちょっとくたびれるが、必要なんだろう。わかったようなわからんような感は残っている。でもそれなりに理解は進んだか。私、リベラルではなさそうだ。Posted by ブクログ
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政治の素人なので、書かれている内容の全てが初めて知ることばかり!とても勉強になりました。
本書を手に取った時点では、リベラルとは護憲・平和主義を指すと思っていたので、リベラルの定義から確認することに。(リベラルとは、「価値の多元性を前提として、すべての個人が自分の生き方を自由に選択でき、人生の目...続きを読むPosted by ブクログ -
アファーマティブアクションの排他性、難しいところだけど落とし所を探る上では確かに著者の言う通りなのかもしれない。
リベラルという言葉の日本における混乱についても大変わかりやすかった。
自民党の限界さが随所に溢れている今こそ、リベラル確立の絶好の機会だと思うので、政治と社会運動の融合をうまく進めて...続きを読むPosted by ブクログ