住吉雅美のレビュー一覧

  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ルールはそもそも、なぜそういうルールが作られたのかという目的を考えなければ理解できず、またルールを守ることで得られる利益と、破ることで得られる利益とを天秤にかける必要がある。そのうえで、守った人が損をするルールはダメなルールである。
    ルールの発端は人間と動物に共通して「縄張りの画定」と「序列付けの必要」である。
    平常時のルールの目的は、世界や社会を円滑に回すもので、各人の安全な暮らしを守るものである。
    第一次的ルールとは「責務のルール」で、第二次的ルールは第一次的ルールの欠落の補完を行う運用ルールである。
    ルールがルールとして成り立ち、人々がそれに従う動機を保証する必要不可欠な条件は、「Aの情

    0
    2023年12月30日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    ルールとは何か?法律?慣習?どう違うのか?
    良いルールとは?なぜルールは守られる?守られない?

    こんな感じの疑問について、カントやルソーなどの出典を交えながら、法哲学的な考えを述べる本。

    コロナ禍や LGBT の事例など、最近の身近な事例を題材に扱っているので、興味深く読めました。
    ただ筆者の政治的な考えもしっかり載っているので、抵抗のある方もいるかも知れません。

    清濁併呑ができる人向けです笑

    法律の知識が無くてもスラスラ読めます。
    同調圧力という言葉に引っかかる方には特にオススメです!

    0
    2023年11月12日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    2回目。また読みたい。定義付けと例と自虐が秀逸。

    「安寧と引き換えに、責任を負う苦しみを伴う自由を犠牲にすることは絶対にあってはならない。人間には違和感を抱き、疑い、反抗する能力がある。それを思い起こさせてくれるのが法哲学なのである。」

    0
    2023年09月08日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    ⚫︎中身はちょっと難しいが、語り口が軽妙。
    ⚫︎旬な話題を入れているのでクスリと出来たが、後になっては無理だろうな笑
    ⚫︎ロールズは久しぶりに聞いた。懐かしい。
    ⚫︎大学生時代にこんな講義を受けてみたかったなと思わせる、自身の常識を疑うような一冊。

    0
    2023年08月20日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    大学の課題図書として読みました。以下は私のレポートの要約の抜粋です。

    法律に対して哲学していくといった本である。その意味としては既成の法律に対して徹底的に疑い、法律が「存在すること」の根拠は何であるかを探究し続ける思考方である。現行法大系の基礎原理やそれを支えている人間社会の習俗とか常識それ自体を徹底的に疑い、容赦なく批判していく。常識の上に展開される法哲学は人間社会の表の面のみであるが、筆者はそれを懐疑的な目で分析し、アンタッチャブルな陰の世界を直視して囚われのない頭脳で考えることが法哲学の真骨頂だと信じている。

    0
    2023年06月09日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    この本の中では、自分が今まで当たり前だと思っていたことに対して疑う視点を持たされた。なぜ?と聞かれても、ウッ…となってしまって答えられなかった。自分はもっと物事に対して疑う視点を持たないといけないと思った。そして、楽だから、なんとなくうまくいってるからといって思考停止してしまわないようにする。

    0
    2021年05月09日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私たちが生活している中で、何気ない場面において法律とか、道徳とかを組み込んで深く考えてみると、とても複雑な問題が数多く存在することがわかった。
    自由をテーマにした具体例が多く、そのキーワードは、法律の中でも解釈がいくつもの通りでなされてしまう。
    ただ単に法律を脳死で守るのではなく、中には道徳的に望ましくないものも存在するので、思考し続けることが大切。

    0
    2021年05月07日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    法律そのものに、法に従わなければならないとする道徳的義務はなく、罰がその役割を果たしている。福祉国家は、有限のソースを社会的弱者に活用するため、福祉の範囲を選別せざるを得ないが、自由国家は福祉を与えないので、選別が不要。平等を実現するための配分で、不平等を認知させる承認が必要という議論に近いものがある。

    0
    2021年02月07日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    なんだこの屁理屈…と懐疑的に読み進めていくうちに、法哲学にはまってしまった。当たり前、社会の常識、と考えていたことに説明がつかなくなる。特に平等論にはやけに納得してしまった。なんで年上というだけで金持ちの後輩にランチをおごっているんだろう…と日頃思っていたから。世の中にはこんなに人の心理や状態を分解して色々と考えている人がいたんだなぁと知った。でもそれで法律が改正されたりするのだから、とても重要な分野だと思う。

    0
    2021年01月09日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    読みやすい。具体的な話から原理的な思考に入っていくパターンは、哲学の入門書によくあるが、大抵は突っ込み不足になるか、消化不良になるかのどちらかだ。その点、この本は下世話にグイグイと掘り下げていくので、ついていける。著者の講義を受けてみたいなと思う。

    0
    2020年12月08日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    社会人生活の中で、人によってルールに対する姿勢や解釈が違うと感じることが多かった。そういう時に考えたことなどが、専門家の言葉で語られていて安心した。
    「思考停止した遵法は罪である」というのは本当にその通りだと思った。

    0
    2025年07月11日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    あとがきで書いてある「清濁併せ呑む」の言葉に尽きる。共同体のルールは個人的選好のみでは成り立たない。得するときもあれば損をするときもある。ただそれがLGBTQやコロナのマスク・ワクチンなどのように、同調圧力にしてはいけない。「自分の価値観だけが絶対」だと思わないこと。私が読書やゲーム・映画など様々なものに触れることは、自分にはない価値観が知れることや、ジャンル内でも触れることができるものを探すためだ。「ホラー映画だから…」とジャンル自体を拒否するのではなく模索する。「清濁併せ呑む」とはそういう感じのことなのかなと解釈しました。

    0
    2025年06月08日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    大学教授である著者が世の中にあるルールについてその原理と個人的見解を書いた一冊。

    ルールの成り立ちから条件、スポーツにおけるフェアプレーの精神からみたルールの意義
    結婚や刑罰など法律に関わる部分までルールについての様々な考え方を本書で知ることができました。
    そんな本書の中でもコロナ禍でのマスク着用に対する人々の行動からみるルールのあり方やエスカレーターや男性のトイレの仕方の考え方の違いは面白いと感じました。
    また、違反しないことによって利得を得ることができることが人々がルールを守る中で効果があることも感じました。

    本書を読んでルールとは誰もが公平感のあるものであることが前提であると感じまし

    0
    2025年03月01日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    もうちょっと骨太な内容、書きぶりを
    期待したんだけどなあ。
    ちょいちょい口語的になるところが、
    いくらちくまプリマーでも違和感が…
    せっかくガッツリしたタイトルなのに。

    0
    2024年06月01日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    そもそもなんのためにあるのか、を説いたのは最初の数ページ。事例が多いせいか、そもそもなんのためにあるのか、の問いに対する答えがピンボケになっている印象。

    0
    2023年12月31日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    法哲学の入門書。身近な事例のおかげで分かりやすい。
    でも引用が合っていないように思えるのは、こちらに問題があるからだろうか。アムロがジェットストリームアタックをかわした場面を引いて「踏み台」にすることの是非を問うのは、的外れとしか思えなかったな。

    0
    2023年12月25日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    小気味良い内容で面白かった。

    エスカレーターのルールは本当に謎ルールだと思う。これだけ片側開けて歩くのは良くないと言われているにもかかわらず片側開けや歩行が横行している。特に駅などでは電車を降りてからエスカレーターに乗るまでが非常に混雑して滞留が発生している。いっそ守れないならエスカレーターはやめます、と宣言してもいいのではないだろうか。

    自分に都合のいいことしか受け入れないのが人間。完璧なルールや法律などないのだけど、自分以外誰かが被る影響も考慮してお互いさまで過ごすことができれば、もう少し生きやすい世の中になるのだろうけど。人間だけでなく、地球に生きる生命全てに対してもそうだと思う。

    0
    2023年12月18日
  • ルールはそもそもなんのためにあるのか

    Posted by ブクログ

    法哲学の入門書。哲学的な理論の説明にとどまらず、オリンピックのドーピング問題、結婚制度、コロナ禍の対する日本政府の対応など、記憶にも新しい現代的な問題を具体例に、分析をしてくれているので、とても親近感を持って読み進められた。
    それぞれの問題に対しては、筆者の法哲学者としての立場をかなり明確にしている。常識的でありつつかなり鋭い批判を述べるため、個人的には痛快だったが、もしかしたら、そうした筆致自体にアレルギー反応のある読者もいるかもしれない。最後、多種多様な価値観を持った人間が、共に生きていくためには「清濁併せ呑む」「心に毒も栄養も喰らっておおらかに生きる」度量の大きさが必要だ、という言葉は、

    0
    2023年11月18日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    法哲学の基本的な問題をとりあげ、わかりやすいことばで解説している本です。

    著者は「はじめに」で、みずからのスタンスを「悪ガキ風」と述べて、権威や社会常識に盲目的にしたがうのではなく、それらに向けて大胆な疑問を提出することを読者にもすすめています。また「おわりに」でも、「常識という池の水、ぜんぶ抜いてみようぜ!」という呼びかけがなされています。

    ただ、「あぶない法哲学」というタイトルから期待したほどには、型破りな内容ではなく、どちらかといえば法哲学の基本的な問題を紹介したオーソドックスな入門書という印象です。やはり「はじめに」のなかで、著者は「法律は所詮、世界を回す諸システムの中の一つでしか

    0
    2023年01月06日
  • あぶない法哲学 常識に盾突く思考のレッスン

    Posted by ブクログ

    本のカバーにある「社会に飼い慣らされないための“悪魔の法哲学”」とあるので面白そうだと思って買ったのだが、結果的にあまり面白さは感じ取れなかった。
    これって、想像以上に「きれいごと」を信用し過ぎていて、「きたないこと」が見えなくなっている、そうと指摘されてもそうと感じられなくなっている⁈
    だとしたらエライヤバいことなのではないだろうか。
    とりあえず巻末にある『ブリッジブック法哲学』、『問いかける法哲学』という本を読んでみるか。

    0
    2021年05月08日