読んで損はない一冊。
有毒、汚染を齎す物質の実態や影響を分かりやすく解説してくれる。身につく知識が多く、読後、少し賢くなった気がする。
イヌイットの血液中PCB濃度が著しく高い。何でイヌイット?と思う。高緯度地域は,水温が低く、揮発性より沈着量が勝るため、化学物質は徐々に北極へ集まるからだ。これを
...続きを読むグラスホッパー効果という。
世界の石油年間産出量の8%がプラスチックへ。プラスチック原材料への使用が半分、作る際のエネルギーとしての使用が半分。プラスチック製品には、プラスチックを適度に柔らかくする可塑剤、太陽光による劣化を防ぐ紫外線吸収剤、難燃剤が含まれる。
ポリ塩化ビニルを使用する多量のゴミが燃焼によりダイオキシンを発生させ土壌汚染。そこで育った牛から牛乳へ、更にはそれを飲んだ人体へ。
マイクロプラスチックがPCBを吸着させ体内へ。トロイの木馬のように、運び屋になる。ポリエステルやナイロンの衣服の洗濯クズ、ポリウレタンやメラミンフォームのスポンジくずもマイクロプラスチックとなる。
血液ー脳関門が有害な成分を脳に取り込まないようにしている。しかし、メチル水銀がシステイン結合体になれば、関門を突破してしまう。重要な栄養素である必須アミノ酸のメチオニンに化学構造が似ているため。胎盤もバリアとして機能しない。