齋藤陽道のレビュー一覧

  • 声めぐり
    ことばが、手話が、私たちが生きるこの世界が、愛おしく見えてくる一冊。

    ことばが美しく、情景が浮かび上がってきます。

    私は手話から少し離れてしまっているけれど、なおも心に焼きついたその美しさが、この本を読んで呼び起こされました。
  • 声めぐり
    私たち聴者が聞き流したり見過ごしてしまうような僅かな変化を丁寧に観察し、「声」として触れあう。
    齋藤さんの観察力と、それを言葉や写真にする表現力がすばらしい。
    それでいて人の心に寄り添うような語り口に、優しい気持ちにさせられた。
    聞こえる私は本当に「声」を聞けているだろうかと考えずにはいられない。
  • 声めぐり
    幸せな思い出も嫌な記憶も、すべてが素直すぎるほどありのままに綴られたエッセイ。
    音のない世界で生きる著者だからこそ感じられたのであろう“声”を、私も聴いてみたくなった。
    たとえ不器用でもまっすぐに生きることの素晴らしさを教えてくれる作品。
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    ことばは存在を分類する。著者のあとがきの言葉である。が、この本を語る上で欠かせない分類。著者本人とその妻まなみさんは、聴覚障害者で、
    コーダである二人の子と去年の夏生まれたばかりの第三子と暮らしている。手話のこと、毎日の暮らし、子育てについて、自分で撮った写真とともに(著者は写真家)綴ってるのが本書...続きを読む
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    おかあさんといっしょのエンディングテーマの作詞者さんということで身近に感じて手に取った。
    ご自身は聾で、同じく耳が聞こえないパートナーとの間に、耳の聞こえる所謂CODAのお子さんが2人の、合わせて4人家族の日常の様子が写真とともに綴られてる。

    光を感じるキラキラとした言葉。家族の体温を感じる温かく...続きを読む
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    ろう者の父が同じろう者である妻と、二人のコーダのお子さんとの日々と思索を綴ったエッセイ。自分はどちらかと言えば、文字特化型の人間で、それ以外にはあまり目の機能を使ってこなかったな、という自覚が最近はっきりしてきて、聴覚が弱い筆者の世界への文字通りの「まなざし」にハッとさせられた。筆者の書いているよう...続きを読む
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    齋藤陽道(さいとうはるみち)さんを知ったののは何だったのか覚えてないけれど、興味を持ったのは、ろうの写真家だというプロフィールだった。
    無音の世界で、目を凝らし、写真を撮る。
    どういう感覚なんだろう。
    その後、文章を読んで、その文章にも惹かれた。
    世界に対して、真摯に向き合い、パートナーのまなみさん...続きを読む
  • 声めぐり
    陽道さんの写真に出会えたことが嬉しいし、こうして言葉にも出会えたことが嬉しい。
    生きていくこと、そのままでいい。

    皮膚と。
  • 声めぐり
    「大切なことは 目には見えないんだよ」
    という あの王子様のフレーズが浮かんでいた
    ほぼ 同じように
    「大切なことは 耳では聴こえないんだよ」
    とも 言い換えられるのだ
    と 思った

    改めて
    心で感じることでしか伝えられない
    身体まるごとを通して感じることのできる
    「声」というものが確かに在る

    ...続きを読む
  • 声めぐり
    めぐり、めぐる。

    「皮膚の記憶」で終わるのがとてもよくって、とても腑に落ちる。
    ほの暖かい何か。
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    家族4人暮らしの話。手話と言葉を交えた親子の様子、気付き。他の人の体験を自分に取り込むような話は、なるほどと思った。
    写真がとても良い。
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生
    著者の職業はろう者の芸術家…なのかな。写真家 兼 障害者プロレスラー(ドッグレッグス)。
    ろう夫婦の家族+聞こえる子どもたち(コーダ)の日常を題材にした生活、成長記録、思ったことを書いたエッセイ。
    個人的にはポエミーでくどい文体が苦手で熟読せず、通読で済ませた。