礫川全次のレビュー一覧

  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    働きすぎは日本人の勤勉性に端を発する
    勤勉性はせいぜい数百年程度の歴史しかない
    勤勉性の原因として二宮尊徳、浄土真宗、戦時体制、資本主義、松下幸之助、高度経済成長期などを挙げている
    二宮尊徳は勤勉な農民を育てようとしたが抵抗にあって挫折した。
    このことから勤勉に嫌悪感を持つ農民が多かったことがわかる...続きを読む
  • 歴史民俗学資料叢書V 生贄と人柱の民俗学
    この本を読んで痛感したこと。それは、漢文を読む力と日本の神様の知識があれば、もっともっと理解が深まったということ。今後古文献を自分で読みたいと思っている自分としては、すこしずつ慣れるようにしつつ、解説付きの本も取り入れていくようにしようと思う。

    人身御供、人柱。昔話や民間伝承や現在の物語の題材にも...続きを読む
  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    日本人はいつから働きすぎているのだろうか。
    日本人は「自発的従属」であるのだ。
    なぜ「勤勉」じゃないといけないのか。その「勤勉」という意識を支えているのは「非合理」な考えなのだ。何も信憑性がない。なぜ「怠惰」はいけないのか。
  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    「日本人はいつから働き過ぎになったのか」
    日本人の勤勉さについて歴史的に検証している。検証はすべて仮説として断定していないところが奥ゆかしい。
    マックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が念頭にあり、近代資本主義がプロテスタンティズムの倫理の精神に支えられていると言うことか...続きを読む
  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    過労死に至る日本人の「勤勉性」のルーツを分析するもの。
    江戸中期の浄土真宗本願寺派の教義の中に、「勤労のエートス(社会の倫理的雰囲気)」が生まれ、全国に徐々に拡大していく。
    その後、明治維新後の新政府が、欧化政策を進める一方、日本のアイデンティティを守るため、国家の基軸として、皇室を据え、その模範的...続きを読む
  • 日本人は本当に無宗教なのか
    「日本人は無宗教である」理由を述べる箇所では、
    宗教の範囲を日本人の意識から決定しているので、
    なんだかすっきりしなかった。
    「日本人がもつ宗教の定義からみれば、日本人は無宗教である」と言っているように読める。
    「札幌の人がもつ大雪の定義からみれば、札幌は雪が多い地域ではない」のような?
  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    過労死しちゃう日本人の、勤労観のルーツを探った一冊。

    二宮尊徳をディスってたり、浄土真宗、吉田松陰や福沢諭吉などを辿る流れがとても興味深い。

    明治時代から松下幸之助、戦後復興から過労死・過労自殺までの考察なども。

    文章が高くてユーモアがなくて、息苦しい論文調なのがとても残念だが、「勤勉は美徳だ...続きを読む
  • 日本人はいつから働きすぎになったのか
    日本人の国民性として挙げられる「勤勉」について、いつからそのような性質が生まれ、称賛されるようになったのかを歴史的背景から考察した一冊。
    江戸時代の農民、武士の生活、明治、大正、昭和と戦中戦後の経済成長の時代を経てどのように日本人の勤勉さが変遷してきたかを描いた段はとても興味深かった。二宮金次郎や松...続きを読む