瀬尾夏美のレビュー一覧

  • あわいゆくころ

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    東日本大震災後ボランティアに行き、その後陸前高田付近に移住して厄災後や復興の7年間様子のツイートした歩行録、あと語り、絵物語

    様々な感情や想いが丁寧に綴られていて、それが時間の変化とともに変わっていくことも伺える

    陸前高田付近は特に津波の被害が酷く、そしてその復興は、近くの山を切り崩してもとの街の上に土を嵩上げして新しい街を作るという大掛かりな土木工事。完成してしまったら消えてしまうその間の生活や過去との繋がりなどとても貴重な記録

    さすが藝大生ともいうようなとても鋭い、感受性、観察分析、そして文章による表現力。絵や映像作品も是非とも観てみたい

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    2025年09月25日
  • あわいゆくころ

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    東日本大震災をきっかけとして、被災地である陸前高田市に住むこととなった筆者が、写真館で勤務しながらツイッターに投稿した内容を紡いだ本です。7年間に亘り、現地で発したツイッターを読んでいると自分自身も現地にいて、現地の空気を吸っているような感覚に襲われました。現地にいることで見える風景があると思っています。外から見ただけでは分からない風景があると思っています。私はこの本を読みながら「復興」とは何だろうと考えました。読み終わったとき「復興」とは、道路、建物を作るということだけではなく、その地に暮らす人々の気持ちが立つ、気持ちが前向きになっていることが「復興」ということなのではないかと思いました。

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    2021年12月29日
  • あわいゆくころ

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    「見るのが辛いと言って、流されたまちに降りてこなかったおじちゃんと、一度だけここを歩いた。草だらけになった自分の店の跡地を見て、ごめんなあと泣いていた。いま彼は空の上で、何を思っているのだろう。」(p256)
    「流された土地に広がっていた、あの花畑は一体何だったのだろう?もしかしたらそれは、(結果的に)その土地への死化粧だったのかもしれない。
    そこへ出入りする人びとがともに手をかけて風景に色をさす、一つのお別れの作法。」(p271)
    「何かをつくるやつは距離を保て」(p275)
    「大きな破壊のあと、まちの人たちが壊れたものを丁寧に取り除いてやっと手に入れた、過去の痕跡と現在が視覚的に混じりあう

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    2022年04月09日