マイケル・モーパーゴのレビュー一覧

  • ガリバーのむすこ
    母さんと別れ、ボートに乗り込んだ難民の少年オマールがたどり着いたのは小人の国だった。そこは、300年前に「ガリバー」が訪れたリリパット国で……。とびきり楽しいお話の中に平和を実現するための鍵を閉じ込めた、今読んでおきたい作品。子どもたちにぜひ手にとってほしい。

    「まるで病原菌のように、戦争はあらゆ...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
    普通の人間と小人が仲良く暮らしているなんて、夢みたいな話だったけれど、小人の説明が詳しかったり、現実の話(難民キャンプなど)と空想が組み合わされたりしていて、話が伝わりやすく、まるで本当にあったお話のように感じました。
  • ガリバーのむすこ
    5.6年。ガリバー旅行記からの、現実アフガニスタンに住んでいた僕が戦争によって難民になり、ガリバーのむすこに勘違いされる話。表紙の絵の展開も最後も素敵。
    戦争を絡めたモーパーゴさんの話は本当にさらりと深い。
  • フラミンゴボーイ
    マイケルモーパーゴは、歴史の一コマを取り出して現代の私たちと繋げてくれるのが、なんてうまいのだろう。これまで第2次世界大戦を舞台にした物語を何作も届けてくれているが、毎回切り口が違って、毎回素晴らしい。
    イギリス青年のヴィンセントが、子どもの頃出会った忘れられない物語の一場面と一枚のゴッホの絵をきっ...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
    母さんと別れ、アフガニスタンをボートで出国しイギリスに向かうはずだった少年オマール。
    海に投げ出され気がつけば、リリパット国にいた。
    ガリバー旅行記と現代の難民移民の話をミックスさせたような物語。リリパット国とブレフスキュの争いに関する章では、現代世界の風刺が書かれている。

    少年の目で冒険を楽しみ...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    ナンシーが語った『フラミンゴが戦争するのか、人種差別するのか、自分とは違うという理由だけで虐殺するのか』
    訳者さんの後書きにもあった、戦争をおこすのは大人だけ。

    大人の行動を見て子供も差別をしたり、攻撃的になったりする。
    自分の行動が子供に影響を与える。そこをきちんと理解して学んでみんなが平和に安...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    戦争下で進んでいく物語なのに、悲しくもずっと優しさと温かい空気が包んでいる。

    人の言葉は苦手だけど、人の心と動物の言葉を理解する少年の優しさと強さに胸を締め付けられる…。
  • フラミンゴボーイ
    ナチスの軍人の一人が 精一杯の信愛を示してくれて
    人対人なら こうも和やかにいくのにと
    切なくなりました
    辛いことも多いですが優しい終わり方も
    まるで ロマのメリーゴーランドのように
    美しい話です
  • フラミンゴボーイ
    自分と同名の画家ゴッホのボートの絵と小さいときに読んだ物語の一場面に出てくるロマのおじいさんの「行き先は道まかせ」に惹かれて、フランス南部のカマルグを旅するヴィンセントは、暴風と蚊と急な体調不良から行き倒れてしまう。目が覚めたところは、暖炉のそばのソファーの上で、そこには、ケジアと犬のアミと変わった...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    南仏にある小さな村の湿地のほとりで、旅行中のイギリスの若者ヴィンセントは体調を崩して倒れてしまった。助けてくれたのはロレンゾとケジア。ロレンゾの話す言葉は断片的でよくわからなかったが、目が雄弁に気持ちを語ってくれた。ケジアは英語を上手に話し、二人がこの農場で暮らしてきた月日、特に戦争中の出来事につい...続きを読む
  • ガリバーのむすこ
     アフガニスタンで家族で幸せに暮らしていた10歳の少年オマール。戦争が始まり、父を失い、妹の行方もわからなくなる。そして母と二人でイギリスに住むサイードおじさんを頼るために海を渡る決意をする。しかし二人一緒にはボートに乗ることができず、オマールがまず先に出発することになった。嵐がやって来てボートを激...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    英国に住むヴィンセントは、試験が終わったのでフランスへ自由な旅行に出かけたが、フラミンゴの大群の中で体調を崩し倒れてしまう。そんなヴィンセントはロレンゾに助けられる。自閉症のロレンゾは、ロマ(ジプシー)の女性ケジアと暮らしている。ヴィンセントは、なぜケジアとロレンゾがそこで二人で暮らすようになったか...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    「アーニャはきっと来る」2020.3月刊と、テーマや登場人物が似ている。良かったのだが、読者としては、似た話を書くなら一冊に凝縮させてほしいと思ってしまう。最後にモヤモヤが残った「アーニャ…」だったが、こちらは終わり近くの英国人の部分がサラッとしすぎていて、最後にもうひと盛り上がりあって有無を言わせ...続きを読む
  • フラミンゴボーイ
    心を通わせて、希望を失わないで。

    ある男の回想という形をとって語られる物語。少年の時、旅路で世話になった人の昔話。それは、フラミンゴと話ができる少年と、その少年の隣にいた少女の話だった。

    人間は自分と違うものを嫌う。戦争は残酷な行為に理由を与える。発達障害のロレンゾを笑った人もいたし、ロマのケジ...続きを読む