老化に関して、進化生物学者たちが歩んできた過ちを指摘しつつ、寿命を延ばす研究について書かれている本。
読むのに時間がかかりました。面白くないわけではなはない(回りくどいですね)のですが、なんだろう、読んでは戻り読んでは戻りで、気合が入らないところは、斜め読みし、コラムを飛ばし、ようやく終わった、とい
...続きを読むう感じ。
2018年の本なので、研究は進んでいることでしょうけど、老化に関する研究は、企業等が秘匿しているのであまり表に出て来にくいらしいので、世間的にはあまり変わってないかもしれませんね。
まず、老化は「明確な遺伝的プログラムによって引き起こされている」らしいです。
身体は癒えようとはせず、むしろ反対に自分自身を破壊しようとしているので、老化を防ぐためには自己破壊のプロセスを、生命のシグナルに変換する必要があるというのは衝撃でした。そして機械と同じように身体を使い続けるとガタがくる、というのは誤りで、いつまでも現世代が残っていると次世代の成長を確保できないため、現役世代は老化することで、コミュニティとして多様化と回復力を維持する、ということ。この主張は直感に反するので、詳述されているのですが、それがやや苦痛でした。
確かに、生物という意味では、植物の中には永遠に育つものがいますし、まったく年を取らない動物や若返る生き物もいます。私たちの身体は長生きするためにベストを尽くしていないんですね、へぇ~そうなんだ。
面白かったのは、第9章の「長生きするためには」に、実際、寿命が延びたという報告のあるも。
人間の死亡率を下げることが判明した薬物:抗炎症薬(アスピリン・イブプロフェン)、ビタミンD、糖尿病治療薬(メトホルミン)
その他、魚油やターメリックは天然の抗炎症薬で、心臓病、脳卒中、認知症の予防効果があるとされます。したがって、自然が体にいいという説は、最高の健康が得られるように進化してきたはずで、体に勝手にやらせた方がいいというのは若者の病気には当てはまるが、老化に関して誤解ということです。
などなど、面白いところにポストイットを張っていたら、結構な数になったので良い本だと思うのですが、もともとは、若返る動物であるベニクラゲの話を知りたかったので、評価としては★3つにしました。