渡瀬裕哉のレビュー一覧
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ネタバレ民主主義が選挙で成り立つ以上、分断(グルーピング)という名のマーケティングで票を得る闘争になるのは否めないとして(政治家だけでなく閲覧数や広告費で儲けるメディアが拡声器となりSNSがエコーチェンバー起こすことなども)、でも知識人層がこの新たな分断を見つけることに熱中しているとする指摘は、違和感が残った(米国知識人の発言を日常的にウォッチしてないけど)。
知識人らが新たな断絶を発見し、政治家が声高にその亀裂を指摘(あるいは焚き付けて)し、メディアがその分断の裂け目を深く広くしていく流れだ。こうしてグルーピングされた人数が選挙の得票数となる。
このように社会的合意を見いだせなくなっていけば民主 -
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なるほど… 私の今の問題意識に対して大変示唆に富む内容でした。そうなんですよね… アイデンティティ・ポリティクスの行き過ぎと、それに対抗する形でのナショナリズムの扇動という対立構図。国の生い立ちや社会背景の違いにより細かなところでは全く同じではないですが、大胆に単純化するとアメリカで起きていることも、欧州の多くの国で起きていることも、この図式に要約されますね… で、外からの「レッテル貼り」によってアイデンティティが押し付けられてしまっているという「作られるアイデンティティ」の経緯。
先に読んだ『アフター・リベラル』では「歴史認識」を(そのような「外からのアイデンティティ形成の)一つの軸として取 -
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ネタバレ今年一月の著作で、アメリカトランプ政権の強みを知るための必要な視点を開設されている
2020年大統領選挙後の世界と日本 “トランプ or バイデン" アメリカの選択と間違えて買ったわけでない
ようやっと読んだからデス(情けなさは同じです)
およそ動画やtwitterで示された内容や主張が同じである(当然)経験を振り返り読んだわけだが、内容に祖語が無い
予測や予言と言いたくないが、著作をなぞり世界が動く
しかし次の大統領再選は厳しそうだ
トランプの強みである経済がふっとんだが、昨今の選挙戦はアイデンティティ政治に馴染んだ有権者の投票行動は「経済政策成功」した政治家だけを選ぶわけではな -
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国際政治アナリストでありIT企業の取締役の著者。日本経済を復活させるため、減税と規制撤廃の必要性とそのための方法を主張している。
読み進めているとだんだん気分が悪くなってくる。主義主張には賛同できる部分も多くあるが、「利権にしがみつく者」を単純に敵と決めつけてだんだん言葉使いも下品になってくるのが残念。その主張には分断と対立を煽る姿勢が見える。
結構良いことも言っているし、規制の裏に利権ありの構造も理解できるが、著者は「相手の言い分を聞かず、議論が平行線になるタイプ」な感じを受けた。
これらを差し引いても、トランプ前大統領が作ったという「法律を1つ作るなら廃止する法律を2つ差し出す」とい -
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ネタバレ「アイデンティティの分断」と昨今よく耳にする言説を、選挙マーケティングビジネスの観点から解説。あまり目にしない切り口で興味深かった。
なるほど確かに、アイデンティティの「分断」は「発見」され、「問題」にされ、押し付けられる。そして選挙の対立軸が生まれ、私たちは気付かずに動員される。しかし分断自体は悪いものではないと筆者は説く。それは私たちにより多くの選択肢を提示することをも意味するからだ。しかし、私たちが与えられたレッテルを無批判に受け入れると、選挙ビジネスの手の内で踊らされることになる。リベラル層・保守層から分断の物語が提示される中で、自らのアイデンティティをしなやかに選択していくことが大 -
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毎年恒例のGWの部屋の片付けで発掘された本です。この本は令和2年1月(コロナショック前)に書かれた本なので、その内容は含まれていないものの「世界のどんでん返しが始まる2020年!」という帯に書かれたコピーに惹かれて購入しました。読み終わったは、まだ中国での感染の情報も入っていない頃です。
メディアが知らない、というタイトルなので、この本には筆者が独自で得た情報が入っているのかもしれませんが、果たして書いてある通りのことが起きるかどうか不明ですが、コロナショックで、日本での緊急事態宣言も1ヶ月以上延長されることが昨日決まりました。恐らく6月末までこのような状態でしょう、私も含め庶民はもう元どお -
中立が偏見で自爆。
一見中立を目指して書かれているが、遠回しな偏見がかしこに見られる。政治を説く本はそう言った傾向があるが、渡部先生や遠藤先生といった一流の著者の書籍と比べると至極幼稚である。シンクタンクに関する記述はなるほどと思わせられる部分もあるが、どこかで聞いたような話の延長でしかない。若い著者には期待していたが、書籍単体の評価としては現状星1が妥当であろう。