佐々木昭夫のレビュー一覧

  • 疫病と世界史(上)
    疫病の観点から、世界史の因果関係に補助線を入れようとする野心的な試み。歴史は人為的な営みだけでなく、時に細菌やウィルスといった目に見えないものが動かすこともある。一つの文明の栄枯盛衰、宗教や文化が受容される背景にも、疫病があるかもしれない。ただ、こうした分野の先行事例や文献が極端に少ないため、大部分...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    普通に読むと飽きてくるので、この本と 医学の歴史を併読してみた。2冊の索引の共通項目から 逆引き 読みをしてみたら、理解度が高まった

    特に 結核、腺ペスト、天然痘、ペスト、マラリア、梅毒が 出てきた時が この本のポイントだと思った

    時系列に整理しながら読むと面白いかも
  • 疫病と世界史(上)
    医療の歴史より、疾病の歴史の方が面白い。医療の歴史の主人公が 強い人間なのに対して、疾病の歴史の主人公は 弱い微生物が多い

    ヒトは 食べられて進化してきたことを実感した

    他のレビューにあるように 読みづらい。
  • 疫病と世界史(下)
    世界史は疫病が動かす。「銃・病原菌・鉄」より何十年も前の卓見。見えない、理屈がわからないものへの恐怖がどれだけの影響を及ぼすか、放射線科学を知らない人の振る舞いを見れば現代でもよくわかる。現代医療の恩恵を受けた常識で判断せず、未知の恐怖で世界史を理解すること。
  • 疫病と世界史(上)
    異文化の邂逅は病原菌の交換でもある。人々が新しい病を克服するまでの抵抗がそのまま中世の停滞だとする。図版を使った解説本があればもっとすんなり頭に入るのだが。
  • 疫病と世界史(上)
    アフリカでは、焼畑農耕が熱帯雨林に広がり始めると、雑草を好む蚊の繁殖場所となり、マラリアが猛威をふるうようになった(p.94)。中央アフリカと東アフリカで、19〜20世紀にヨーロッパ人が農地を広げた際も、ツェツェ蝿が増加して睡眠病を流行させた(p.96)。

    インドのカースト制度は、侵入者のアーリア...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    疫病が世界史に与えた影響について壮大なスケールで書かれていて、世界史の見方としておもしろい。本当かどうかわからないあやしい説明も含めて楽しめた。 
    18世紀以降を描いた6章は具体的で、瘴気説・細菌説の論争や、軍事医学の進歩や、ハンブルク市・アルトナ市の上水道の例など、科学で感染症を克服していくさまが...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    ・各章の中に節が無く文章だけが延々と続くのが読みづらい。なぜこのような書き方にしたのか。 
    ・日本がちょくちょく出てくるのはうれしい。ただ江戸幕府が大砲帝国というのはおおざっぱすぎる。