齋藤陽道のレビュー一覧

  • つながりのことば学

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    ことば、は意味をやりとりするためのものではないのかもしれないと思った。もっと、形のないもの、を伝えあうことのようなきがした。

    自分自身のことばをもつ、ということは、苦しさを生き抜くうえで、救いにもなるし、唯一息がしやすくなる、よりどころにもなる。

    助けられてばかりの弱い自分じゃない、自分の足で立って、やっていくんだという表明にもなる。

    うちのなかにあるものを表現するとき、それはことばでも、手話でも、写真でも、絵でも。意味を伝えたいのではなく、わからなさのままでも、「何かが相手に伝えることができた」の一瞬そのことがコミュニケーションなのかもしれない。

    めにはみえない、きこえない、それでも

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    2025年10月03日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    写真家・・・というところに惹かれて読みました。
    生きることはどんな場合もとても・・・・とは思いますが。
    知らないことが多かったので読みごたえがありました。
    とてもい本でした。なるべくたくさんの方々に読んでほしいと思います。
    登場人物に愛しさを感じました。中の写真もとても素敵でした。

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    2025年05月12日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    [当たり前]は言い換えると「私がそう感じているんだから、あなたも同じように感じているでしょう」という、想像力を欠いた決断だ。(よっちぼっちより)
    自分の[当たり前]に執着しない、という言葉が深く刺さった。

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    2024年07月24日
  • 声めぐり

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    ことばが、手話が、私たちが生きるこの世界が、愛おしく見えてくる一冊。

    ことばが美しく、情景が浮かび上がってきます。

    私は手話から少し離れてしまっているけれど、なおも心に焼きついたその美しさが、この本を読んで呼び起こされました。

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    2023年07月05日
  • 声めぐり

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    私たち聴者が聞き流したり見過ごしてしまうような僅かな変化を丁寧に観察し、「声」として触れあう。
    齋藤さんの観察力と、それを言葉や写真にする表現力がすばらしい。
    それでいて人の心に寄り添うような語り口に、優しい気持ちにさせられた。
    聞こえる私は本当に「声」を聞けているだろうかと考えずにはいられない。

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    2022年01月23日
  • 声めぐり

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    幸せな思い出も嫌な記憶も、すべてが素直すぎるほどありのままに綴られたエッセイ。
    音のない世界で生きる著者だからこそ感じられたのであろう“声”を、私も聴いてみたくなった。
    たとえ不器用でもまっすぐに生きることの素晴らしさを教えてくれる作品。

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    2021年06月15日
  • つながりのことば学

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    ろうの写真家、齊藤陽道さんのつながりのことば学。
    手話にも日本手話と日本語対応手話があることを初めて知った。

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    2025年11月27日
  • つながりのことば学

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    意味を伴う「言葉」と、それになる前の判然としないものを含めた「ことば」。
    自分自身で感じた「ことば」を、すでにあるものではない「言葉」で丁寧に紡いでいこうとすることの大切さ。
    言葉で人をラベリングしてわかった気になってはいけない。「ことば」を捉えて想像力を働かせることで世界の見え方は変わる。
    概念的なことがひたすら綴られるが、ろうであり手話を使って世界を捉え続けようとしてきた著者の丁寧な言葉が沁み入る。

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    2025年08月25日
  • つながりのことば学

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    ことばって、一つじゃない
    誰しもがわかる共通で使えることばなんてありはしない
    強いて言えば表情?かもしれないけれど、作られた表情もあるしなぁ

    どれが優れていて、どれが優れていないかではなくて、ことばに関しても優劣をつけることはしてはならないことだと思う
    言語、というもので縛られることなく、この世界を生きていけたらどんなに素晴らしいことだろう

    簡単に言葉を話すことができるからこそ、本当は大事にしなくちゃならない言葉

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    2025年08月12日
  • つながりのことば学

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    当たり前に使う言葉においても、少数派が多数派に合わせるよう強いられる構造は、やっぱり存在する。マイナー言語然り。そして最たるものともいえる手話もそう。著者は手話の話者な訳だけど、ならではの少数派への目配りが伝わってくる。

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    2025年08月12日
  • 声めぐり

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    この方は某生活雑誌での連載を読んで知った。お子さんがメインの連載で子どもと対等なんだな、と感じていた。その後ドキュメンタリー番組を視聴し、手話と写真で思い伝えることにとてもパワーを使われていた。そのあとにこの本を読んだので、思いを伝えることへの情熱の理由が垣間見えたように思う。

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    2025年08月12日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    本の中にある写真も素晴らしいし
    (特に赤ちゃんがほこりを見つめている写真、
    ここに、宇宙があると思った)
    著者の感性溢れる文章にも癒された。

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    2025年03月20日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    ろう者の著者は写真家で文筆家でプロレスラーなのだとか。著者と妻のまなみさん、樹さんと畔さんという2人の息子の4人での生活が綴られている。期待していたような心にゆとりがあるというか、見えなかったもの聞こえなかったものに気づかされるようなことばや出来事が散りばめられている。たとえば、手話ができると水の中でも会話ができるんだ。考えてみれば当たり前のことだけど、聞こえる自分ではなかなか気づかないことだと思う。聞こえない家族がいる家庭という、いわば普通でないのが当たり前の家庭だから、かえって常識的なものに縛られずに自分ための気持ちに素直に丁寧に暮らせるのかなとも思ったりした。
    それから、p.120からの

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    2025年03月02日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    ろうの両親と二人の聞こえる子どもたち。
    四人の一人がひとつの家族として生きていく日常。生きていくことのありがたさが伝わって感動する。

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    2024年06月01日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    ことばは存在を分類する。著者のあとがきの言葉である。が、この本を語る上で欠かせない分類。著者本人とその妻まなみさんは、聴覚障害者で、
    コーダである二人の子と去年の夏生まれたばかりの第三子と暮らしている。手話のこと、毎日の暮らし、子育てについて、自分で撮った写真とともに(著者は写真家)綴ってるのが本書だ。非常に繊細な清らかな文章で綴られる日常で感じていること、出来事は深くこちらの胸を打つ。耳が聞こえて話せる自分は、言葉をどれだけぞんざいに扱ってきたのか?と、愕然とさせられる。この本を読んで、何ができるか?は、わからない。ただ、今まで知ろうとしなかった、手話のある暮らし、手話にまつわるさまざまなエ

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    2024年04月23日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    おかあさんといっしょのエンディングテーマの作詞者さんということで身近に感じて手に取った。
    ご自身は聾で、同じく耳が聞こえないパートナーとの間に、耳の聞こえる所謂CODAのお子さんが2人の、合わせて4人家族の日常の様子が写真とともに綴られてる。

    光を感じるキラキラとした言葉。家族の体温を感じる温かくて切ない言葉。五感のうちのひとつがない著者から紡がれる日常世界はとても感性豊かで刺激的だった。

    そしてCODAであるお子さんとのやりとりは、すごく愛情深くて、純粋に「あ、子育てっていいものなんだな」と思えた。自分と違う生き物とこんなに深く心を通わせられること、不安な夜も体温を感じられること、成長が

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    2024年03月23日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    ろう者の父が同じろう者である妻と、二人のコーダのお子さんとの日々と思索を綴ったエッセイ。自分はどちらかと言えば、文字特化型の人間で、それ以外にはあまり目の機能を使ってこなかったな、という自覚が最近はっきりしてきて、聴覚が弱い筆者の世界への文字通りの「まなざし」にハッとさせられた。筆者の書いているように、「これまでよりも時間をかけながら、世界を見て」いかなきゃな、と思いました。

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    2024年03月23日
  • よっちぼっち 家族四人の四つの人生

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    齋藤陽道(さいとうはるみち)さんを知ったののは何だったのか覚えてないけれど、興味を持ったのは、ろうの写真家だというプロフィールだった。
    無音の世界で、目を凝らし、写真を撮る。
    どういう感覚なんだろう。
    その後、文章を読んで、その文章にも惹かれた。
    世界に対して、真摯に向き合い、パートナーのまなみさんとも、小さなお子さんたちとも、真剣に、誠実に向き合っている姿に感動する。
    また、ときおり登場するオノマトペが独特で面白くて、思わず二度読みしてしまう。
    エッセイと響き合う写真は、不思議な感覚を呼び起こされた。
    こんな一瞬があるんだ、という驚き。
    やっぱり、子どもは自然の中にいると生き生きするな、とい

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    2023年12月17日
  • 声めぐり

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    陽道さんの写真に出会えたことが嬉しいし、こうして言葉にも出会えたことが嬉しい。
    生きていくこと、そのままでいい。

    皮膚と。

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    2020年12月05日
  • 声めぐり

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    「大切なことは 目には見えないんだよ」
    という あの王子様のフレーズが浮かんでいた
    ほぼ 同じように
    「大切なことは 耳では聴こえないんだよ」
    とも 言い換えられるのだ
    と 思った

    改めて
    心で感じることでしか伝えられない
    身体まるごとを通して感じることのできる
    「声」というものが確かに在る

    私たちの言葉は
    ちゃんと 相手に届いているのだろうか…

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    2018年12月24日