郡司芽久のレビュー一覧
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以前読んだ著者の「キリン解剖記 」がとても良かったので、迷わず即購入。
前作でキリンについて新たに知ることは興味深かったし、長年の謎が解き明かされるシーンや母親とのエピソードには感動しました。
本作は、キリンと他生物・人間とを比較しながら生物の身体を解説し進化について易しく教えてくれます。
「へ~!」がいっぱい詰まった1冊。
キリンのことだけじゃなく、新たに知ることがたくさんで好奇心を刺激されました。
それに著者の考えや思いに触れ、お人柄もうかがえる。彼女から語られる言葉は心に響いてきます。
動物園や博物館に行く前に読んでから行きたい!
おもしろかった。
『細かく“解き剖ける”ことは、何かを深く理解し、魅力を知るには最良の方法だ。そして、何かを知ることは、好きになることの第一歩だ』
『誰もが知っているあたりまえの知識は、かつて誰かが自身の一生を捧げて明らかにした発見である。そして、いままさに明らかになりつつある知見や、新たに使われるようになった技術も、どこかの誰かが人生を賭けて取り組んでいる研究の成果なのだ』 -
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<目次>
はじめに~解剖からひも解く生き物の進化
第1章 肺~息苦しい水中への対応策
第2章 手足~手のひらを返すヒト、返せないキリン
第3章 首~頭と肩に挟まれた隙間
第4章 皮膚~外から支える偉大な「臓器」
第5章 角~その不思議な魅力
第6章 消化器官~たくさん食べるか、無駄なく消化か
第7章 心臓~はるか遠くへと血液を運ぶ旅
第8章 腎臓~「毒」の排出を担う器官
第9章 呼吸器~酸素の取りこぼしを減らす工夫
第10章 進化とは妥協点を探ること
<内容>
NHKのウエブマガジン「キリンと人間、どこが違う?」を大幅に加筆訂正をしたもの、もとは大学での講義録らしい。本職は解剖学だが、この本は生物の各器官の役割をわかりやすく紹介しながら、進化についてもふれるという良書だと思う。生物の教科書的な本。 -
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面白かった。純粋に何かを極めようとしている、子どもの頃の好奇心をそのまま持っている人特有の純粋な文章。キリン研究、キリン解剖、自分の研究テーマが見つからず悩んでるところからキリンの8番目の首の骨を見つけて、次の研究を頑張るなど興味深かったが、1番面白かったのは著者の母が少し風変わりな人である日、お香に興味を持ちそれからグングンと知識をつけ、今はカルチャースクールの先生。
「知識は生活を豊かにし、目に留まるものに価値を与え、新たな気づきを生み、日常生活を輝かせてくれる。…略…知識を身につけることの楽しさと素晴らしさを学んできたような気がする」
私も何か非常に興味を持てるものを探していこうと思う。 -
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キリンの膝ってどこにある?の章 キリンの足の真ん中には,私たちの膝とは逆方向の"くの字”に折れ曲がる関節が存在するが、じつはそこは膝ではない。「かかと」である。関節のすぐ上をよく見ると、うっすらと浮き出たアキレス腱を見つけることができる。彼らは長い足の裏をもち、かかとを上げてつま先立ちで生活しているのだ。
では膝はどこにあるのだろうか?彼らの膝は足の真ん中あたりではなく、もっと胴体に近い部分にある。お腹と同じくらいの高さだ。私たちの足は長さの半分ほどが太腿だけれども、キリンの足は半分が足の裏なのだ。
本文中に繰り返し語られるのは、生き物に残念な進化はないということ。生存に有利であれば、目的さえ達成されていれば、やり方なんて何でもいいんだよ。進化の答えは一つだけではないのだと言うことだ。
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キリンのタイトル、キリンの絵が表紙に載っていると言っても、キリンのことだけでなく、哺乳類、魚類、鳥類等動物のからだの仕組みを、機能や進化の観点で説明してくれる。
説明されているからだのパーツは、肺、手足、首、皮膚、角、消化器官、心臓、腎臓、呼吸器。それらの機能が、動物によって違いがあるとか、同じだとか、一般の人にも分かる内容で書かれてあるので、取っつきやすくなっている。
キリン、馬、ダチョウなど、脚の真ん中辺りにある関節って、膝かと思ったら、実はかかとであったり手首であったり。
で、その下と言えば、足の裏や手のひらなのだと。
骨格を見ると、その仕組みが分かるようだが、なるほど。 -
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読みながら、へーと思ったところに付箋紙を着けてたら付箋紙だらけに。
かかとと膝の位置。
ヒトの大腿骨は10度ほど傾いている。
手足のもとは、胸ビレと腹ビレ。
大人のキリンの首は、ほぼ横綱白鳳。
ゼノケリクス・アミダラエはスターウォーズ
のパドメ・アミダラから命名。
5種類の角、サイの角・シカの角・ウシの角
キリンの角・プロングホーンの角。
キリンは生まれたときから角をもつ唯一の哺乳類。
ペリカンの下顎
面白いー!
だけでない。
母親が熱中症で入院した時、腎臓がダメージをうけて3ヶ月の療養になったのは、
「スポーツドリンクや塩飴、麦茶は嫌い!」
「味が嫌いなの!」
と
「私は、水や緑茶を飲んでるから平気!」
と、
いくら危険だからと説明しても、ダメで、
倒れて救急車。
暑いなかの病院通いは、大変だったなぁ~
作者の一番好きな腎臓の話は、世の中の人、全てに読んでもらいたい!
そして、「ミネラルの濃度を一定に保つ」
ことの大切さを学んでもらいたい。
夏場のテレビニュースで、熱中症で倒れて救急車で搬送。と聞くたびに思います。
水分を取ればもとに戻れるわけでなく、母は
腎臓が壊れ、そこから心臓が悪くなりと内臓に悪さが波及しました。
あとがきで作者が、「本書が自分自身の体について改めて考えるきっかけとなっていれば
とてもうれしく思う。」と
はい。ありがとうございます。
とても、勉強になりました。
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ネタバレ生物の進化、身体の仕組みに関心があり、また以前から著者のことも気になっていたので発売日に購入。
タイトルにキリンとあるが、キリンを主軸にヒトを含む幅広い動物について取り上げられている。
読みやすく、全く知らなかった生物の進化、身体の不思議についてたくさん触れられて楽しい本だった。
著者も最後に述べていたが、身体に起こる不調や変化がどのようなメカニズムで何のために発生しているかを俯瞰的に知ることで、身体の弱かった自分を認めることと、自分を大切にすることに繋がると思った。
また、身体の構造的な知識も得られて、通っているピラティスで指導される内容がより理解できそうだなあと思った(腹式呼吸と胸式呼吸の差や、ヒトの肺には筋肉がなくて、周りの肋骨や横隔膜を動かすことで結果的に呼吸に繋げている、など…)。
キリンは首を長くした結果、血圧を非常に高くする必要があったし、首の血管を細くする必要もあって良いことばかりじゃなかったとのこと。
自分は体格に対して首が長くキリンに元々少し親近感があったのだが、肩こりや冷えなど長い首によるデメリットの方が多く感じていたのでより親近感を抱いた。
最後に、退化も「進化の一部」であること、そして進化は必ずしも効率化を目指したものでなく、そのものが置かれた環境で生き延びるために生まれた変化であるという著者の主張に勇気づけられる気がした。
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Posted by ブクログ
『#キリン解剖記』
ほぼ日書評 Day577
表紙イメージを見ると子供向け絵本のようだが、タイトルにはしっかり「解剖」とあって、はたしてどんな内容なのか予想の難しい本。
(なお、タイトルに「ジュニア版」とあるが、内容は変えず振り仮名と、少し難しい用語に解説をつけた内容としている)
ということで、結局、一気読みすることになった本書は、平成元年生まれの若い研究者が、子供の頃から大好きだったキリンの研究にハマって、常識破りの大発見をするまでの流れを、軽やかなエッセイのような読みやすい文体で、しかしながら、しっかり科学的な記述は抜け漏れなく行うという、この手の入門書の書き方のお手本のよう。
しかしながら、キリン大好き少女を待つ運命は、ある意味、皮肉だ。
著者の専門は先にタイトルでも触れた通り「解剖学」、ゆえにキリンの「ご遺体」なしには実地研究ができない。
大好きなキリンの「献体」を無駄にしないためにも、いざ年間数回の「キリン死亡」の知らせが来ると大変だ。なにより、解剖が最優先。アフリカの生き物だからか、年末年始に死ぬことが多い。忘年会や新年会のお誘いには「キリンが死ななかったら行くね」と答えるという冗談のような会話が交わされるという。
著者による大発見の内容はぜひ本書をご覧いただくとして、ぷちトリビア(死後か?)が色々。
キリンは手足が長いので、梃子の原理を使えば(女性の)著者でも手足を少し持ち上げて、ひっくり返すこともできる。
キリンの首(頭付き)は130〜180kg、元横綱の白鵬と同じくらい。キリンのオスはネッキングという首をぶつけ合う闘争行動をおこなうが、白鵬同士の立ち合いのようなもの。よく首が折れない…と感心する。
最近はまた新たな研究テーマを見出したとのことなので、ぜひ続編を読んでみたいものである。
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Posted by ブクログ
哺乳類の首の骨(頸椎)の数は決まっていて、猪首と呼ばれるほど首がないイノシシでも、長い首のキリンでも頸椎の数は七つと決まっていて、不変だ。
でも、本当にそうだろうか?あんなに長い首を持っていて、他と同じで生きていけるのか?
小さい頃からキリンが大好きで、東大に入ってぼんやりとキリンの研究をしてみたいと考えていて、経験のないママ見よう見まねで動物園で死亡したキリンの解体を経験し、そのまま正月休みも返上し、30体以上のキリンを解体・解剖して、キリンの首には8個目の頸椎の役割をする骨がある事を発見した筆者の、キリン好きがキリン博士になるまでを描いた自伝的研究史。
キリンという、幼児でもその名前を知っている非常にポピュラーな動物が、その特徴的な首の仕組みが、21世紀になるまでちゃんと解明されていなかったという事にも驚くし、いろんな巡り合わせでその点に着目し、過去に冷たい目で見られた研究成果をとりあげて、そこに切り込んでいった筆者の勇気と、キリン愛(献体されたキリンたちへの愛情)に脱帽。
筆者が自分の経験をもとにした実感として後書きで述べている三つの「無」の話も印象的だ。三つの無とは無目的、無計画、無制限。これは様々な物を収蔵する博物館の理念だという。「研究には使わない」、「収蔵する場所がない」、「時間がない」という理由などで博物館に保管する標本の制限をしてはいけない。収蔵しておけば、100年後にでも誰かの役にたつかもしれない。そのいつか、誰かのため、何かのために保管しておくことが博物館の使命なのだと。(その理念がなければ筆者の研究成果もなかった)
何かというと実用性、功利性、即時性を求める昨今の風潮に釘をさしているようにも思えた。