田中圭太郎のレビュー一覧
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大学崩壊と言うから学生側の問題かと思いきや、大学自体が壊れているのか!
いい年した大人が本当に情けない。一体誰が何の目的でこんな『改革』を進めたのかと不思議だったが、最終章で謎が解けた。結局私利私欲でやってただけか。「今だけ、金だけ、自分だけ」の自民党メンタリティが十二分に発揮された素晴らしいシステムだな。
山形大の事件は中の人から詳しく聞いていたが、それより酷い事態が複数の大学で起こっていたのを初めて知った。先日山大の件の教授にお会いしたが、何事もなかったように意気揚々としてた。自浄能力のない組織は必ず衰退する。学生や真面目にやっている教職員が気の毒だ。
それにしても不可解なのは文科省だ。普 -
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旧態依然たる大学は改革が必要!という思いと、
そうはいっても最近の大学は学生にいろいろな試みをしている!という思いと、
両方を持ちながらこの新書を読む。
「利益が出る大学」を目指せと、大学改革を推奨し、学校経営に首を突っ込む国、
地方自治体。
それはそれで双方言い分もあろう、が、、、
読むにつれ、反吐が出てきた。
中には真に大学を変え、世の中の役に立つ人材を輩出させたい、という思いの人も
いるかもしれないが、このルポに出てくる学校トップはクズばかり。
民間人なら私腹を肥やすため、首長や官僚なら、天下りをするため。
結局私腹を肥やすためだ。せこいクズばかり。それをいかにも合法 -
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パラリンピックの歴史を、その歴史を大きく左右した何人かの人物に注目して紹介した一冊。
副題の「知られざる60年」が実はたくさんのことを語っている一冊だと思う。
まず、(公式に使われたかはあいまいにせよ)「パラリンピック」という言葉が使われてからまだ60年ちょっとしか経っていない。そしてその言葉が生まれたのは前回の東京”パラリンピック”のとき。
そして今や「オリパラ」とセットにされているパラリンピックがずっとオリンピックと毎回同じ場所で行われるようになるのはそれから結構後になってからである、ということ。
割と根本的な所から「知られざる」存在なんだ、と。
第二次大戦で大量に出た頸椎損傷者が褥瘡 -
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高橋新書ガイドから。話し合いで聞く耳を持たれなかったり、そもそも話し合いすら行われないとなると、最終的には法的手段に頼らざるを得ない状況にもなり、本作で挙げられる案件でも、訴訟に至った例が多い。でもその案件は、構造的に、どうしてもスラップ訴訟の様相を呈するものが大半となる。すなわち、雇う側と雇われる側、大きな大学組織とちっぽけな個人、みたいな風に。でも、皆が皆、声を上げる機会を持てる訳もなく、その理不尽に耐えられる訳もない。きっと本書は氷山の一角で、あちこちで崩壊が進行している。とはいえ、範となるべき国が今の体たらくでは、崩壊を食い止めるのも大変な難事業であろうことは想像に難くなく…。さて。
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Posted by ブクログ
国立大学法人化から約20年。特に第二次安倍政権以降の10年で、政治と経済界の思惑通りに大学がどのように改革されていったか(壊れていったか)。何が起きているのか。実際に起きたいくつかの象徴的な事例を取り上げながら現在進行形で進む大学崩壊の現場のルポタージュ。
ここで取り上げられている事例や、国立大学法人法等の改正などは大学関係者じゃないと良く分からないし、一般の大学教員などでも良く知らない人も多いと思う。本書では象徴的な事例や法改正、政治の動きが関連して紹介されていて、さらに最後の「おわりに」ではそれらを簡潔にまとめてくれているので、現在までの流れと現状を俯瞰して整理するのに役立つと思われる。
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Posted by ブクログ
今の大学、授業風景はどんな感じだろうか。
崩壊という程、酷いのだろうか。大学の同窓会誌や会報を見る限り、そこに写るキャンパスライフは全く崩壊しているように見えない。本書を読むと破滅的な感じにも見えるが、一部の事象では無いのだろうか。バランスよく見る必要がある。
しかし、共通するのは2004年の大学法人化。これが、失敗だったと大学関係者の多くが語る。法人化によって表向きは国による予算や組織等の規制は大幅に縮小され、大学の自律的な運営が確保されることが謳われたが、実際に行われたの予算の削減。
2022年国際卓越研究大学法も評判が良くない。日本の研究力を強化し稼げる大学と言う触れ込みで、政府が創 -
Posted by ブクログ
怖いもの見たさで出版前から楽しみにしていたのだが、某先生から大した内容ではないと聞かされたことでバイアスがかかったのかなるほどとそんな気もしてしまった。ここ数年起きた様々な事例がまとまっているのは評価できるが、取り上げられているのが少し偏っているのかなという印象が否めない。このあたりは、大学関係者とそうでない人とでは大きく評価が分かれるのではとも思う。著者の「正義」が見え隠れして、なんとなくネット警察みたいなことが感じられるところも少し目につく。
いずれにいしても、某先生の影響が評価に及んでしまった(大した内容ではないと聞かされなかったら私自身の評価が異なるものだったかも知れない)ことが良かっ