堀内誠一のレビュー一覧
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堀内誠一(1932-1987)。むかし写真を見て、目のギョロッとした不思議な人だと思った。an・anやOliveなどの雑誌のアートディレクター、福音館の魅力的な絵本の作者、フランス在住のエッセイスト……いろんな顔があるが、いったいどんな人なのか。
本書は、前半に47歳の時に出した自叙伝、後半にその後のエッセイとインタビューを収める。個人的には、伊勢丹の修業時代のエピソードがもっとも興味深かった。
1947年、14歳で伊勢丹に就職し、宣伝課修飾係に配属。新宿・伊勢丹ビルは、3階以上は進駐軍に接収されていて、2階以下で営業。
夜は美術研究所(塾だね)に通いながら、伊勢丹に10年。そのセンスとノウハ -
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『アンアン』を製本する工場での創刊記念祝賀会にて平凡出版副社長 清水達夫から「これからは美しい雑誌でなければいけません。そのためにはアート・ディレクターが重要な役目です。ですのでこの機械の動き出すテープを切る役目はアート・ディレクターの堀内さんにしてもらいます」とやられてびっくりした男、堀内誠一。彼の存在が新しい文化の扉を開けたことは椎名和「49冊のアンアン」で読んだばっかり。まるで時代の特異点をつくった突然現れた天才みたいに感じてしまいますが、父の「レインボー・スタジオ」のこと、父の出身の多田北烏の「サン・スタジオ」のこと、図案家という職業のこと、伊勢丹宣伝部時代の装飾係のこと、広告係のこと
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Posted by ブクログ
谷川俊太郎さんと俵万智さんの対談を読んだので今度は谷川俊太郎さんの詩集から
「魂に触れる」
私も『アマデウス』という映画が好きで、何度も何度も繰り返し観た。サリエリの妬みもモーツァルトの音楽によって昇華される。モーツァルトの魂に触れて。クラリネット協奏曲のアダージョが死後の世界の平安へと誘う。
「音楽のように」
言葉で音楽を超えようとした作者が、音楽に限りなく憧れている。音楽には「心を空へ放す力」がある。哀しみを包み、洗い流す力もある。谷川俊太郎さんはそれをみごとに表現している。言葉の力で。
「なみだうた」
言葉で呼んでしまってはいけない感情を
「自分が隠れた大きな流れにひたされているよ -
Posted by ブクログ
堀内誠一さんが描いた音楽家の肖像とエッセイに、谷川俊太郎さんの詩を合わせた一冊。
音楽の巨匠たちの生い立ち、家族との日常や、彼らが暮らした街、通ったカフェやお店、自然の描写を、絵とともに綴ったもの。
各章ごとに、その音楽家にちなんだ詩を、谷川俊太郎さんが読んでいる。
以下、読書メモ。
・文学者も音楽家も、よく絵を描いた時代があった。
ゲーテ、ユーゴー、メンデルスゾーン、シューマン等。
中学生のショパンは授業中に見事な肖像画を描いた。ワルシャワの夜景も描いた。
・ベートーベンはワイン好き。
ワイン醸造地を歩き回って作曲した。(ベートーベンは歩きながら作曲することで有名だった)
・展覧会