スティーブン・グリーンブラットのレビュー一覧

  • セカンド・チャンス シェイクスピアとフロイトに学ぶ「やり直しの人生」

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    シェイクスピア作品とフロイト、ウィニコットの理論から人生の選択や運命を探求するお話。ジャンルがよくわからないが好みにはまって面白かった。
    訳註が多くやや読みにくいが、やたら勇気づけられる読後感でちょっとハイになる。時間をおいて再読したい。

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    2025年10月08日
  • セカンド・チャンス シェイクスピアとフロイトに学ぶ「やり直しの人生」

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    前半はシェイクスピア作品を例にしたセカンド・チャンスの話で、後半はフロイトの精神分析を例にしたセカンド・チャンスの話です。
    内容が難しかったですが、訳者のあとがきを読んで、少しですがわかったような気になりました。
    セカンド・チャンスがあるかどうか、それはわからないですが、もしもセカンド・チャンスがあったときに、それを有意義なものにするためには、今の人生を味わい一生懸命に生きていないとダメなんだ、と私なりに理解しました。
    訳者のあとがきに、このあとがきを読んでまた本文を読み返したら、新たな発見や理解があると書いてありましたので、いつかまた読み返してみたいです。

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    2025年07月27日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    アメリカのシェークスピア研究者グリーンブラットが、シェイクスピアの歴史劇が当時のイングランド(=エリザベス一世時代)の政治状況に対する諧謔を含めた批判であることを紐解きながら、実はこの本が書かれた(2018)当時のアメリカの政治状況を痛烈に批判しているという、二重構造。

    つまり、リチャード2世、ヘンリー6世、リチャード3世、マクベス、リア王、シーザー、コリオレイナスという暴君を主人公に据えた演劇はエリザベス朝の暴君性を批判したものであるといいながら、その暴君性についての表現は誰が読んでもそのまま前大統領に当てはまる・・・そして、日本の読者にとっては某首相を想起させる。

    「リチャードのことな

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    2021年01月31日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    面白すぎてページを捲る手が止まらなかった。
    シェイクスピアに関する知識は殆ど持っていなかったが、易しい日本語訳なので分かりやすい。
    学術書というよりは物語や小説に近い感じがする。
    とにかく日本語訳が上手い!すごい!

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    2021年01月31日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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     シェイクスピアが好きなので、副題の「シェイクスピアの政治学」という字句に興味を持って、手に取った。

     開巻早々、シェイクスピアは、なぜ国全体が暴君の手に落ちてしまうなどということがあり得るのか?という納得のいかない問題に繰り返し取り組んできた、との魅力的な言明から始まる。
     シェイクスピアの生きた時代には、治世者を暴君と呼ぶ者は謀叛人なりと法で定められており、そうした危険を避けるため、同時代より大分前の時代のイングランドを舞台設定したり、遠い外国を舞台とする芝居を上演した。

     第二章以降が、実際の作品に登場する暴君自体、及び彼を取り巻く人々についての考察となり、第二章、第三章では、『ヘン

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    2020年10月03日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    シェイクスピア研究の泰斗、と知っていた。
    でも、自分の予備知識なんていい加減。
    著者はアメリカ育ちで、所属もアメリカの大学。

    そう思って読むと、四章冒頭の暴君の性格は、もしかして有名なあの人に当て書きしたのかと思えてくる。
    (謝辞を見ると、その理解でよさそうだ。)

    取り上げた作品は、『ヘンリー六世』『リチャード三世』『マクベス』『リア王』『冬物語』『ジュリアス・シーザー』『コリオレイナス』など。

    これらの作品群を通して、暴君の特質、背景、そして周囲の人間のありようなどを分析する。

    リチャードは、絵にかいたような暴君。
    コンプレックスや愛情欠乏を権力で補償しようとする、ある意味わかりやす

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    2020年12月05日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    『ヘンリー六世』、『リチャード三世』、『マクベス』、『リア王』、『ジュリアス・シーザー』、『コレオレイナス』……。シェイクスピアは作家人生を通じて何度も〈暴君〉の有様を書き続けた。政治批判が直接命に関わるエリザベス一世の統治下で、シェイクスピアは〈暴君〉の政治をどう描いたのか。2020年の今につながる刺激的な一冊。


    北村紗衣先生と鴻巣友季子さんがアメリカ大統領選にあわせておすすめしていたので、絶対に間違いないと思い手にとったがやっぱり面白かった。
    グリーンブラットがこの本を書いた発端は2016年の大統領選でのトランプの勝利に絶望し、食卓で妻と息子に現代政治とシェイクスピア劇の〈暴君〉との類

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    2020年11月23日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    シェイクスピアといえば悲劇、くらいの認識しかなく、リア王・マクベス・ハムレットくらいしか読んだことがなかったが、「暴君」という切り口で鮮やかに切り取られた史劇群は非常に魅力的だと感じた。
    シェイクスピア作品自体の面白さを伝えながら、暴君が生まれ来るメカニズムを読み解き、現代において我々が直面しているものごととの連関を考えさせられる。

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    2020年10月31日
  • セカンド・チャンス シェイクスピアとフロイトに学ぶ「やり直しの人生」

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    言い換えや繰り返しが多く冗長さは否めないが、伝えたいことはよくわかる。ただあまりに目的論的になりすぎ、過去の経験を手段として扱いすぎているのではないかと感じた。

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    2025年08月21日
  • セカンド・チャンス シェイクスピアとフロイトに学ぶ「やり直しの人生」

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    シェイクスピアを「セカンドチャンス」という観点から読むユニークな本。
    じゃあファーストチャンスって何? とか、物語と人格の一貫性とか、なかなか興味深い内容でした。
    ただ、やっぱりシェイクスピアについて詳しくないと、楽しさが半減する本だと思います。
    あと、フロイトがほとんど出てこない気がするんですけど…味付け程度というか。
    なので、シェイクスピア好きの方になら迷わずオススメできる一冊ですが、フロイト目的だと肩透かしを食らってしまうのでご注意を。

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    2025年07月12日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    正直、シェイクスピア作品に明るくない私はあんまりついていけていなかったと思うが、もう10年以上見ている舞台の2幕冒頭シーンがどういう意図をもってつくられた場面なのか、やっとわかった気がして嬉しかった。
    ついていけないながらになんとなく既視感を感じつつ読み進める中で、make England great againとの記述にぶつかり、ああ、そういうことかと。ホワイトハウスに群がる暴徒たち、Twitterという現代のやり方で扇動する暴君よ。結部の最後の一行を読み、この決して穏やかとは言えぬ現代を生きる我々も良識ある人民として襟を正さなければと思わされた。

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    2021年01月18日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    シェイクスピアの各作品での「暴君」の描かれ方をうまく抽出してあると感じた。
    項目立てが絶妙なのか、各論的になりすぎず、一貫した書きぶりで読みやすい。
    シェイクスピア作品に目を通したうえで再読してみたい。
    トランプ政権誕生を明らかに意図しているはずだが、本文に指摘のシェイクスピアのやり方と同様、「直接的な状況から遠くへ想像力を飛ばし」て書かれていたため、自らの政治主張の押し付けめいたものはそこまで感じられなかった。
    暴君を放置、時には支持してしまう民衆らへの指摘についても、なるほどと思わされた。

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    2021年01月16日
  • 暴君 シェイクスピアの政治学

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    ネタバレ

     最高権力者の心に宿る矜持と巣食う不安。最高権力者は、最高権力者がゆえに常に孤独である。自らの地位を危うくすることには誰よりも神経質で、その不安が抑えきれないほど強くなれば、暴君となる可能性が高まる。最高権力者には、権力にすり寄ってくるものたちが多く出て、その追従は、権力者に自信と自己満足をもたらす。ただ、それは躓きの石でもあり、自らを最高権力者にしてきた冷静な観察力と判断力を失わせることにつながる。権力をえる過程で行使した手段は、その強みを知るがゆえに、自らの権力を奪う有力な手段であるとの認識をもつ。暴力で地位を奪ったものは暴力を恐れ、権謀術数で地位を奪ったものは権謀術数をおそれる。強みが自

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    2020年12月03日