森鷗外のレビュー一覧
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同シリーズの従来作にはない、イラストと文学の融合の仕方だった。最初のページから、ウィリアム・モリスを連想するような装飾性に引き込まれた。色彩の鮮やかさも、同シリーズの中で際立っている。屹立する巌に向かって、ハルロオと呼びかける、その情景の豊かさ、ページをめくるたびに違った表情をもって現れる。
同シリーズはこれまで、名作古典文学の文章と、それにどう関係するのかわからないイラストレーターの趣味のようなイラストとが、ただ併存しているように思えるものが多かったが、本作は、両者がきちんと融和して一塊となり存在していた。文字の色や配置にもデザイン性が高い。書籍のデザインとしてとても良い一冊でした。 -
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遠島を申し渡された罪人を乗せ、高瀬川を上下する、高瀬舟。弟殺しの罪人・喜助と、護送の任に就く庄兵衛を乗せた舟は、日没を過ぎた京都の町を横切る。
森鴎外の筆は、日も暮れた仄暗い都を縦断する川の、水面の揺れる音まで聞こえてくるような、静謐でどこか安らぎのある情景を描き出す繊細な筆致である。
喜助の罪人らしからぬ表情やその語り、そしてそれを聞き、喜助の生き様を知るにつけて、翻って我が身の上に思いを馳せる庄兵衛。対話の中で両者の心情が呼応するように深められていく構図が心地よい。喜助の行いは果たして罪かと、そう考える庄兵衛の思いは、おそらく読者である私たちも同じだろう。AI要約は、本作のテーマは「足るを知る」であると言っている。喜助は「足るを知る」がゆえに、人の死を幇助したという重たい物語にもかかわらず、読み手はどこか安寧を感じるのだろう。「足るを知る」がますます不可能事になっている感のある現代において、この物語のもつメッセージはより深いものになっているように思う。
そしてこの乙女の本棚シリーズにおいて、本作のイラストは今までにない適切さのある美しいイラストだった。正直このシリーズは、イラストレーターの趣味の域を出ないただの個性の発露もしくは、出版社の自己満足のように思えてならなかったが、本作のイラストは、きちんと物語世界に寄り添っていて、かつ美しい描写だった。 -
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〈乙女の本棚シリーズ〉
森鷗外+げみ
罪人を乗せ京都の高瀬川を上下する高瀬舟。
その高瀬舟に乗せられ、弟殺しの罪人だという喜助と一緒に乗り込んだ同心の庄兵衛は、喜助が島へ往くのを悲しがっていない態度を不思議に思う。
彼の話を聞いてみると…。
働けど暮らしは楽になるわけもなく、もらった給料も右から左で、島へ往くについて二百文を戴いて手にしたことで、どんな為事ができるかわからないが本手にしようと考えていると。
喜助の慎ましい態度に人をあやめた理由を聞くと…。
それはなんとも言いようもなく…
腑に落ちないまま、ただ無言になる。
高瀬舟での長い話のはずが、全く長いと思わないのは喜助の正直な気持ちの現れだからだろうか。
表情の見えない絵に心は伝わってくる。
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すまなかった
17おネエである
そして謝罪である
17おネエにして至極当たり前のことに気が付いた
謝罪したい
土下座も辞さない
ただの土下座ではない
武士の土下座である(いつから武士よ)
この乙女の本棚シリーズ
ただ順番に人気のあるイラストレーターさんに依頼してるわけでなく
ちゃんと世界観にあった方を吟味してお願いしておるな
いやだからごめんて
武士が謝ってるやん
一族からやいのやいの言われるのに
それをおして謝ってるやん
森鷗外の『木精』にいとうあつきさんのイラストはビタリである
文句のつけようがない
三波春夫でございます
違った「ハルロオ」だ
この件については謝罪する気はない -
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乙女の本棚シリーズ♪
森鴎外さん×げみさん
以前に芦田愛菜ちゃんの「まなの本棚」を読んで、そこで紹介されてた作品で1番気になってたのが、この「高瀬舟」でした。
それなのに、なかなか文学作品には手が伸びず、、(・・;)
だけどこのシリーズなら、なぜだか手に取れてしまう〜\♡︎/
森鴎外さん初めて読みました。
色々考えさせられる内容だったけど、いい作品だったな〜。
"足るを知る"という事。
そして"安楽死"についても。
高瀬舟は京都の高瀬川を上下する小舟。
その昔、罪人をこの高瀬舟に乗せて島流しにする習わしがあった。
その道中?、罪人の話を聞いた護送人が胸を痛め、思い巡らすお話。
自分の当たり前は、誰かにとっては当たり前じゃないかも知れない。
分かってるつもりだけど、そのありがたみってどうも忘れがちになる。
何かにつけ、不満ばっかり言ってるな〜って、自分を振り返ってちょっと情けなくなる思いだった。
安楽死についてはそう簡単に決めれる事ではなく、延命治療の選択は出来ても、それ以上の事は許されてない今の現状に、やっぱり留まるほかないのじゃないかと思ってしまう。
ただ、そこにはどうしようもない場合や、深い愛情があるからこその場合も多いんだろうなとも思えた。
今でも京都に流れる高瀬川は、とても風情のある小さな川で、その川にそんな由来があったのかと初めて知った。
暗い内容だけど、気持ち新たになった気分。
げみさんのイラストも素敵でした!
たまに読み返して、自分に喝を入れたい作品だった。
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ネタバレ十二歳ぐらいの七人の少女がきゃいきゃいやっていたところに現れた、十四五と思われる西洋人形のような"平和の破壊者"。
少女たちと同じように、彼女も泉を汲んで飲もうとするのだが、取り出した杯は黒ずんでいて馬鹿に小さく、少女たちの大きな銀の杯とくらべてずいぶん見劣りがする。
少女たちはそれを口々に貶しながらも、哀れみから「あたいのを借そうかしら」と差し出すが——
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」
という凜とした主張は、なにかしら人生に対する訓戒のように思えた。
パステルかつメルヘンながら毒を感じる今井キラさんの絵が、森鴎外の文章と絶妙に融合する一冊。