ハン角斉のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み独特の良さを感じます
これ、南信長氏などが褒めていた作品でしたので、ちょっと割引がきいた時に電子版で購入しました。 現在67歳という作者の年齢等にばかり注目するのは野暮で、やはりこの独特の作品世界を堪能すべきなのでしょうね。 ビッグコミックというよりはガロに載りそうな作風ですが、才能とは夢を見続けられる力のことですよ、といったある演劇作品の台詞も思い出すような読書体験でした。 今のところ、案山子の話がベストですかね。割ときっちりオチをつける方ですね。⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
南信長氏の記事、一部を転載します。
狂気じみた殺人犯の正体に虚を突かれる「山で暮らす男」、モテない男のペーソスがしみる「親父(おやじ)のブルース」、余命宣告された男の思わぬ最期を描く「黒い蝶(ちょう)」、幼い娘を殺された母の絶望と救済の物語「案山子(かかし)峠」など、いずれも妄想と現実が反転するような仕掛けをはらむ。聖と俗を併せ持つ人物たちのドラマは寓話(ぐうわ)としても読める。
細密なペンタッチも印象的だ。なかでも謎の収容施設からの逃走劇「眠りに就く時…」の草木や星空、「模様」の顔にアザのある少女の描写には偏執狂的なものすら感じる。北海道の方言で「ばからしい」を意味するペンネームにも苦笑。遅れてきた異形の新人にマンガの多様性と可能性を見た。=朝日新聞2022年10月15日掲載